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パブリック・スクール  講談社現代新書
英国式受験とエリート

パブリック・スクール(講談社) 竹内 洋著
税込価格: ¥672 (本体 : ¥640)
出版 : 講談社
サイズ : 18cm / 195p
ISBN : 4-06-149134-2
発行年月 : 1993.2
利用対象 : 一般

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コメント・書評

英国という階級社会
塩津計
Nov 15, 2006 5:31:06 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

英国は日本とはまったくことなる階級社会である。階級を簡単に見分ける方法は英語である。上流階級が話すパブリックスクール訛りの英語と労働者階級が話すコックニーでは、これが同じ国の言葉かと思うほど異なる。ここまで来てピント来ない人の為に補足すると、英国の政治家(サッチャーやブレアなど)が話す英語がパブリックスクール訛りで、サッカー選手のベッカムヤルーニーが話す英語が労働者階級の話すコックニーだと思えば良い(よくベッカムを捕まえて「英国紳士」だの「ジェントルマン」だの言う奴がいるが冗談じゃない。ベッカムは英国でも最下層の炭鉱労働者クラスの人間なのである)。それにしてもかねがね私立の名門校であるパブリックスクールがなぜ「パブリック」なのか疑問に思っていたが、本書を読んでようやくその疑問が解けた。要するに英国の金持ちの間では自宅に家庭教師を呼び寄せて自宅で勉強する「プライベートスクール」が基本で、公のスペース(パブリックスペース)に不特定多数の子弟を集めて教育するのは新しい方式で、それゆえ、学校で行なう教育をパブリックスクールと呼ぶとはしらなんだ。英国で受験戦争が盛り上がらない理由も良く分かった。階級社会では「階級の壁」という学歴では乗り越えられない壁が英国社会には厳然と存在し、それが故に「かえるの子はかえる」という発想が英国人には染み付いていて、「労働者階級の子がオックスフォードなんかにいって何の意味がある。それよりサッカーでもやって、パブでビターを飲んでいたほうが楽しいじゃないか」ということになるとは思わなかった。英国では成人の4人に1人は掛け算が出来ないというが、ロンドンの地下鉄なぞでおつりをもらおうとすると、このうわさはまんざら誇張ではないなと思ってしまう。18、19世紀には世界を支配した英国だが、一般大衆まで巻き込んだ社会の総合力が問われるようになった20世紀に大衆教育に失敗した階級社会英国が没落するのは、ある意味で必然だったのだという思いを強くした。
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