紙の本
世界がたたえる「なでしこ力(ぢから)」。それはいかにして世界が憧れる存在となったのか?
2011/07/23 16:24
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワールドカップで世界一になったなでしこジャパン。その大活躍と最後の最後まで決してあきらめない姿、チームワークと精神力に感動した人も少なくないだろう。また、1試合1試合ごとに「3-11」の犠牲者と被災者のために戦ったということを耳にしたとき、元気と勇気をあたえてくれたことに感謝の気持ちをもっただけでなく、日本人の誇りを取り戻した人も少なくないのではないだろうか。
この本は、なでしこジャパンの監督をつとめる著者が、ワールドカップで世界一を達成する前に出版した本である。また、「3-11」以前に出版されたものである。その意味では、まさに有言実行。目標達成までは一筋縄にはいかないとしても、監督をふくめチーム全員がひとつになって全力を出し切った結果であるといえよう。
女子サッカーは、競技スポーツとしてのサッカーという共通点はあるものの、さまざまな面において男子サッカーとは違う。個と集団がつくる女子サッカーチームには男女の性差があって当然だ。ある意味では「異文化」と考えるべきかもしれない。
女子サッカーの日本代表チームを「上から目線」でも「下から目線」でもない、「横から目線」で接してきた佐々木監督は、女子サッカー選手ひとりひとりに自分で考えさせ、自分で判断させる環境をつくりだすことで、自分らしさを引き出すことに徹してきた人だ。その成果が「なでしこ力」となって結実した。
そもそも日本文化というものは、男性原理よりも女性原理を中心動いてきたものだ。明治以降の近代化のなかで過度に男性原理が強調されてきたが、いまや近代も終わり、そういう思い込みからはもうそろそろ解放されていいだろう。その意味では、「なでしこらしさ」とは、いいかえれば「日本らしさ」と言ってもいいのかもしれない。
その国のサッカーには、その国の文化がストレートに反映するといわれる。「なでしこらしさ」に徹することによって、世界一の座を手にすることもできることでそれは実証されたわけだ。すでに世界の女子サッカー界は、なでしこジャパンを目指す方向に向かっているという。「なでしこ」という日本語が世界で通用するのもそう遠い将来のことではないだろう。
すでに、つぎの目標である2012年のオリンピック・ロンドン大会での優勝という目標に向けて動きだしたなでしこジャパン。「ポスト近代の日本型リーダシップ論」としても熟読するに値する内容だといっていいと思う。
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北京五輪では史上初のベスト4まで勝ち進み、テクニカルな選手たちが一体となってピッチを駆け巡るサッカーで女子サッカー界を席巻する「なでしこジャパン」現監督の佐々木氏の著書。
内容はなでしこジャパンの試合を追うばかりで読みどころは多くはないが、随所に「なでしこ」の魅力が散りばめられている。女性の特性に気付かされている記述も多く、男女問わず、女性を教育する立場にある人ならば、参考になる一冊だと思う。
今年のワールドカップ、世界一をつかんでくれ!
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選手との距離が近い監督。気さくでフレンドリーで目標のためならやり方に拘泥しない柔軟な姿勢はすごい。なでしこ快進撃の裏には他国がお手本にしたいと思うスタイルがあった。
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なでしこジャパンの監督 佐々木氏によるなでしこジャパンの監督の備忘録的な記録。
男性と女性を教える場合の指導の違いや、きさくな監督の配慮と意図をいれた指導方法、監督自身の半生を振り返りながら、なでしこジャパンが固まっていく様子が分かる。
さて、本日の夜(明日の朝方に)なでしこジャパンのW杯決勝戦がある。
1位を目指したチームの歓喜の瞬間を見てみたいものだが・・・・。
追記:なんと優勝! この本もしばらく入荷待ちになること必至ですね。
いい本なので一読をオススメします。あまり文字数もないのであっと言う間に読めてしまいますが。
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冬の終わりにゆるーく女子サッカーをウォッチしてる身として手に取った本。
まさか半年経ってこんなに話題になるとは。
なでしこジャパン優勝のおかげで増刷に増刷を重ねてるらしい。
初版1刷持ってる俺勝ち組(笑)。
間違いなく「上司にしたい有名人ナンバーワン」佐々木監督の人柄とサッカーに対する情熱が良くわかります。
同時に女子サッカーの置かれているシビアな状況も伝わってきます。
本屋で平積みになっていたらぜひお買い求めください。
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復習に最適。優勝をイメージしてそれに向けてチームづくりをしてきたのがよくわかる。奇跡を起こすにはそれ相応な準備があったのだと教えられた。
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なでしこフィーバーに便乗してみたけど、便乗して正解☆☆☆
指導者となる人は必読書の1冊になると思う。
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私が女性の力を最大限に引き出すために参考となる5つのポイント。
・横から目線=いつでも選手と同じ目の高さで接する。チームのボスではなく、選手たちの兄貴分
、あるいは父親役を務めることで、選手たちと対等に近い人間関係を築くこと。
・「お前のこういうところは武器なんだぞ。」=指導者がやるべきことは、まず選手の長所を見抜き、それを認めているんだというメッセージを本人に伝えること。
・なでしこジャパンは、いつだって良く笑う。特に平常心を失いがちな場合こそ、笑うことで頭をクールダウンさせることができる。心は熱く、頭はクールに。
・選手のプレーを評価する際、まず前提となる基準を自分の中で明確にする。そのうえで、試合の勝ち負けに左右されず、いいところはいい、ダメなところはダメと、客観的に評価する様に務める。
・男が気が付きにくいもの=身だしなみの乱れと、ノンバーバル(非言語)コミュニケーション。会社などで、男性の上司がいつも無表情だったり、怖そうな顔つきやイライラしたそぶりを見せていたりしたら、それだけで女性社員はきっと萎縮してしまうだろう。
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ノリさん、上司にしたい人ランキング上位ランクイン間違いないでしょう。大切なのは「コミュニケーション」。上からではなく「横から目線」。
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-2011/08/07 諦めなければ夢は叶う なでしこジャパンの佐々木則夫監督の名言集 ただ、サッカーの具体的場面を具体的に説明する場面が多いため、サッカーに特別関心がない私にとってやや戸惑いがある。
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さぁ一緒に世界一になろう。この本が、出版されたのはワールドカップよりも前。勝つべくして勝ったんだなぁ。
男子のサッカーより、レベルの低いのが、女子サッカー。って、思われがちだけど、元々男と女は運動能力も脳の働きも考え方も違う。それを、前提とした指導は教育にもつながるかな。
ただ、指導論だけじゃなくて、過去の試合の解説も多く載っているので、サッカーを知らない人にはわかりづらたいとこもあるかも。
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執筆はFIFA女子ワールドカップ2011ドイツ大会の前。
この大会で優勝します、という強い決意で締めくくられている。
選手との距離のとり方は、まさしく佐々木流。ノウハウはサラリーマン時代の経験(選手、監督、NTT職員として)が下地となったものだと分かる。
男女間の相違点、それらをきちんと把握。
上からでなく横から目線。
長所を伸ばす。
これらが繰り返し語られていた。
ワールドカップ制覇後、なでしこジャパンに関して漏れ聞こえてくる内容と重なる部分が実に多い。
本書をネタにしたからだろうか?
なでしこジャパンの国際試合での実況風記述は不要だろう。
その分、試合以外でのエピソードで監督や周囲の人々の人となりをより深く描き出し考察して欲しかった。
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世界一の監督となった佐々木さんの監督論。
なでしこたれ、横から目線と言う言葉がキーワードとなりますね。
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冒頭に「ワールドカップでは世界の頂点に立てると本気で感じている」と記されている。日本中に夢と希望を与えたこのチームはほんとにすごい。
サッカー少年ではなかったので戦略やプレーに関する技術的な説明などは正直よくわからないが,オリンピック,アジア大会などを振りながら,チーム力が強化されていった過程は興味深い。監督が方向性を明確に示し,自助力を引き出しながら選手を育て,チームをマネジメントしていくことが重要であるということから,リーダーの資質が最も大きな影響を与えるのであろうが,それだけでは強くなれず,メンバー,スタッフ,その他関係者のすべての力の相互作用によって絶大な力がもたらされるということがよく理解できた。また,女性の集団をマネジメントするというか,男性との微妙な相違点を踏まえて対処されている点にも触れられていて面白い。TVで見る「なでしこジャパン」がなぜ底抜けに明るい選手ばかりなのか,わかったような気がする。
冒頭に記された「佐々木則夫流『11(イレブン)の心得』」が,この一冊に凝縮されているようだ。監督はきっと「上司になってほしい人№1」とかになられるんでしょうねぇ。
■横から目線
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いっきに読み切りました。 なでしこのワールドカップ優勝の必然性がよく分かりました。 佐々木さんとなでしことのやりとりと選手たちのひたむきな気持ちに何度か目頭があつくなりました。 結果を知っているだけにそれまでの過程と準備に改めて頭が下がります。 ロンドンにも確実に行って欲しい。