コメント・書評 |
些細は甚大…。
オレンジマリー
Apr 14, 2004 3:05:00 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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こうして矢沢さんの漫画を読むと毎度思うことなのだが、人間の持つ繊細な心理状態を描くのが実に巧妙だ。それはもう、苦しいほどに登場人物たちの心が伝わってくる。これまで私が出会ってきた数々の漫画で、この上ない笑いを引き出してくれるもの、勉強になるもの、じんわりと感動を与えてくれるもの、真正面から向き合わざるをえなくなるものなど、様々だが、矢沢さんの作品はいつも、勇気や希望を与えてくれる。子供の頃は子供なりの感動を与えられ、大人になったらなったでその年齢相応の感動を与えられる。例え漫画を卒業する年齢に達しても、矢沢さんの漫画は卒業できずに生きると思う。事実、そうである。
奈々とナナの友情は不変のように思えた。しかし些細なズレはいつしか修復できないほどに大きくなってしまっていた。切ない擦れ違い、もどかしい。
レンとナナの関係も同様に、不変のように思えた。しかしやはり些細な変化は徐々に大きくなってきた。本当に先が読めない作品だと思う。
感情が動くというのは、人間が生きている証だと、個人的に思っている。何をしても無感情で、何をされても無関心だとそれはつまらない。やはり何かをする時には好奇心溢れて、何かをされたら感謝したい。
ヤスの言動には、正直疑問を感じていた。国立大出て弁護士目指して、バンドで食べて行くなんて人生歩みたくないなんて言っておきながら、しっかり上京してるしただ面倒見が良くてナナと一緒にいるわけではなさそうだと思っていた。それが本書でようやく、輪郭を現す。どうなるんだろうと、それが気になって仕方がない。
久しぶりに「ご近所物語」も読みたくなった。心が動くということを、一番実感できる作品を生むのが、私にとっては矢沢さんだ。 |
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