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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.4
  • 出版社: 中央公論新社
  • サイズ:20cm/231p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-12-003720-7

紙の本

夜の公園

著者 川上 弘美 (著)

寄り添っているのに届かないのはなぜ。恋愛の現実に深く分け入る川上弘美の新たな世界。【「BOOK」データベースの商品解説】わたしいま、しあわせなのかな−。寄りそっているのに...

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夜の公園

税込 1,540 14pt

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商品説明

寄り添っているのに届かないのはなぜ。恋愛の現実に深く分け入る川上弘美の新たな世界。【「BOOK」データベースの商品解説】

わたしいま、しあわせなのかな−。寄りそっているのに、届かないのはなぜ。恋愛の現実に深く分け入る、川上弘美の新たな世界が広がる恋愛小説。『中央公論』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

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みんなのレビュー97件

みんなの評価3.4

評価内訳

紙の本

少しだけ。

2006/07/04 23:03

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 他人(ひと)に聞かれて何だか当惑してしまうこと。自分の長所。会社の中の友人。好きな言葉。愛読書。先日も「愛読書」について訊ねられたから「川上弘美の作品なんかが結構好き」と答えたのだが、どこか嘘のような感じが自身の中に残った。川上の作品はほとんど読んでいるから嫌いではないのは本当だけど、完全に愛読書という感じでもない。少しだけ、違う。本当なんだけど、少しだけ違和感がある。他人(ひと)に聞かれて困ってしまう質問は、そんな違和感を無視してしまうような倣岸な答えを求めている。だから当惑してしまうのだが、川上の作品はそんな違和感をけっして蔑ろにはしない。そこが川上の魅力だ。
 川上の『夜の公園』は四人の登場人物が主人公だ。リリという女性、幸夫というリリの夫、春名というリリの友達、暁という青年。互いがそれぞれ関係を持ちながら、決して重なることのない関係。少しだけ、それぞれがお互いを理解できないでいる。そのことが九つの連作短編として描かれている。この違和感を川上は否定しない。あるがままに描くことが川上の文学としてのありようだ。人が生きるということは、人が他人(ひと)として人との関係を結ぶということは、そのような違和感を抱えることだと教えられるのは、やはり哀しい。少しだけ。
 わたしいま、しあわせなのかな。リリは自身の違和感をそう表現する。登場人物たちの関係が重なり合わないように、四人ともが自身の中に少しだけ自分と重ならない自身を抱えている。だから「体がなかったら、いいのかな。体がなくて、魂みたいなものだけだったら」とつぶやくリリが、幸夫が、春名が、暁がいとおしい。彼らはなにも間違ってなどいない。人間とはそのようなどうしようもない哀しみをもっているものなのだから。少しだけ。
 川上弘美の作品が好きだと言った自身の言葉に嘘はない。けれど、何が好きかと問われたら、人として抱えている違和感が表現されているからと答えても、わかってもらうのはやはり難しいかもしれない。それでもそう答えたいのは、自身のことを少しだけでもわかってもらいたいからなのかもしれない。

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紙の本

こんなにも哀しい小説なのに、読み終わると僕らは不意に人恋しく、肌恋しく、恋が恋しくなってしまう

2006/05/25 21:23

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

 読み始めてすぐに「随分ねっとりとした小説だなあ」と思った。それが読み進むうちにいつの間にかしっとりとしてくるから不思議だ。
 恋愛の話である。夫婦の話であり、浮気の話であり、不倫の話である。三角関係っぽい話でもあり、ひとりで二股・三股という話でもあり、やがて別離の話でもある。そして、ことは必然的にセックスの話にも及ぶ。ねっとりとしたセックス、しっとりとしたセックス。
 この小説は解る人と解らない人の2通りに別れるだろうな、と思う。解る人は淫乱な人で解らない人は清く正しい人だと言う気もなければ、解る人は粋な人で解らない人は無粋な人だと言う気もない。ただ、解る人と解らない人に別れるんだろうな、と思う。
 僕は随分解る気がした。リリの気持ちも幸夫(ゆきお)の気持ちも、春名の気持ちも悟の気持ちも暁の気持ちも、そして遠藤の気持ちも。みんな別々の方向を向いて別々のことに思いを馳せているにもかかわらず、登場人物全員の気持ちが手に取るように解る気がした。こんなことって前代未聞だ。そもそも登場人物全員の気持ちに神経が及ぶことが前代未聞だ。大抵は主人公1人か、プラス重要な登場人物1人くらいにしか思い及ばなくて、その1人か2人に感情移入できるかどうかで読後感が定まってくるものだ。では、この小説の主人公って? やっぱり上に挙げた6人のうち遠藤を除く5人が均質に主人公なのだ。リリと幸夫の夫妻、リリの親友・春名、そして悟と暁(この2人の関係については書かない)──この5人5様の淋しさと哀しみが、しかし均質に染みてくるのである。
 作家と登場人物を混同し同一視するのは全く馬鹿げたことだと頭では理解しているのに、ついつい「川上弘美はこんな風に哀しい恋を重ねたり、何人かの男の温もりに体を預けたりして豊かな経験を積んできたんだろうな」などと埒もない想像に耽ってしまう。
 「持ち重り」「おもたせ」「飛びすさぶ」「よるべない」「言いおく」「いとけない」・・・川上弘美の小説を読んでいると、目にしたことはあっても自分では一度も使ったことのない表現、辞書を引かないと意味に自信が持てない表現(特に最初に挙げた2つは初めて目にした表現だった)がたくさん出てくる(しかも、全てやまと言葉だ)。その豊富な語彙によって僕らは彼女の世界に引き寄せられてしまう。こんなにも哀しい小説なのに、読み終わると僕らは不意に人恋しく、肌恋しく、恋が恋しくなってしまう。
 「ほろほろと秋が去る」ような気がして。
by yama-a 賢い言葉のWeb

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紙の本

今わたし、ここにいる

2006/06/09 12:09

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「どうしてあたし、今ここにいるんだろう。」と思う。
「ねぇ、先生、どうしてわたしは今ここにいるの。」と前に聞かれたことがあった。
この物語、主な登場人物はさて何人?
まず中西リリと幸夫の夫婦。
そしてリリの友達、春名。
リリの年下の恋人、暁。
春名の年下の恋人、悟。
そのほか、春名の別の恋人や職場の人や担当の生徒や
いろいろな人が登場するが、
この人たちの関係が実に複雑なのだ。
幸夫と春名は、リリにないしょで付き合っていて、
リリは暁と、幸夫にないしょで付き合っていて、
春名は悟とも付き合っているんだけど、
その悟とリリが付き合っている暁は兄弟で…、
あっちこっちで繋がったり、こんがらかったりしたり、している。
そして、みんな自分の居場所を見つけようとしている。
ここかな?
ここじゃない。
あっちかな?
どうかな?
自分が今、どの場所にいるのか。
知っているのに、認めようとしなかっただけの場合もあるし、
真剣に探している場合もあるし、
ただ流されているだけの場合もある。
でも、「今わたし、ここにいる」と強く思えるようになったら、
きっとその時が本当のはじまり。
いとけない人と思われようが、意固地な女と思われようが、
自分の足で踏み出す一歩は
カギリナク、イサギイイ。

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紙の本

筋はまるで三流小説、

2006/08/13 21:46

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まきまり - この投稿者のレビュー一覧を見る

しかし作品を読んでいるときは、その圧倒的な「さりげなさ」に飲み込まれて、卑猥さも陳腐さもさほど感じなかった。主人公のリリが、あまりにも私好みの女性だからかもしれない。
夫を好きではなくなった自分を客観視できるリリ。不思議な清潔さを身に纏っているリリ。一人でいるのが似合うリリ。
決して損なわれることのない彼女の気品がストーリーの中枢に在って、全体を引き締めている。
春名もまた、この作品に欠くことのできない存在であろう。
リリと対極にある彼女は、とてもなまめかしくて刹那的だ。自分を「あたし」と呼ぶ春名。その下品な感じが、彼女らしくていい。

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紙の本

こうも簡単に寝るかなあ?ま、老人と簡単にセックスをさせて爺さんたちを感涙にむせぶように仕向けた川上ヒロミだからファンにとっては溜まらんでしょうが、ちょっと安易かなって

2006/06/04 21:34

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

目次を見ると、各章のタイトル、お尻が揃っていて綺麗なんです。できれば、文字数が上下で対称になれば、もっと美しかったのに、なんて思ったりして・・・
  リリ、夜の公園
 幸夫、小高い丘の頂上
春名、吹かれる川辺の葦
  暁、白く曇った窓
 リリ、水を湛えた器
 幸夫、頬を伝う雨粒
   春名、嵐の海
   暁、重なる息
 リリ、羽摶く鳥の影
話は、ごく大雑把に書けば、不倫小説です。ま、こう書くと身も蓋もない貝のお化けになってしまいますが、ぶっちゃけて言えば、こうなんです。無論、いかにも川上らしくそこに登場する人物たちはもっと微妙な心の動きを見せますし、エロティックな描写も皆無ですから、渡辺淳一や高樹のぶ子のそれを連想すれば全く期待はずれに終わります。
といって、これを昔からある純文学、として読もうとすると、どこか軽いですね。ですから、これは煩悶したり人生とは、とか、愛とは、とか真剣に考えずに、それでいて誰もが出会うかもしれない人生のありかた、それを読むお話である、そう考えると腑に落ちる気がします。
目次が全てを示す、そういっていいでしょう。登場人物は章に番号こそ打っていませんが、各章のタイトルの頭にある四人です。他に登場する人々もいますが、それは話を展開する為だけにいるだけで、メインの流れにわけいってくることはありません。
まず、全ての中心にいるリリです。中西リリ、35歳。結婚したのが33歳とありますから、晩婚ではないものの最近の平均から考えてもすこし遅いかもしれません。専業主婦で、夫が36歳の幸夫です。申し分ない夫で、25年ローンを組んで買った立派な3LDKのマンションに住んでいます。
子どもはありませんが、結婚して2年であればさして不思議ではありません。問題は、最近、リリが夫を好きではなくなった、それです。結婚二年目で?とは思いますね、成田離婚をしないで、3日、3ヶ月、をクリアしてきて3年目の危機、っていう奴かもしれません。
そんな時、リリが出会ったのが26歳の暁です。運送のバイトをしていますが、就職はしていません。2歳年上の兄・悟がいて、この人は話の展開に重要な役割をはたします。一方、リリの友人で高校の英語教師である宮本春名がいます。35歳で独身、ま小説の中ではそうとは書かれていませんが私に言わせれば色情狂、気に入った男であればだれとでも関係を持ってしまいます。で、その春名がもっとも感心を示しているのがリリの夫である幸夫です。
もう、これだけで充分だと思います。お話は複雑な展開をするわけではありません。ある意味、淡々としています。決して温かい、といった物語ではありませんが、クール、という感じでもありません。文章同様に、ほんのり優しい、そういう言葉で表現できそうな気がします。
カバーデザインは、中央公論新社デザイン室の手になるもので、このブルーグレーのメタリックな基調が、深夜というよりは夕暮れを感じさせて、それが小説と良くあっています。ただし、このデザイン、どうも野坂徹夫のパクリっていう感じがしてならないんですね。しかも悪いことに、それを超えていない。無論、そんな意識があったとは思っていないんですよ、なんといってもマチエールが違いますし、色合いも全く違う。でもね、これは間違いなく影響されていますね。それが残念。
初出は『中央公論』、2002年から2005年まで不定期に掲載されています。

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紙の本

どこかつかめない生々しさ

2006/05/29 20:17

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「怖い恋愛小説」というキャッチコピーだったか何だったかを目にしたことがあるような気がするのだが…、私には「恋愛の怖さ」というより「人間関係の怖さ」が生々しく描かれた作品のように思われた。もちろん「恋愛=人間関係」という観方も存在するだろうが、そうではなく、むしろ三角関係が四角、五角になっていくような重層した関係の中で、ある一人が他の一人にどういった思いを持っているのか、その思いのためにどんな行動に走るのか、その描き方がさすが川上弘美といった感じだった。
確かに様々な恋愛関係が描かれる。しかもそれは夫婦や兄弟といったところでリンクしている。しかしそんな中、最も密接につながり、だが最も複雑に、一定しないマーブルのような感情を交感しているのがリリと春名という二人の女のような気がしてならなかった。例えば春名は幸夫(リリの夫)を愛していると思っているが、悟(春名の恋人の一人)に殺されそうになった時、「たすけて、リリ」と携帯で叫ぶ。悟は春名に愛していないと言われた時より、その「リリ」という声を聞いた時にこそ生々しい殺意を抱く。これって何だろう。男たちには絶対踏み込めない女の領域?そう言ってしまうと安っぽいけれど、リリと春名の間にある特別なもの(だからと言ってリリと春名が単純に親友なのだとは、私は思わないが)に、その瞬間悟は嫉妬したのだ。
さっぱりしているかのようでいて濃厚。この小説の後味は、そのようなものであった。

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紙の本

身勝手で無責任な大人たち。

2006/06/20 23:24

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

『二人を比べることはできない。二人は違う種類の人間である。
二人は、私という人間の中にある幾つかの種類の「私」のうちの、それぞれ違う「私」とつきあっているのだ。
(本文より引用)』
とっても危険な小説だ。
言い換えれば、女性の怖さを思い知らされた1冊でもある。
内容的には自由奔放に行われている不倫小説と言えよう。
リリと幸夫という夫婦がいる。
幸夫には春名、リリには暁という不倫相手がいる。
ちなみに春名とリリは親友同士。
いわば“妻”と“愛人”の関係。
春名は幸夫以外にも悟という男もいる。
独身同志だから不倫ではないが・・・
悟と暁は実の兄弟でもある。
春名は男性依存症的人物として描かれているが、本当に好きなのは幸夫であり、そのことが物語のキーポイントとなっている。
たとえば、江國香織や吉田修一の作品だったら、読者も予期して楽しめるのであるが、川上弘美が本作のような作品を書くと読者も憂鬱さを通り越して度肝を抜かれる。
少なくとも江國香織だったらもっと危なっかしく、吉田修一だったらもっとさりげないであろう。
川上弘美がドロドロな不倫を描くと登場人物達もそれなりに確固たる信念を持っているから不思議だ。
たったひとり悟という人物を除いて・・・
読者によっては悟が一番まともに感じるであろうから困ったものである。
ただ、男性読者の観点から意見させていただくと、幸夫ってそんなに短所があるように思えないのである。
どうしたんのリリさんと言いたい(笑)
少し否定的に書いたが、女性読者には凄く有意義な一冊だと思う。
終盤、春名が危機的状況に陥る時、真っ先に助けを求めるのはリリであった。
その助けをリリに求めたことによって悟が余計に嫉妬したといっても良いんじゃなかろうか。
この場面は誰もがドキッとさせられる印象的なシーンであり、奥深いふたりの友情が描かれているのである。
私的には夫婦のあり方や恋愛の本質を問うた作品としてはあんまり評価したくないのであるが、女性間の友情に関しては巧く書けてるなとは素直に認めたい。
あたかもその為に、リリと幸夫が悲運の恋であることを強調したかのようだ。
このあたり女性読者のご意見もお聞かせ願いたいなと思う。
川上作品は『センセイの鞄』と『古道具中野商店』しか読んでないので、どちらかと言えば心地よさを求めた読者の私なんで特にそう感じるのかもしれないが・・・
強く生きるってむずかしいな。
主人公リリの生き方は男性読者からして拍手を送りづらいのも事実。
なぜなら、生まれてくる子供に罪はないとまでは言わないけど、可哀想な気もする。
所詮、妊娠したのは離婚を言い出す単なるきっかけというか手段だったような気がするのであるが・・・
川上さんの真意が読み取れなかったのが残念である。
それとも男性読者にはわかりづらい世界だったのかな。
とはいえ、視点を変えて語られる各章。
それぞれの気持ちは読めば読むほどよくわかる。
だが、わかればわかるほどブルーになるのである。
一冊の作品としてのまとまって読者に語りかける何かが私にはつかみ取れなかったのであろう。
女性読者が読めば、リリが着実に幸せを手にしようとしていると受け取れるのであろう。
男と女は深遠である。
幸夫の代わりに代弁したいなと思う(笑)
活字中毒日記

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