コメント・書評 |
痛快無類のホラ話。銀河と仲間たちのはちゃめちゃな脱線ぶり、縦横無尽の活躍がとっても楽しいファンタジー☆
風(kaze)
May 10, 2004 4:18:00 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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素乾(そかん)という国の歴史書、いわゆる正史として伝えられている記録をもとに、筆者が正史の裏で実際に起きていたことを推測し、時には空想の翼を自由に羽ばたかせて憶測を加え、書き記したのが本書である(という設定になっている)。 歴史上の出来事が簡潔に、ともすればぶっきらぼうな調子で記されている素乾国・正史の文献に対して、「……と記されてはいるが、実際はどうだったであろうか」「……とまで馬鹿正直に記載している。そんな史官の執筆態度に好感を覚えてならない」などと感想を差し挟みながら、筆者が書き記していく。
正史ったってかなりいいから加減なもんじゃないかね? ならばこっちもちょいとね、大風呂敷を広げさせてもらいますさかい。そんな調子で、筆者自らが楽しんで書いていってる姿を彷彿とさせる話の雰囲気、それがとても楽しい。あちこちで、くすりとしながら読んでいった。
素乾国の後宮を舞台にして、銀河という名の少女が活躍する物語。誰に対しても物怖じすることなく、好奇心の赴くままに行動していく銀河。彼女の溌剌として屈託のない言動が、友を呼び、人を動かし、やがて銀河伝説といわれる歴史を産むことになる。物語の主人公・銀河のキャラもよかったけれど、準主役にもキラリと光る人間がいた。なかでも、後宮「女学校」の部屋で同宿者となった江葉(こうよう)と、傍若無人の漢(おとこ)・混沌(こんとん)のキャラが印象に残る。
また、後宮の学校の授業で房中術などが講義されるのであるが、それがちっとも卑猥ではない。むしろ爽快だったと言ってもいい。講師の角(カク)先生と銀河、あるいは江葉との問答など、哲学的な色合いすら帯びていて、理屈抜きに面白かった。
本書は、『雲のように風のように』というタイトルでアニメ化され、テレビ放映されたとのこと。そして本書の内容上、アニメでは変更された(あるいはカットされた)箇所もあって、あの場面は入れて欲しかったんだけど……ということが、文庫版・著者あとがきで記されている。アニメのことは知らなかったが、「この場面はね、入れて欲しかったな」という著者のつぶやきに共感を覚えた。「ふーん。そうなのか。まあ、原作と映像とは別の作品として考えたほうがいいとは言え、あのシーンが外されたのかあ。そりゃもったいない」と思った次第。
1989年、日本ファンタジーノベル大賞・第1回大賞受賞作品。 文庫の巻末解説、 <<「軽み」の美学 >> と題して、選考委員のひとり、矢川澄子さんが書いておられることを書き添えておきます。 |
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