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下流社会  光文社新書
新たな階層集団の出現

下流社会(光文社) 三浦 展著
税込価格: ¥819 (本体 : ¥780)
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出版 : 光文社
サイズ : 18cm / 284p
ISBN : 4-334-03321-0
発行年月 : 2005.9
利用対象 : 一般

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内容説明

「いつかはクラウン」から「毎日百円ショップ」の時代へ。もはや「中流」ではなく「下流」化している若い世代の価値観、生活、消費を豊富なデータから分析。「下流社会」とはどんな社会なのか? 階層問題における消費社会論。

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コメント・書評

下流社会?二次効果が注目だったりして
T.コージ
Nov 6, 2006 12:21:09 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

●下流?だからどうする?
 本書は読者のチェックからはじまる。「あなたの「下流度」チェックを」というテストが最初のページにあり、12問中半分以上該当すれば下流だそうだ。自分は10問該当したので十二分に下流なのだが、ちょっと気になる点があった。設問の半数以上が個人主義的な要件を示すもので、自分らしく生きる、一人が好き、ファッションは自分流....などが問われている。これらはあきらかに個人主義の属性だ。すると個人主義的な、つまりは欧米的な価値観を持っている人間は日本では下流になるぞ、ということなのか?
 ところが本書はその先を推論してしまう。しかもそれが当たっている可能性が高い。
 つまり個人主義が下流を生むのではなく下流が個人主義を言い訳にしている、ということだ。
 最後に著者は下流への対応策として「機会悪平等」を主張し、説得力ある5つの具体策が示されている。これは著者がマーケティングや企画を仕事としてきたために実効が前提として考えられているのでよくできている。『ファスト風土化する日本』でも最後に解決策を示していたが、クライアントがいるプロとしての提案であり、説得力があった。その点の著者の調査企画立案能力に関しては宮崎哲弥が高く評価している。専門用語を並べて喜んでいる理論だけのアカデミーオタクではないのだ。

●読者の反発が目立ったワケは?
 最近まで国民の多くを占めると思われていた「中流」とは何だったのか?
本書は端的に、誰もが浮かれたバブル経済期の新中間層の中流意識は「「下」が「中流化」したのである」と指摘する。その多くを占めるのは資産は持っていないが世界一の経済発展によって可分所得が増加したサラリーマンであり、その中心的存在といって差し支えないのが団塊世代だ。そしてその子供である団塊ジュニアを中心に、今度は「「中」が「下流化」する」。それが本書が分析する現在のメガトレンドだ。
 良くも悪くも潔いのが、その「下流」に関する「意欲、能力が低いのが「下流」」だという指摘。本書はこの容赦の無い判断ゆえに反発されてもいる。誰でもスバリと自分の短所を指摘されたらアタマにくる。もちろん「意欲が低い」ことが「下流」の原因のすべてではないし、それはある意味で結果だ。だからこそ、その原因を探る論議は積極的に行なわれるべきだと思う。

●ホントの問題は何か?
 階層消費社会の指摘は20年以上前からある。
85年には『新・階層消費の時代—所得格差の拡大とその影響』が出版され、みんなが浮かれ出している時にその〝浮かれ気分〟を冷静に分析し、ついでに決して明るくない将来を予見して注目された。その前年には「○金○ビ」でリッチとビンボーを描いた『金魂巻』が大きな話題になっていた。どちらも冷静に下流とビンボーを描いていたが、どちらも読者から批判されたり否定的な評価を受けてはいない。それどころかウケていた。理由はカンタンだ。その頃の読者には余裕があったのだ。逆にいえば現在本書をめぐる状況には余裕が無くなってきている徴しがあるといえる。余裕の無い視点(人間性のもっともよく現われるもの)では本書は否定の対象にしかならない。その意味では本書は二次効果として現実を正直に照らし出してみせてもいる。そしてそれこそがホントに社会に余裕が無いことを反映しているのかもしれない。
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