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白洲次郎占領を背負った男
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コメント・書評 |
白洲本の本命本
T.O.
Jul 30, 2006 2:28:36 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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白洲次郎のことは、まったく知りませんでした。それが昨今の白洲次郎ブームのおかげで、書店の店頭に平積みされていた白洲本の1冊をたまたま手にする機会があり、彼が戦後の占領時代、吉田首相の側近として活躍した話に俄然興味を抱きました。そこで、何冊か関連の本を続けて読み進み、この本に至りました。 この本は、さすがに山本七平賞を取っただけあって、読み応えのある、質量ともに充実した中身の濃い本でした。白洲次郎については、その生い立ちや、イギリス仕込みのダンディズム、著名な白洲正子夫人、河上徹太郎をはじめとする文化人との交流、戦後の日本を築くにあたっての活躍、と華やかなエピソードには事欠きませんが、その反面、この人が大臣などにならなかったこともあってか、原典とされる資料が限られているようで、同じ話がいろんな本に出てくるところがあります。でも、この『白洲次郎 占領を背負った男』は、それ以外にもしっかりと資料を収集し、取材もきちんとされているように思いました。例えば、白洲次郎がサンフランシスコ平和条約締結時に吉田首相に随行した際のエピソードや、日本国憲法の翻訳をGHQに命ぜられた時の話、通産省を実質的に創設した時の官僚との駆け引きなどについても、他の本にはない細かい話が書き込まれていて、興味深く読みました。 もうひとつ、この本の特徴は、白洲次郎のルーツをしっかり書いていることではないかと思います。この本の作者の北康利という人は、もともと三田市の郷土史家で、三田藩に仕えた白洲退蔵という、白洲次郎の祖父を調べているうちに、白洲次郎に興味を持ったのだそうで、白洲次郎のルーツについても、地の利(?)を生かして、詳細に分かりやすく書いてくれています。そんな視点から、例えば、白洲次郎と近衛文麿の親交について書くときにも、白洲次郎の実家が、かつて伊丹市に豪邸を築いていたことがあったこと、その伊丹市は、江戸時代、近衛家の領地で、現在の伊丹市の市章は近衛家の家紋をかたどったものであることなどにも、さらっと触れています。このような視点が、この本の奥行きを深め、他の本とは一味違ったものにしているのではないかと思います。 一連の白洲本の本命本とも言える本。おススメです。 |
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