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消えたオアシス
鈴木出版の海外児童文学
灼熱のサハラをさまよって
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コメント・書評 |
サハラ砂漠という厳しい自然の中で営々と続く命のつながりの物語
まざあぐうす
May 8, 2005 4:02:52 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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幼い息子イサを連れてニジェールのサハラ砂漠を歩くオコボエとアドゥーナ夫妻。若い二人は干ばつに見舞われたザルマ族のウイナイア村を捨て、オコボエの故郷トゥアレグ族のイン・テグイーグ村を目指している。 広大なサハラ砂漠を越えることは、命を落としかねない危険を伴う。飢えとかわきで、もはや泣き声すらあげることができないイサ、身重の体で限界まで耐え歩き続けるアドゥーナ。 遊牧民として生きたトゥアレグ族オコボエの幼き日々、そして、農耕民として生きたザルマ族アドゥーナの幼き日々が二人の過酷な歩みを照らし出すように語られる。 ようやくたどり着いたイン・テグイーグ村もまた干ばつで、村人から見捨てられ、見張り役のムーサとその母親である岩山のばばさましかいない。かつてのオアシスは跡形もなく消えていた。そこに訪れたフランス人の医師マリー。人道支援として、イサを病院に運ぶ手はずをととのえ、ヘリコプターを待っていたが・・・。 歯を食いしばって砂漠を歩み続けるアドゥーナ、身重の妻を思い遣る夫のオコボエ、二人が守り続けるイサと新たな命。貴重な山羊のミルクを分けトくれるムーサと岩山のばばさま、二人が守り続ける村。理想に燃えて人道支援に参加した医師マリー、無力感にさいなまれつつも、見捨てられた村と息絶えつつあるイサのもとにとどまる。 生きたいと望んでも死んでいくしかない子どもたち、苦しみ、そして、あきらめながら、サハラ砂漠という厳しい自然の中で営々と続く命のつながりの物語。ムーサと岩山のばばさまは村に留まり、オコボエとアドゥーナは再び砂漠を歩き続けるだろう。ひたむきに生きる姿が美しい。 オアシスは消えても、命と土地を守り続ける人間の意志がある限り、希望だけは残る。「今、あの人たちを援助したって、なんになるだろう?」という医師マリーの疑問が、私たちへの問題提起としてこだまする。子ども達と共に読みたい一冊である。 「ほのぼの文庫」はこちらです。 |
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