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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2010.1
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/462p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-10-539305-2
紙の本
代替医療のトリック
著者 サイモン・シン (著),エツァート・エルンスト (著),青木 薫 (訳)
鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法…。代替医療はほんとうに効くのか? 最新の科学的評価とは? 知られざる逸話とともに、その衝撃的な内容と真実に迫る。代替医...
代替医療のトリック
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商品説明
鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法…。代替医療はほんとうに効くのか? 最新の科学的評価とは? 知られざる逸話とともに、その衝撃的な内容と真実に迫る。代替医療便覧付き。〔「代替医療解剖」(新潮文庫 2013年刊)に改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
サイモン・シン
- 略歴
- 〈サイモン・シン〉1967年イングランド生まれ。ケンブリッジ大学大学院で博士号を取得。テレビ局BBCに勤務。
〈エツァート・エルンスト〉1948年ドイツ生まれ。物理学を学び、博士号を取得。代替医療分野における世界初の大学教授。
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書店員レビュー
売れっ子サイエンスラ...
ジュンク堂書店京都店さん
売れっ子サイエンスライターのサイモン・シンが、代替医療の真偽に挑む!
鍼治療・ホメオパシー、本当に効果はあるのか?
本書の科学的結論は、私も含めた多くの読者にとってはごく当たり前のこととなるが、それでも少なからぬ人々の反感を買うことだろう。米国で、進化論を否定するID理論が未だまかりとおっているように。
しかし、何が正しいかは明白なのだ。
シンは、手際も鮮やかに私達を科学的真理へと導いてくれる。
トンデモ本に惑わされないための、必読の書!
紙の本
チャールズ皇太子がここまで愚かだとは知りませんでした。科学的根拠を無視してまで代替医療を支援したければ、税金投入ではなく私財をなげうて、ってえの。そういえば、つい先日、日本でも代替医療に医学会が根拠なし、と判定を下しました。プラシーボは認めたうえで、もはやペテンが産業化した不可思議な世界、あなたはどう思います?
2010/09/20 13:24
12人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
サイモン・シンといえば『フェルマーの最終定理』が脳裏に浮かんできます。私が友人へのメールで絶賛したら、読書にはうるさい彼が、あっさり引っかかってきました。無論、彼の数学好きについてはそれとなく知ってはいましたが、こう簡単に「読み始めました」なんて連絡を貰うとは思いもせず、まして「面白かった」という一言が返ってきたときは、ああ、読んでおいてよかったと思った次第。
とはいえ、私がシンの本を読むことはそれ以来ありませんでした。『暗号解読』については、他にもいい本があるから、とあっさり無視。でも、言いやすいからでしょうか、サイモン・シンの名前はいつも私の頭の片隅にありました。で、今回の本。真っ先に引っかかったのはタイトルです。『代替医療のトリック』、なんとなくウサンクサイ。特に「トリック」っていう言葉が「医療」と結びつくと、赤新聞的ないかがわしさを感じさせる。
でも、です。「代替医療」っていう言葉の意味がわからない。そこで、出版社をチェ~ック。新潮社ではないですか。これはもう出版社さんには申し訳ないけれど、私の中で出版社真面目度ランキングっていうのがある。これって全く先入観なんです。でも、同一タイトル、同一著者で本が出たとき、そこに書かれたことが本当のことらしい、と思わせる点では新潮社ってトップレベルにあるんです。そこらは「みすず」「白水社」あたりと同列。だからかもしれません、装幀の吉田篤弘・吉田浩美が採用した写真(坂本真典)もいつもよりは真面目に科学しています。それにしても「代替医療」ってなんだ、ということになります。中身を読めばいいのですが、出版社のHPを訪問すると
*
鍼からホメオパシー、ハーブまで……広がる代替医療に、いま科学の診断が下る。
ジョージ・ワシントンは、血を抜かれすぎて死んだ。当時の医師が瀉血は最高の医療だと信じていたために。では現代は? ハーブでガンは治るのか? ホメオパシーの効果とは? 『フェルマーの最終定理』『暗号解読』等、数々の傑作科学ノンフィクションで知られる著者が、代替医療研究の第一人者とともに医学を科学で解剖する!
*
とあります。要するに私たちが病院で健康保険使って受ける医療行為にたいして、保険が利かない、結構高い費用を払う、医師免許不要の施術を代替医療というようです。私も腰の痛みが抜けないとき、カイロプラクティックに行きますし、たまには娘にねだって指圧をしてもらう。それに腰痛対策用のコルセットにはマグネットいりのもにを使っています。アロマセラピーには憧れますし、ハーブのポプリなんてわざわざ買ったりもする。結構、身近にあるんです、代替医療。
で、読みました。もう、けんもほろろ、っていうかシンの手になると代替医療、ほぼ全滅です。本文で取り上げられているのは鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法の四つですが、付録の代替医療便覧には別に32の名前が挙げられ、各々見開き二頁でその効能のほどがしっかり解き明かされます。この32の代替医療には、アロマセラピー、イヤーキャンドル、結腸洗浄、サプリメント、指圧、風水、マグネットセラピー(磁気療法)、マッサージ療法、瞑想(メディテーション)、リラクセーションといったわが国でもおなじみのものも登場します。
基本的には、プラセボの威力に尽きるということになりますが、精神を安定させるということを主眼にした療法については、方法はともかくとして悪いものではないとしています。ただ、物理的な行為を伴う療法については概ね否定的で、これを読めば読むほど、危険だなあ、と思います。危険度でいくとカイロプラクティックです。ま、私も最近はあまり行きませんが、あの首をガツンとやったり、間接を逆方向にひねったりする、それで人が死んでるわけですから、怖い。
伝統中国医学ならば、少なくとも身体に悪くないからいいじゃないか、っていう意見もあります。でも、同じ値段を払うなら病院でもっといい治療を受けられる、となるとどうでしょう。お金をどぶに捨てるということは悪いことではないのでしょうか。私は、その手のものを日常的に利用することは殆どありませんが、BS放送で朝から晩まで「これは個人による感想です」というコメントをつけた様々な商品のCMばかり見せられていると、科学的効果あるならこのコメントはいらないだろ、って思っています。
それと、これらの非科学的な代替医療産業に手を貸しているというのが、あの英国の暗愚、チャールズ皇太子というのが笑わせます。科学的根拠は一切ないのが分かっているのにそれに目をつぶり、多額の国民の税金を代替医療に回して恥ずることがありません。医学界の絶望した声がよくわかります。それについての至言が出ていますので引用しておきましょう。公平を期してまずチャールズ皇太子のお言葉。
*
これらの治療法は、主流の医療と同じくらい効き目があるのではないか、場合によっては主流の医療よりも効くのではないだろうか? もしそうなら、どの治療法がどの病気に効くのだろうか? 一九九七年には、私が創設し会長を務める統合医療財団が、通常い医療とは異なるアプローチが、医療界の主流に受け入れられるためには、厳密な科学的根拠にもとづく研究開発を行うことがひとつの鍵であることをあきらかにした。
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とまあ、本当にそうなら文句のつけようのない立派なもの。ところが、肝心の根拠を示すことができず、むしろ害があると判定されたものまでも、己の権威だけを背景に擁護し、税金を投入させます。ダイアナ元王妃がなぜ、このヌボーッっとした夫に愛想を尽かしたのか、納得できます。で、この暗愚な皇太子に対し、ロンドン大学ユニヴァーシティカレッジのガン専門家マイケル・バウム教授の言葉が
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私の発言の重みは、四十年に及ぶ研究と、二十五年に及ぶガン研究への積極的な関与の上に築かれた知識の裏付けによるものだ。あなたの権力と威信は、たまたまどんな家に生まれたかにかかっている。
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として、科学的根拠を無視する魯鈍な人間に噛みつきます。私はどちらかというとアカデミズムの権威というやつが嫌いですが、今回ばかりは医学界の側に立って反皇太子に廻ります。ばかじゃん、この男。
でも、わかるんです。代替医療を選ぶ人の気持ち。だって、病院の雰囲気って、暗いし、先生はふんぞり返って偉そうだし、看護婦さんだって忙しくって話し相手にもなってくれない。薬だって簡単に出してくれないし、待ち時間ばっかり長くて楽しくない。でも代替医療なら、私たちはお客さん。扱いは丁重だし、施設は綺麗だし、待たせないし、施術時間は待ち時間に比べて長い。ビタミン剤やコルセット、磁器商品なら通販で気軽に手に入れられる。
もしかすると、先に改革されるべきは現在の医療じゃないか、なんて思ったりして・・・。
紙の本
公平中立に代替医療を論じていらっしゃる
2016/01/23 15:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やま - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の一人、エルンスト博士はホメオパシーを使ってたくさんの患者さんを治療されていた方。ホメオパシーが効いているという実感も得てらっしゃって、代替医療に対して肯定的な結果が出ることを望まれていてもおかしくない方です。
そういったバイアスに流されることなく、どこまでも科学的に代替医療と向かい合われているからこそ、信頼に足る本であると思えます。
重視されているのは科学的根拠。
「科学的根拠に基づく医療」の説明にまるまる一章が当てられており、それ以外にも折々に臨床試験における二重盲検法や系統的レビュー(コクラン共同計画等)についての記述が挟み込まれ、科学についての知識の怪しい私はとても助かりました。
私は本筋の医療(回った医療機関は3つ、いずれも家の近隣)で痛みが取れず困っていたところ、鍼治療やカイロプラクティックを受け改善され、感銘を受けたことがあります。
代替医療はすばらしい…のかも知れないが、科学的な裏付けはあるのだろうか。。効果があり安全であるという確証が得られたなら、それこそ人生を賭けて取り組んでみてもいいかも知れないと思い、手に取った本の内の一冊です。
という訳で、私は科学の信者(←自戒をこめて)であると同時に代替医療の信者でもあったのですが、この本を読んで、立ち止まってみざるを得なくなりました。