スピリット・リング 創元推理文庫 のお求めはビーケーワンで。2/29まで全品国内送料無料。 

bk1 オンライン書店ビーケーワン

送料無料キャンペーン10,000円以上(税抜)、30,000円以上(税抜)、50,000円以上(税抜)購入でもれなくポイント進呈!寄付コースもあります

> トップ商品詳細 > 書評詳細

-

スピリット・リング  創元推理文庫

スピリット・リング(東京創元社) ロイス・マクマスター・ビジョルド著
梶元 靖子訳
税込価格: ¥1,155 (本体 : ¥1,100)
bk1ポイント倶楽部P 11ポイント(1%進呈)
国内送料無料でお届けできます
出版 : 東京創元社
サイズ : 15cm / 539p
ISBN : 4-488-58701-1
発行年月 : 2001.1
利用対象 : 一般

出荷可能時間: 取り寄せ

(?) 出荷までに要する日数について
(?) 配達方法について
-
-
この本を 冊買う



10冊以上買う
(?) お困りの方
-
-
在庫切れ等により、
手配できない場合がございます

ソーシャルブックマーク


JavaScriptがオフの場合にはご利用いただけません。
(SBMって?)

コメント・書評

この“山出し”が私の運命の人!?
Leon
Jun 14, 2004 9:22:00 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

時代はルネサンス、場所はイタリア。
大魔術師にして金属工芸家ベネフォルテは、二つの仕事に取り掛かっていた。
一つはモンテフォーリア公サンドリノから発注された黄金の塩入れで、それを使えば全ての毒が無効化されてしまうという魔法の品。
もう一つは自身の名声を確固たるものにするべく、ベネフォルテが総力を注ぎ込んでいるペルセウスのブロンズ像。

16歳になる娘のフィアメッタは父の仕事を手伝いながら、自分でも指輪などの小さな作品を作るまでになっているのだが、結婚願望も出てくる年頃で、ペルセウス像のモデル役をしているサンドリノ公の衛兵隊長、ウーリ・オクスに密かな恋心を抱いている。

ベネフォルテは、サンドリノ公の娘ユリアとロジモ公フェランテの婚約の祝典ににおいて、完成したばかりの黄金の塩入れを披露することとなり、フィアメッタとともに伺候するのだが、目出度い席は思いもよらぬ裏切りと殺人の現場となる。
フェランテが義父となるはずであったサンドリノ公を殺害し、モンテフォーリアを我が物にせんとの魂胆を明らかしたのだ。
フェランテとその部下によって殺戮が行われるモンテフォーリア城から、ベネフォルテ親子は魔術の才覚によってなんとか脱出に成功するのだが…

タイトルとなっているスピリット・リング(死霊の指輪)とは、その持ち主に死者の魂と力を隷属させる恐るべき魔法の品で、教会からは邪悪なものとされているのだが、知識欲旺盛なベネフォルテは、その原理にも通じており、フェランテの指輪から束縛されている霊を解放する。
しかし、皮肉なことに逃避行の途中で追っ手に捕まり命を落としたベネフォルテの魂は、指輪を再生させるために利用されようとするのだ。

兄ウーリの紹介でベネフォルテに弟子入りせんとスイスから来た鉱夫トゥーリ・オクスと偶然出あうこととなったフィアメッタは、魔術にも造詣の深いモンレアレ司教を頼り、力をあわせてフェランテとその部下である魔術師ニッコロ・ヴィテルリに対抗して行く。
ロジモから援軍が到着してしまえば、モンテフォーリアは完全に敵の手中に落ちて、全ての努力は水の泡となる。
一方、死後も大魔術師の才覚でスピリット・リングに囚われまいとするベネフォルテではあるが、こちらも時間の問題であり、彼が一旦屈すればフェランテの力は世界を揺るがすほどに高めてしまう。
この二つのタイムリミットが、物語をスリリングにしていて厭きさせない。

ファンタジーにおける女性の主人公のというと、お転婆であったり男勝りであったりする一方でそれ以外の特質について重視されない場合が多いが、フィアメッタは控え目ながらも実際的な性格だ。
多少ファザー・コンプレックスな部分も含めて、女性作家のみが生み出せたキャラクターと言えるのではないだろうか。
自分の作った恋愛成就の指輪が、憧れの衛兵隊長ではなく、その弟の鉱夫の指にピタリと嵌ってしまい、オロオロする様子が可愛らしい。

また、著者あとがきを見て少し驚かされた。
実在の人物や時代を設定に用いていることから、多くの参考文献があったようだが中でもキーとなったのは、死者の恩返しに関する民間伝承の論文、採鉱と冶金学の論文、そしてベネフォルテのモデルとなっているベンヴェヌート・チェリーニの自伝の三冊だという。
驚いた理由は、最後の一冊は著述上の必然としても、他の二つの論文との関連性が低く、論文相互にあっては殆ど無関係と言えるからだ。
三つの言葉から一つの話を生み出す日本の話芸「三題噺」を彷彿とさせるようなこのエピソードは、作者の発想力の豊かさを如実に示しているように思える。
そんな才能を持ったビジョルドの書く作品は、ファンタジーに限らずきっと面白いに違いない。
この書評はいいと思った・・・
 
現在の投票 はい:3人(100%)  いいえ:0人(0%)
書評ポータル

新着書評一覧