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商品説明
「男はみんな奇跡を起こしたいと思ってる。好きになった女の人のために」『雨恋』の著者が放つありえない恋の物語・第二弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
壁穴から囁く不思議な男。戸惑いながらも志織は彼の奇妙な依頼を引き受けた。愛の魔法に導かれているとも知らず…。恋が恋を呼ぶ、知的でキュートな奇跡のラブストーリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
松尾 由美
- 略歴
- 〈松尾由美〉1960年石川県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部外国文学科卒業。著書に「安楽椅子探偵アーチー」「雨恋」「ハートブレイク・レストラン」など。
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紙の本
タイム・パラレルと恋の関係
2008/10/11 23:34
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
松尾由美さんも、いつかは読まなくては、とずーっと思っていた作家さんです。
旅行代理店に勤める平凡なOL志織は、芸術家(というより、表現者のみなさん)ばかり住む、一風変わったアパートに引っ越します。
ある日、脚立にのっていると、壁のエアコン用の穴から不思議な声が聞こえてきます。
その声に耳を傾けると、なんと未来から貴方に話しかけていると、いいます。
志織は声の主を探すのですが、、。
私、勝手に松尾由美さんは、ミステリ系の作家だと思っていましたが、
奥付けなんか見てみると、なんとSF系(早川書房関係です)の賞で作家デビューだとか、、。
で、本書も、タイムパラレルというか、タイム・パラドックスを
モチーフにした恋愛ものです。
声だけ聞こえる恋愛といえば、本書内でも、言及されていますが、シラノ・ド・ベルジュラック。シラノとタイム・パラレルをかけあわせたような恋愛ものに仕上がっています。
最初は、日常の中に放り込んだ少し不思議な要素で引っ張るのかと思いきや
やっぱり恋愛もの、、、。
恋愛ものを読むの久しぶりだったのですが、
後半の"やきもき感"または"すれ違い感"は、恋愛もの特有ですね。
お互い、もっと素直に言っちゃえよ、行動すれば。
読者サイドのこちらが、やきもきしてしまいます。
で、ラストは、、、読んで下さい。
これも恋愛ものの定番ですか??。
まぁいいじゃないですか、、。
紙の本
話の先が見えちゃうのも困るんですが、最後のほうの男の説明がね、くどいんです。こんな男には惚れませんよ、女は
2007/04/26 19:53
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近思うのは、現時点では松尾由美のほうが加納朋子を鼻の差、リードしているんじゃないか、っていう感じです。ま、二人が何かを競っているわけでは全くないんですが、なんとなく二人の軌跡がカブル。特に、文章の雰囲気とか子供の使い方、それに甘いラブストーリー。
ただし、同じ甘さでも、ちょっと怖いものを感じさせる時があるのが加納で、割り切りがつきそうなのが松尾。ま、無理矢理差をつけているんですが、私にとってはマナカナみたいなものではあります。ただし、本のタイトルについては、今回はあまりにストレート。そういえば『雨恋』は連城三紀彦、「ハートブレイク・レストラン」はプレスリーか・・・とまあ、滅茶苦茶な名不利はこのへんにしておきましょう。
新潮社のweb上の言葉を利用させてもらうと
「過去をやり直したい。好きな人と一緒にいたい。その願いを叶えるのは一途な思いだけ。
「もしもし、そこにいますか?」部屋の壁にあいたエアコンの穴から、不思議な男の囁き声が聞こえてきた。自分は一年後の未来から話しかけている、君にお願いしたいことがあるというのだ。(中略)失われた恋がよみがえる奇跡のラブストーリー。
知的でキュートな極上の時間差ロマンス」
ということになります。時間差ロマンスはまだしも、「愛の魔法に導かれているとも知らず……。失われた恋がよみがえる奇跡のラブストーリー。」ってえのが、厭ですねえ。ここまでベタな文章っていうのも珍しいでしょう。ま、私は恋愛、好きですし、松尾も気に入っている。『雨恋』は好きじゃなかったけど、『スパイク』ならもう一度読みたいとも思っている。だから、読むな、オメー、オーラを出している案内文を無視して手にしたのですが・・・
主人公は、旅行代理店に勤める「わたし」北村志織、27歳、彼氏なし。気に入っていたアパートですが、趣味でやっている写真の現像の臭いがもとで、立ち退きを迫られています。で、彼女はあてもないのに、引っ越しをすることにする。ただし、お金持ちじゃあないので、手頃な物件はなかなかありません。二〇〇四年、夏のことでした。
で、わたしの依頼を安請け合いした不動産屋が紹介する物件が三軒、連続で持ち主から断られることになります。最後に連れて行かれたのが、わずか四戸の風変わりなマンション。持ち主らしい人にジロジロ見られ、趣味のこともしつこく聞かれ、もうダメか、と思ったら入居を認められました。
志織が住むことになったのは、二階のB号室。1階には30代の音楽家と、彼が思いを寄せる美人女医が暮らしています。でも、A号室に住む平野という人については、殆ど情報なし。顔を合わせるのも、月に一度あるかないか。ま、住人間の付き合いは殆ど無いので平野が決して特別というわけではない。ただし、ここで話の流れが分っちゃうのは勿体無い。
で、九月一日、運命の日がやってきます。壁にあいているエアコン用の穴から声が聞こえてくる。無論、外はベランダで人はいない。で、その声の主はある依頼を彼女にします。ま、私だったら受けないでしょうが、志織は受ける。ここらでリアリティを感じなくなってしまうんですね、ワタシ・・・
でも、ここらは読めないことはない。問題は、後半、特に謎の依頼主が正体を明かし、理由などを説明する、その場面の冗長さ加減です。我が家の次女言葉で言えば「ヤメロッシ!ウザイッシ!」です。正直、こういう自分だけの言葉に酔っちゃてるような男の言葉を聞いていたら、我が家の女性陣は全員、其の男に興味を失う。
ばーか、なに気取ってんだ、独り善がりのチンクソ野郎って(ダン・シモンズ『オリュンポス』のなかに、女性がこういう言葉を吐き散らしていますので、真似てみました)。つまり、所詮でリアリティを失い、後半ではなんとか話が流れたものの、陳腐を通り越して嘘になっちゃう。
拙いですよ、松尾さん・・・