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永遠の出口
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コメント・書評 |
過去があって、現在がある。
チョビ
Oct 27, 2004 7:48:00 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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人は何故「戻れるとしたら何歳に戻りたい?」という質問が好きなのだろうか。「子どもの頃に戻りたい」とか「青春時代に」とか希望は人それぞれなようだが、私の答えは「戻らなくていい」だ。94歳になる祖母の「戦争でつらい思いをしたから若かった頃に戻ってみたい」という答えには納得するとしても、昔に戻りたいと考える人の方が圧倒的に多いのが私にとっては不思議だ。みんなそんなに楽しい日々を過ごしたのか? それとも、つらさのあまりもう一度人生をやり直したいと切望するためだろうか? 私の場合、夫と3人の息子たちのいる現在がしあわせだ、という理由はもちろんある。しかし、それよりも大きな理由は、何度人生をやり直したとしても結局自分は同じようにしか生きられないような気がするからだ。それだったら、引っ込み思案でうじうじしていた子ども時代や、自意識過剰で周りに心を開けなかった少女時代に戻るのなどごめんである。人と接するのがもはや苦ではない、大人になってからの自分がいちばんいい。 …と考えていた自分であったが、この本を読んでそうそう過去を否定的にばかり捉えなくてもいいかと思い直した。「永遠の出口」はひとりの少女の成長物語である。森絵都さんと私は1歳違いだが、子ども時代や少女時代の気持ちというものをよくこんなに鮮明に記憶しておられるなあと感心させられる。言われてみれば「そうそう、こんな風に思った!」と思い出せるのである。でも自分でその感覚を思い起こし、さらに書き表すとなると、それはもうまったく別の話だ。 そう、子どもの頃や10代の頃はたいへんなこともあったけど、楽しいこともたくさんあったのだ。戻りたい、とは今でも思わない。でも、思い出というものは振り返ればきらきらと光を放って、かつて少年少女だった私たちの心を温めてくれる…「永遠の出口」という小説によって、素直にそう思えるようになった。 私が選ぶ“児童文学出身三人娘”は梨木香歩・佐藤多佳子・森絵都。最もニュートラルなのが佐藤さん。生真面目なのが梨木さんで、森さんはその対極の少々不良寄り。そのちょっとつっぱった感じが、この小説においては絶妙なスパイスとなって効いていると思った。 |
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