コメント・書評 |
言葉無き生き物に、言葉を。
オレンジマリー
Dec 8, 2003 11:58:00 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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母校の司書に勧められて手にしてみた。読んでいて、一番最初に驚いたのは動物が言葉を発していたことだ。それでもすぐに馴染み、ああ、そういう作品なんだと認識しました。
印象的だったのは人魚の話。人魚にすっかり魅了され、手放せなくなってしまい、自分が廃れていってしまう危険性に恐れる。ちょっとぞっとしましたね。人魚と言えば、谷崎潤一郎が描いた人魚を思い出すが、その艶かしい容姿の描写に脱帽だった。最後は意を決して手放せて本当に良かった。 河童の話も心に残りました。河童という生き物は、私の中でツチノコくらいにあり得ない生き物となっています。だから、小説だしと割り切って読んでしまえた自分が少し寂しいですね。もう少し熱くなれればね。 ツボを擦ると出てくるコスミスミコ。本当に回文みたいな名前です。コスミスミコがツボで生活するようになってしまった経緯は、なんだかこってりと重たいことなのに、ストーリー自体は童話のように軽やかだった。
幼い頃、トトロに会いたくて近所の林に遊びに行った。ピーターパンを信じて夜更かしした。そんな純粋な時代を思い出し、なんだかこそばゆい。そしてそういう気分になったという事実が、不思議だ。川上弘美さんが想像上の生き物(あくまで私の中の)に命を与え、いかにも日常で起こっているんだと表現しているので非現実だとは思わなかった。心のどこかでひっそりと存在しているストーリーのように思えた。 |
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