コメント・書評 |
Treasures
チョビ
Nov 18, 2004 1:09:00 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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この本は、三浦しをんさんの作品が目当てで読み始めたのだが、他にもいくつか心動かされる短編があった。特に感心したのは、狗飼恭子さんと中山可穂さんの作品。どちらも主人公の女性の哀しみがきめ細やかに描かれているが、最後にやってくる救いが清々しい。ああ、こういう宝ものが存在するから私たちは生きていこうと思えるのだな、としみじみとした余韻の残る短編だ。実はおふたりの作品を読むのは初めてだったのだが、他の作品も読んでみようという気になった。 他に気になったのは、中上紀さんの作品。さすが中上健次の娘!と思わされた一編(こういう言われ方をご本人は好まないかもしれないが、むろんいい意味で)。 そして、三浦しをんさんだ。いつも通りの期待を裏切らない素晴らしさだった。プラトニックでありながら(いや、プラトニックだからこそか)、密やかに燃え続ける恋情。恋に対して不器用な主人公朱鷺子の、自分の内で堂々巡りする思いがひしひしと伝わってくる。ほんと巧いですね。 さて、こういった形のアンソロジーの場合、どうしても好きなものと合わないもの(あるいは上手下手という場合も)が分かれてしまいますね。この本にももちろんありました(ここではどれが、とは申しません)。みなさんもお読みになって、好きな作家の世界を堪能したり、新しい才能を発見したり、自分の好みの偏りを再認識したりされてはいかがでしょうか。
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