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ウェルカム・ホーム!

ウェルカム・ホーム!(新潮社) 鷺沢 萠著
税込価格: ¥1,365 (本体 : ¥1,300)
出版 : 新潮社
サイズ : 20cm / 221p
ISBN : 4-10-378005-3
発行年月 : 2004.3
利用対象 : 一般

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内容説明

シングルマザーや父子家庭が当たり前なこの時代。親子の繫がりも人それぞれ。普通の家庭とは少しカタチが違うけど、とっても温かい二つの家庭の情景を描いた2編を収録。『小説新潮』連載に書き下ろしを加え単行本化。

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コメント・書評

さよなら、サギサワさん。
チョビ
Oct 13, 2004 1:44:00 PM
評価 ( マーク )
★★★★

鷺沢萠が我々の前に現れたときの衝撃は忘れられない。10代でのデビュー、清新な作風、しかも美貌の持ち主とあっては騒がれない方が不思議だ。私も、サギサワさんと1歳違いと年齢が近かったこともあり、もちろん気鋭の新星の登場に注目していた。著作を読んでその才能に驚き、写真を見て「わー、こりゃきれいな子が出てきたねえ」と見とれ、“天は二物を与えず”ってのは嘘だとため息をついたものだ。
でもその後、私の心はサギサワさんの文章から離れていった。確かに器用な作家だった。小説にしてもエッセイにしても、そつのない感じでするする読める。しかし当時の私が求めていたのは、うまくなくても、話の運びがぎこちなくてもいいから、もっと心に引っかかる文章だったのだと思う。たぶん彼女の文章を読んだ人々の多くが私と同じように感じたのではないか。うまい。しかし、自分のための作家という感じではない、と。そうした自分への評価を、誰よりも敏感に感じとっていたのはサギサワさん本人だと思う。彼女が目指していたのは、読者にとってスペシャルな存在だったのではないだろうか。いまとなっては勝手な憶測でしかないけど。
彼女の死から半年。最後の(完結した)作品を読んだ。中編が2つ収められている。どちらも家族についての小説だ。
書けるじゃん、サギサワさん。知らない間にこんなにすごい作家になってたんじゃん。すごいよ。もっと読みたかったよ。いや、ほんとうは彼女が生きているうちに言わなければいけなかったのだ。過去形ではなく、もっと「読みたい」って。
基本的に書評というものは、作者の事情がどうこうということに関係なく、その作品そのものに関してのみ語られるものだと思う。でも、この作品についてはどうしてもサギサワさんに向けて書きたかった。ありがとう。そしてさよなら、サギサワさん。
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