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真夜中の五分前
Side‐B
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本多 孝好著
税込価格:
¥1,260
(本体 : ¥1,200)
出版 : 新潮社
サイズ : 20cm / 171p
ISBN : 4-10-471602-2
発行年月 : 2004.10
利用対象 : 一般
出荷可能時間:
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コメント・書評 |
一卵性双生児。
オレンジマリー
Jan 18, 2006 1:32:54 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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唐突ですが、あなたは人生で、本当に見分けがつかないくらい似ている双子に出逢ったことはありますか? 私は中学生の時に、同じクラスにそっくりな双子のかたわれがいました。一月もすれば、性格が違ったり、外見上の微妙な違いに気づいて見分けがつくようになるものだと当時は思っていた。 だがしかし、本書を読み始めてまもなく、私は本当に見分けがつかない双子と知り合った。それこそ頭を抱えてしまうくらいにそっくりで、何がどう違うのか、全く分からない。体格はおろか、顔つき、慎重、声、そしてファッションに至るまで似ている。趣味、賢さ、ほとんどを共有しているように映る。 本多孝好特有の、透明で不思議極まりない空気が完全に満ちている一作。 双子とはいえ、本気で入れ替わってみて、そして本気でどっちがどっちだったのか混乱することなんて、有り得ないと思う。だけど本書の中で、かすみとゆかりは入れ替わり、そしていつしかどちらがかすみになり、ゆかりになるのか決めたということを、あたかも普通に、現実に起こったという口ぶりで淡々と語る。 Side-Aでは主人公の日常を描きつつ、双子との出逢いのきっかけが語られている。そして現在から5分遅れた世界から出られないでいる主人公の過去。主人公はある意味、自分の感情を過去に封じてしまった、というよりも置いてきてしまったという印象を受けた。変わったものの見方をしている。 Side-Bでは、双子に何が起こったのかが書かれ、「愛」とは何なのか、という難解が描かれている。スペインで双子が遭ってしまった列車事故の後に発生してしまった歪みが明確になり、全てのバランスが崩れていく。主人公の職種も変わっており、新たな職のその奇抜さ。そんな職業が実在するのかは知らないが、あったら面白いだろうなと思った。 失ったはずの恋人(双子のかたわれ)が、生き残ったもう片方である可能性が浮上した時、主人公の肩に悪魔が降り、誘惑されそうになるが、結局はされない。そしてそのささやかな可能性に希望を持つ気持ちはよく分かる。愛していた恋人と同じ遺伝子を持つ子に、自分は実はあなたの恋人だった方である可能性がある、なんて言われたら当然困惑するだろう。 以前聞いたことがある。双子は双子で、同じ遺伝子を持っているから色々と大変らしい。どちらがどちらであるか認識されにくい、 どうして同じ姿をしているのか疑問に思うことがある、アイデンティティが自分にはあるのか疑ってしまう、などなど。もちろん、そうでなく仲良しな双子だって世の中にはたくさんいるだろうがあなたは本書を読んで、平然としていられるだろうか? きっと、心の中に渦が発生し、そしてわずかな混乱に悩まされるに違いない。なんとも繊細な、ミステリーなんだろうと思った。 |
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