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落花流水  集英社文庫

落花流水(集英社) 山本 文緒著
税込価格: ¥500 (本体 : ¥476)
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出版 : 集英社
サイズ : 16cm / 261p
ISBN : 4-08-747498-4
発行年月 : 2002.10
利用対象 : 一般

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コメント・書評

一人の女性の風変わりな生涯。
オレンジマリー
Oct 9, 2005 1:15:30 AM
評価 ( マーク )
★★★

 まず、このタイトルである。「落花流水」。一見漢詩のようなこのタイトル、文字を見るとその情景が浮かんでとてもきれいなイメージがあるし、発音すればすっきりしている。なぜだかは分からないが、なんなく惹かれるものがある。
 幼馴染みとの婚約なんて、きっと多くの人が幼少時代にしたことがあるのではないだろうか。
 手毬のように、幼少時代から外国人と交流があるというのは、保守的な日本ではそうそうないことだろう。両親が国際的だったり、片親が外国人であるケースを除いて、の話しだけども。
 海外のライフスタイルというのは、確かに興味深いものだ。日本人は味噌汁をご飯と一緒に飲むけれども、外国ではスープを前菜として楽しむ。日本人は陽が沈んだ後に、1日の疲れを洗い流すようにお風呂に入るが、外国人は朝起きてからシャワーを浴びる。もちろん、土足で家を歩き回るのだ。
 そして手毬の人生こそ、波乱万丈と呼べるだろう。そんな甘美な幼少時代の好きな人とは、親の事情によって離ればなれになり、綺麗で手毬が憧れて慕っていた姉が実の母親であり、見えていなかった「姉」の本性を目の当たりにする。やがて結婚の幸せを掴むがかつての幼馴染みと再会し、駆け落ちしてしまう。
 好きでは無かった「母親」のような人生を、結局は歩んでしまう手毬。いつだったか聞いたことがあるが、人は、親の背中を見て育つから、無意識に親と同じ行動をとるのだそうだ。例え、その親の行動を忌み嫌っていても。手本となるのが、親しかいないからだ。
 この物語は10年を区切りとして1章ずつ書かれている。7歳の頃、そして17歳の頃のエピソード、27歳での経験。面白い構想だなと思った。中心になっているのは手毬だが、それを軸にいろんなことが複雑に絡み合い、成されている。
 山本文緒にしては、ちょっと印象が薄い作品だが、本来持っている過激さは生きていると思う。物事を真っ二つに切断しかねない鋭さで、小気味良い。
 私としては、山本文緒はやっぱり短編だな〜と思う。
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