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聖ジェームス病院  光文社文庫

聖ジェームス病院(光文社) 久間 十義著
税込価格: ¥920 (本体 : ¥876)
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出版 : 光文社
サイズ : 16cm / 575p
ISBN : 978-4-334-74429-8
発行年月 : 2008.6
利用対象 : 一般

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コメント・書評

日常の隣に口を開いた異界
KU-
Jan 18, 2006 8:02:31 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

それほど期待していたわけではなかったが、読み始めたら小説の中に惹き込まれてしまった。最近読んだ作品の中では久々のヒットだった。
夜間の救急外来に腹痛を訴えてやってきた患者は、研修医の翔平が帯状疱疹の治療をした患者だった。症状は悪化し翔平は帯状疱疹の治療に使用した新薬の副作用を疑うようになる。
これを契機に翔平の周りで次々と問題が起こり始める。医療ミスや新薬の承認に絡む問題、院内感染、医薬品メーカーのインサイダー取引。
医療ミス事件を軸に書かれていくので、最初は白い巨頭の二番煎じかと思いながら読んでいった。それでも面白いからいいかと思い読み続けると、段々二番煎じなどではないと分かってくる。
個人的に一番面白かったのは院内感染の事件で、最後の最後に感染ルートが判明するのだけれど、主人公と一緒になって思わず自分まで「あっ」と叫んでしまった。
一般の人間にしてみると、病院で起こる事件と言うのは日常からかけ離れた異界で起こるような出来事に感じるのだが、病院の関係者にしてみれば日常の中で普通に起こりうる出来事で、一つ一つが別の時系列で起こるのではなく、どれもが同じ時系列で重なりあって起こるものだということがよく分かった。
最後まで読むと、主人公の翔平だけでなく研修医仲間の長谷川やちょっと嫌な人間に思えた指導医の高崎までがとても人間らしく愛おしい存在に思えてくる。
久間十義という作家は社会派の密度の濃い良い作品を書くのだが、いまいち知名度が無いような気がする。これを契機に久間十義という作家を知って欲しい。
そして、このスピード感あふれる作品をぜひ多くの人に読んで欲しい。
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