コメント・書評 |
仲間といても、孤独。
オレンジマリー
Dec 17, 2003 1:03:00 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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文緒さんの数々の作品の中でも、とりわけ印象深い一冊。友達に何か貸して、と言われる度に手が勝手に「ブルーもしくはブルー」「きっと君は泣く」「ブラックティ」「みんないってしまう」「シュガーレス・ラブ」の五冊に伸びる。どれも身近に感じられ、人事として読めないものを秘めている。そしてそれらを読破した友達から感想のメールが届く。<はまっちゃったよ! 他の作品読みたくて、本屋直行した> そう、私の友達は文緒さんの文章に魅了されていきました。私自身、文緒さんの小説大好きですから、感動を共感できる友達ができて嬉しいです。
本書の中でもストーカーの主人公の話を鮮明に覚えている。電話線引っこ抜かれたり、しまいには意中の人が出したゴミを漁る…。緊迫感が伝わってきました。本当に身近にありそうで、ヒヤヒヤします。
このタイトルを見るといつも、自分から何かが去って行ってしまう恐怖を思い出す。いつの間にか、周囲にいない人だとかそれこそ糸が切れたみたいにぷっつりと連絡が途絶えた人。その人が大切な人であるとそれだけ襲い掛かる孤独感も大きくなる。もっと厄介なのは、去ってしまった後にならないとその人が自分にとって大切な人か気付けないことだ。なくして初めて知るその価値。また、自分も誰かから去ったのだと思うと不思議だ。別に去ろうと思って去ったわけではなく、ただ自然に、流れのように現状に至った。 文緒さんの本を読むとなぜだか普段考えもしない事を熟考する。考えたって答えが出ないものだったり、実らないものだったり、時にはちょっと哲学入ったり。 切れ味の良い文体、余韻に浸る暇もない小説。これからも友達に何か貸してと言われたら、私は無意識に本書を取り出すでしょう。寝る前に読むことはオススメしません。ストーリーがぐるりと覆される瞬間、睡魔だって敗北を認めます。 |
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