コメント・書評 |
中島京子のうまさを改めて実感
T.O.
Jul 29, 2006 1:56:57 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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中島京子は、作家になる前、雑誌の編集の仕事をしていて、その仕事に飽き足りなくなり、会社を辞めて、教師交換プログラムに応募し、アメリカに1年間滞在していたのだそうで、これは、そのアメリカ滞在のときのエッセイです。『イトウの恋』や『FUTON』を書いた中島京子という人がどんな人なのか、ちょっと知りたくて、手に取りました。 もっとも、そういう好奇心はあったものの、下手なキャリアアップ的な話や、「外国でこんなことを学んだ」的な体験談は、時としてちょっと鼻につく場合もあるので、どうだろうかなあ、と少しばかりひけ腰ぎみに読み始めました。ところが、これがとっても面白かったのです。まず最初から、いきなり占い師に手相を見てもらう話が出てきて驚かされ、一気に引き込まれます。 この中島京子という人、『イトウの恋』や『FUTON』でもうまいと思いましたが、このエッセイを読んで、それをさらに実感しました。一つ一つの話の運びがとてもうまくて面白く、しっかり最後にオチもついていて、楽しませてくれます。このうまさは、雑誌にかかわって10年、編集の仕事をして7年という彼女の実績からくるものもあるのでしょうが、もともと実力のある人だったんだな、と改めて思いました。物事をしっかり見る目があり、文章に無駄がなく、描写も的確。それでいて押し付けがましさがなくて、ユーモアがあって気持ちよく読めます。「居候、三杯目にはそっと出し」で始まる「こういったガーデンの味」の話など、そのうまさと心地よさを十分に味わうことのできる話が次々と出てきます。 タイトルの「ココ・マッカリーナ」の意味も、ああ、そういうことなのか、と納得し、またしても「うまいな」と感心しました。 文庫版のあとがきに、あの『文学賞メッタ斬り!』の豊崎由美さんが書いていて、これがべた褒めでした。その気持ちに私も同感です。読後感のとてもいいエッセイ。おススメです。 |
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