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Nana  9  りぼんマスコットコミックス

Nana(集英社) 矢沢 あい著
税込価格: ¥500 (本体 : ¥476)
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出版 : 集英社
サイズ : 18cm / 266p
ISBN : 4-08-856506-1
発行年月 : 2003.11
利用対象 : 一般

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コメント・書評

哀しみの芯。
オレンジマリー
Nov 17, 2003 9:55:00 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

 人の心ってとても繊細で、脆くて、だけど強くもある。粉砕したって時間をかけて元に戻る。いや、元に戻るという表現はそぐわないかな。生まれた時の心に比べると、当たり前だが傷だってたくさんついているし、その傷だって「つけられた痛み」と「つけた痛み」とに分かれるだろう。大まかに言えば。殻を剥いたゆで卵のようなつるりとした心だって、生きていくうちに壊れ、修復してはまた壊れ、そして傷を知ることによって豊かに頑丈になる。「NANA」を読むといつも『人の心』について考えさせられる。

 今回印象的だったのはタクミの行動。今までは“女にルーズで薄情”というイメージだったが、この巻では“夫と父親”という言葉を意識させた。
 いつも思うのだが漫画の世界でも現実の世界でも、誰かが恋を叶えて幸せになると、身近にいる誰かの心は傷ついている(ことが多い)。ここではタクミが子を認知して妻を娶り、新居の準備を始めるにあたってレイラは哀しみに沈み、自分の存在価値そのものである歌を歌えなくなる。ノブだってどうすることもできない自分に苦しんでいる。ナナだって苛立ちを持て余し、葛藤に苦しんでいる。
 パパラッチに張られているために思うように行動できない芸能人って、本当に行動を制限されるんだなと思いました…。
 ナナを絶対的に必要とするレン、プライドを守るナナ。この二人も寄り添っていながら、お互いがお互いを必要としていながら、色々と複雑な状況になっている。感情だけでは歩いていけない。
 個人的にはレイラとシンの間柄が気になっている。シンも謎の多いキャラクターだから。危ない世界に片足突っ込んでいる気がして、ちょっと心配ですね、まだ子供なのに(笑)。
 やたらと分厚い巻だなと思ったら、最後にトラネスメンバーとレン、ヤスの過去が記されている。ナオキの視点で語られている。ヤスが○○だったなんて!(読んで確認してください) 私はヤスに髪がある姿を見れて嬉しいです。しかもかっこいいし…。タクミは想像通りの少年ですね。ナオキもレイラも。レンまでも。
 レイラが時折漏らすセリフがとても重く響く。「私には歌しかないから。私は歌ってないと価値がないから…」
 さすが矢沢さん! それぞれの哀しみの芯が、静かに光っています。
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