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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1991.2
- 出版社: 紀伊国屋書店
- サイズ:20cm/548p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-314-00556-4
- 国内送料無料
利己的な遺伝子 (科学選書)
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紙の本
素人でも楽しめる学術書
2002/07/15 15:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:scarecrow - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は進化生物学の学術書の範疇に入るのだろうが、私にはそう言った知識はまったくない。にも関わらず、本書は非常にわかりやすく楽しく読ませてもらった。と言うのも、まず専門用語は驚くほど少なく、数式などは全くと言って良いほど出てこない。素人には理解しにくいだろうと思われるところには適当な比喩が盛り込まれ、簡単に遺伝子レベルの話に入りこませてくれる。非常に読者に親切な作りになっているのである。
そして、本書の内容もまた本の作り同様、いやそれ以上に驚きであった。作者はこう言う「我々は遺伝子という名の利己的な存在を生き残らせるべく盲目的にプログラムされたロボットなのだ」と。初めてこれを目にした方は「何をバカな」と思うかもしれない。だが、本書を読み進めて行くうちに「なるほど、本当にそうかもしれない」と思えてしまうから不思議だ。
本書は進化生物学に革命をもたらした驚異の学術書であるとともに、我々のような一般人にとっては最高の娯楽作でもある。出来るだけ多くの方に是非一度手に取ってもらいたい良書である。
紙の本
ゲノムを語る前に必ず読もう
2001/08/04 17:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:フォックス - この投稿者のレビュー一覧を見る
進化生物学の純粋な学術書であり、教養的な興味だけではついていけないかもしれないが、21世紀はゲノムの時代だとか、遺伝子操作作物には反対だとかちょっとしたゲノム通を気取るなら必読の書である。
20世紀の「種の起原」だという評価はやや過大な気がするが、私自身この本を読んで以来、何でも「そういうふうに」考えるようになってしまった。それを「世界観を変える程の」書物だというのかもしれない。
これを読めば、自分がエッチなことも、人を見れば「何歳だろう」と自然に考えてしまっていることも、すべて遺伝子のせいにできるような気がする。
この本、以前は違うタイトルで翻訳されていました。利己的な遺伝子という印象的でセンセーショナルなタイトルだけでも20世紀の1冊にあげる価値があるのでしょう。
紙の本
「囚人のジレンマ」その奥深いゲーム
2003/11/06 05:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、以前読んだ「科学知と人間理解」に触発されて手にしたものだが、「利己的な遺伝子」という書、及びリチャード・ドーキンスという著者の名前は以前から知っており、いつかは読んで見たいと思っていた書である。
遺伝子とういう生命固有、そして生命は、この遺伝子を未来に運ぶ為の舟であるという主張は、考え方を根本的に改める思想に繋がり哲学的思考にも影響を与える考えであると思う。難解な部分もあったが、通して興味深く、理解を深めながら読むことが出来た。
一番面白かったのは、「囚人のジレンマ」に関する記述である。胴元とプレーヤー2人から成るゲームでプレーヤーが、「協力」「背信」のカードのどちらかを出す事により、その組み合わせで報酬または、罰金を胴元に払う(又は、貰う)というゲームである。このゲームは、本書の遺伝子の生き残りという問題から、軍事的戦略立案まで、非常に広範囲に適用出来る考え方である。詳述は割愛するが、本書において遺伝子的に有利な戦略は、「気のいい奴」であるというのが興味を引いた。つまり、「お人よし」でも「だまし屋」でも無く、「恨みや」でも「やられたらやりかえす屋」でも無くて、「気のいい奴」(自分の方から背信することの絶対無い奴)であったことである。私も自分の生き方において、こういう「気のいい奴」を信条としている。つまり、「どんな不当な扱いを受けようとも、相手に対して背信せず、相手の有利なように振舞う」というものである。この戦略が、ゲームの初めにおいては、多少損をするが、ゲームの繰り返し数を多くしていくに従って、有利な結果で出てくるという本書の結論は、私の生き方に自信を与えてくれた。
また、遺伝子という観点から、「家族計画」「世代間の争い」「雄と雌の争い」という論は興味を引いた。遺伝子という観点から見ると昆虫のような下等動物も人間のような高等動物でも同じ行動原理によって行動している事が分かり興味深かった。
以前読んだ「ミーム」に関する事項、その「ミーム」の出典が本書であったということも興味を引いた。
本書は、ざっと読んで理解出来なかったところもあるが、遺伝子という生命誕生からの主人公というものの理解を深めたとういう意味で有意義であった。
紙の本
コメント
2001/02/06 17:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松島駿二郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀にたぶんもっとも衝撃をもたらした遺伝学の書物であり、19世紀のダーウィンの『種の起源』にも匹敵する影響力を及ぼしたのではないか。DNAは利己的にみずからの保存に奔走し、他を省みないというのが簡単にいった論点だ。グドールはこの書に異議を申し立てる。彼女は遺伝子は利己的であろうがなかろうが、遺伝子によってできあがった生物、人間やチンパンジーやその他あらゆる生物は克己の精神を持ちうる、というのだ。人間は幾多の自己犠牲を過去の歴史のなかで証明してみせた。そこに生命の未来と希望がある。そのことをグドールはチンパンジーの観察から学んだのだった。