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紙の本 |
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- 税込価格:13,640円(124pt)
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商品説明
ぼくらはばらばらではなく、みんな繫がっている。この世界には、物理学の教科書にも載ってない強い力がひとつある。小さな人生の大きな幸福の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
市川 拓司
- 略歴
- 〈市川拓司〉1962年東京都生まれ。独協大学卒業。97年からインターネット上で小説を発表。著書に「Separation」「いま、会いにゆきます」などがある。
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紙の本
…ふわっと、心が温かくなりました。
2004/12/07 22:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玲音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
15年前ゴミ山の中で出会った3人と1匹…。
彼らは『変わりモノ』と言われてしまう者たちでした。
水の中の世界を愛し、水辺の生き物に惚れ込んだ智史。
冬でもないのにアーミーコートを着込み、男っぽく振舞う花梨。
ぶかぶかの黒縁メガネをかけ、ゴミの絵を描き続ける佑司。
そして…『トラッシュ』と名づけられた犬。
この物語は、彼らの15年前を回想として書きながら、現在の智史を主として進んでいきます。
最初のうちは現在と回想の切りかわりについていけず、
『今はいつ?』と思うこともありました。しかし、読み進めていくと、なぜそのような書き方なのかの理由がわかります。半分くらいまで読むころには、その不思議な表現に『なるほど』と納得さえしていました。
なぜ彼らは離れてしまったのか?
一体、今どうしているのか?
そんな疑問を抱きながら、経ってしまった15年もの歳月。
その止まっていた彼らの関係と言う歯車が、
智史の元に現れた1人の女性、鈴音の影響で少しずつ動き出します。
『知ってる? 世界にはぼくらが知っていることの
100万倍もの知らないことがあるんだって』
そう言った佑司の言葉。
それが象徴するような、信じられない事実と共に…。
物語はゆっくりと進みます。
しかし、それにもかかわらず、会話の受け答えの面白さや智史を取り巻く人々の関わり合いに、ついついページをめくってしまいました。
15年も経てば人は変わります。いい意味でも悪い意味でも…。
そして、その年月の間に生まれた、たくさんの記憶や思い出は、心の中に残っているに違いありません。
目を閉じれば浮かんでくる懐かしい記憶や、優しい思い出たち…。
この物語を読みながら、そんな過去の世界に浸ってみるのも、
いいのではないでしょうか。
紙の本
感動的な本というよりも感銘を受けた本といえるのかもしれない。
2004/10/23 15:03
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『電車はどんどんとスピードを上げ、ぼくをこの町の重力圏から放り出そうとしていた。花梨はもう表情も分からないくらい遠くになっていた。火星に向かう宇宙飛行士も、きっとこんなふうに地球のことを眺めるのだろう。この気持ちは、ぼくらにしか分からない。』(本文より引用)
市川さんの最新作は今までの恋愛や親子愛を深く描いた作品と少し異なったものとなっている。
恋愛のみならず友情や人生における夢を描き切った点に作者の並々ならぬ意気込みを感じた。
より幅広い年齢層の方から支持されるであろう。
彼の小説を読んでいる時ってどう例えたらいいのだろう?
ちょうど、心臓がいつもより速く動くのを感じるのである。
特にタイトルのネーミングの由来ともなっている、主人公智史の父親の存在感が圧倒的である。
子を持つ読者が読まれたらきっと共感していただけるであろう。
ちなみに私は2回読みました。
過去の作品より奥深くなった証拠であろうか?
いろんなテーマがてんこ盛りなんで、1回では上手く消化し切れなかったのである(笑)
1回目より2回目の方がより心が癒されたことを付け加えておきたい。
いや、学び取るべき点が多くなったと言う方が適切であろうか…
市川さんの作品に出てくる男性主人公っておしなべて恋愛経験に乏しいというか奥手で繊細である。
誰もが薄らいでいく初恋の時の淡い気持ち。
はたしてあなたは智史や花梨になりきれるだろうか?
当たり前のことであるが、小説は作者次第でどのようにでも結末をつけれる。
そういう意味合いにおいてはたかがフィクションなのかもしれない。
しかしながら読者の人生の良きナビゲーターとなることは間違いない。
読者は心地よく市川さんの美しい文章に翻弄されてゆく。
まさに至福の境地である。
少し自分の人生を否定していないだろうか?
自分自身への戒めである。
人生は小説以上にもっといろいろであることを私たち読者はわかっているから…
余韻に浸りつつも少しは前向きになれたあなたは本作が座右の書となった証である。
とうとうひとつステージが上がったな。率直な気持ちである…
トラキチのブックレビュー
紙の本
フニクリ・フニクラ
2004/10/18 13:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a101530 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっと変わった14歳の男の子二人と女の子一人のお話です。
三人は、14歳の一年間、寄り添うように過ごし、
家庭の事情で離れ離れになっていきます。
そして、14歳の思い出を大切に15年間生きてきた3人のお話です。
三人は連絡が取れないまま15年の歳月が過ぎ29歳に、
そんなある日…
ゆったりした気持ちで、1ページ、1ページを大切に読みました。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたい作品です。
読まれて、面白いと思われた方には、
白倉由美さんの
「おおきくなりません」、「きみを守るためにぼくは夢をみる」
をお勧めします。
紙の本
僕らはいつも以心伝心二人の距離つなぐテレパシー
2005/02/27 21:46
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっと退屈なハリウッドのラブコメ映画みたいな話だと思っていた。初めのうちは。
「彼女は目をぐるりと回し、天を仰いだ。」
「ぼくは、降参というふうに両手を上げ、溜息をついた。」
「ぼくは、無言のまま彼女に向かって『憶えていろよ』というふうに人さし指を突き立て、それから階段を上った。」
こういった、登場人物たちのアメリカナイズされた仕種の描写に、一体何の映画の影響?と突っ込みを入れたくなる。
「ヤァヤァと彼女は囃し立て、手を叩いた。」
これには思わず失笑した。
こういった表現が苦手の読者は、背中がむず痒くなる箇所が多いだろうが、読み進めていくうち、本書に描かれた、人が誰かを思う純粋な気持ちは悪くないと思うだろう。多分。おそらく。きっと。
アクアショップを営む智史の前に突然現れた、幼馴染の花梨。日本を代表する女優であり、誰もが美女と認める彼女は、智史のファーストキスの相手でもある。
この2人と、智史が結婚相談所を介して知り合った美咲との三角関係がこの物語のメインだ。
三角関係と言っても、ドロドロヌルヌルしてはいない。
「ひとりの男性は、ふつうふたりの女性の魂を救うことはできないのよ」というドライな花梨のセリフが3人の微妙なバランスを象徴している。
花梨に比べ、地味な女性である美咲の、精一杯の愛の表現が、いじらしくて魅力的だ。
「会ってみたかったな。できるなら同じクラスで席を並べて授業を受けてみたかった」
「一生かかって考えてみます」「答えが出たとき、また訊いてくれます?」
登場人物の中で、一番幸せになってほしいキャラクターの彼女のハッピーエンドには、読んでいるこちらも幸せな気分になった。
恋愛小説として読むと、使い古されているかもしれないがなかなかいいセリフが散りばめられていて、恋愛小説愛好家の読者にはウケがいいだろう。
だが、最も胸を打つのは、「どんなに離れていても、ぼくらは繋がっているんだ」というメッセージ。
智史と父との関係も、もう一人の幼馴染である佑司との再会も、このメッセージを思って読むと、胸が熱くなる。
物語の終盤で、智史と花梨が訳あって離れることになった時、智史は、離れていても、言葉を交わすことができなくても、同じ空の下で彼女も自分のことを愛していると知っている。それが幸せでなくて何と言うのだ?と思う。
相手の心変わりを危惧することのない状態。じつはこれが一番幸せなことなんじゃないかという気がする。
ここで終わっていれば本当のハッピーエンドだったのでは?
これは個人的嗜好だが。
紙の本
読んでいて楽しい。
2018/05/24 13:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
でも作品に入り込んで盛り上がってきたところで
いきなりファンタジー化するのでちょっと鼻白む。
異常な父親の記憶力も相まって、結果すっかりシラけた気分のまま終わってしまう。
少し残念だが世間の評価は高いので私の適応能力が低いのだろう。悪くはないけど。
文体(特に台詞)に特徴があり、そこが一番気に入った。
シリアスな中にコミカルな空気が混じる演出がとても良い。
「なぜ、父さんまで?」「彼は彼で好きにしてるから」辺りすごい好き。