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漢字と日本人  文春新書

漢字と日本人(文芸春秋) 高島 俊男著
税込価格: ¥756 (本体 : ¥720)
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出版 : 文芸春秋
サイズ : 18cm / 250p
ISBN : 4-16-660198-9
発行年月 : 2001.10
利用対象 : 一般

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コメント・書評

漢字は悪か?
高杉親知
Jun 2, 2002 2:46:00 AM
評価 ( マーク )
★★★

脱線して説明している部分が多いので初学者には読みやすいだろうが、内容にそれほど新味は無い。漢字運用に関する考察はむしろ古いくらいである。

著者の高島俊男氏は、漢語には漢字を、和語にはかなを用いるべきで、また訓読みの使い分けはくだらないと主張するが、この意見は軽率である。鈴木孝夫氏が「日本語と外国語」で示したように、音訓両用は日本語の漢字運用の生命線であり、日本語話者が漢字の意味を把握できるのは訓読みによって日本語の概念と漢字が結びついているからである。本来の意味と訓読みがずれている字はあるが、多くない。むしろ白川静氏が「回思九十年」で語っているように、「おもう」に「思う」を用いるだけでなく「想う」も認める方が「想」という字を理解しやすい。その上で「思」と「想」の違いを知れば良いのだ。また鈴木氏が述べているように、音韻体系が単純な日本語は同音異義語を防ぎ得ない。何しろ road, load, lord が全てロードになってしまうのだ。漢字を使うことでのみ、単語の短さと語彙の豊かさを両立できる。そして高級語彙が理解しやすいという重要なおまけも付いてくる。確かに同音異義語が多いと不便なこともあるが、それを理由に漢字は日本語を奇形化したという本書の意見は言い過ぎで、有意義な考察とは思えない。
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