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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2004.3
- 出版社: 光文社
- サイズ:19cm/297p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-334-93332-7
紙の本
泥棒国家の完成 (Kobunsha paperbacks)
小泉「構造改革」政権が続くかぎり、生活はどんどん貧しくなる。日本を支配する「政・官・業・ヤクザ」の鉄の四角形の連携を、これ以上放置していいのか? このままでは、日本に未来...
泥棒国家の完成 (Kobunsha paperbacks)
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商品説明
小泉「構造改革」政権が続くかぎり、生活はどんどん貧しくなる。日本を支配する「政・官・業・ヤクザ」の鉄の四角形の連携を、これ以上放置していいのか? このままでは、日本に未来はない!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ベンジャミン・フルフォード
- 略歴
- 〈ベンジャミン・フルフォード〉1961年カナダ生まれ。上智大学比較文学科を経て、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学を卒業後、日本でジャーナリスト活動に入る。米経済誌『フォーブス』アジア太平洋支局長。
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紙の本
ソクラテスの悲劇
2004/05/02 20:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:高橋波子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
われわれはどこへ向かって進んでいるのか。もとい、ビジョンとは何か。基準はどこに置くのか。企業か、団体か、地域か、国か、地球か。グローバル化が叫ばれて久しいこの現代社会において、競争相手は誰なのかを考えてみると、なんだか悲しくなってくる。
悲しくなってくる理由は、泥棒国家に住んでいることをこの著者に決め付けられてぐうの音もでないからだ。
それはさておき、この本を読むと、さすがに選挙には行きたくなる。あるいは、あらためて、世の中で行われていることを噛みしめることができる。たとえば、国民年金保険料を政治家が払わない。なぜかといえば、議員年金という効率のいい年金が税金で支払われるからということなどが晒される。
ルールは強いものの都合の良いように作られる。そして弱者はそのルールにしたがうことで、弱者なりのスタンダードライフが過ごせるというのは、紀元前に哲学者が生まれたときからの普遍的なものだ。気がつかない振りをして、階段を上り、階下をながめてみる。そこからはいろんなことが見える。見えた人はたいてい強者となり、都合のいいルールを作る準備を始めるのだろう。
私たちはせめて学問を武器に、考えることをもう一度学び、矜持を持ってそこ、ここに立つことをいよいよ決断するべきときに来ているのではないだろうか。
最後に、この本の四重表記は気に入った。というか便利な表記でありがたい。
紙の本
ポチ泥棒国家の完泥
2004/04/09 12:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sheep - この投稿者のレビュー一覧を見る
「政・官・業・ヤクザ」首相、与党(公明党、創価学会に対する批判もある)、官僚、さらに民主党からマスコミにいたるまで悉く泥棒とその相棒ときめつける舌鋒は鋭い。著者はカナダ人、雑誌フォーブスアジア太平洋支局長。日本は民主主義国家ではなく、権力者特権階級が民衆から富を奪う人類史上に類を見ない「泥棒国家」だという。泥棒国家とは政権の一形式で、文字通り「泥棒支配」を意味する。政治的支配の最終形で、みせかけの誠実さも残っておらず、支配者を富ませ、その支配を永続させるためだけに存続するものだ。日本の「泥棒システム」は5要素でできているという。
1. 公的資金による金融機関の救済という嘘
2. 司法を抱き込んだインチキ裁判
3. お役所の勝手にできる裁量行政
4. 一票の格差が四〜五倍というゴマカシ選挙システム
5. 臆病、勇気ゼロの大手メディア
著者も書いているが、なぜ多くの日本国民は、いまだに政治が、国民の財布から金をまきあげるだけの「泥棒政治」であることに気がつかないのだろう? 気がついてはいるが、票の重みの差、小選挙区という歪んだ制度ゆえ、現実を変えることが困難なのか? 「メディアも泥棒の味方」(第四章)というのも原因の一つだろう。「記者クラブが諸悪の根元」というのも事実だろう。泥棒仲間集団だ。そうでない人々には発言の場も取材の場も与えない。知りたい真実は追求せず、どうでもよい瑣事のみ報道する。泥棒どもは自分たちを監視するまともなジャーナリストの手足を縛る為「個人情報保護法」という泥棒政治家保護法を作りあげた。怪しい法律も役所も、常に一見もっともらしい名前をもっている。
文部官僚泥棒は独立法人改悪で国立大学も乗っ取った。「ゆとり教育」というエリート選別、貧乏人振り落とし制度によって初等教育は崩壊したが、高等教育もさらに崩壊する。こうした歪みはボディ・ブローとして日本凋落を推進するだろう。
著者が描く絵柄は陰鬱だ。第五章「日本抜きアジア」では、アジアにおける日本地盤沈下の様が描かれる。一方日本には、銀行のような腐敗企業だけでなく、希望のもてる企業もある(第六章)。しかしCanonやトヨタという世界的企業が、日本の労働人口全部を吸収しきれるわけもない。おりしもトヨタによる「派遣社員」採用が伝えられている。結局「日は再び昇らない」(第七章)ことになる。また、元気そうに見えるお隣の韓国経済も実態は恐ろしい。優秀な若者ならアメリカに移住することも可能だろうが、「40歳を越えれば定年退職」という社会、年輩者はどうすれば生き伸びられるのか。韓国でも日本でも、年寄りの末路はCanon社員ならぬcannon fodder(砲弾の餌食)か。
キーワードに英語を添えるのは一見有り難くも見えるがどうだろう。時事用語だけに絞り込んだほうが親切なのでは? 誤植もある。66p、ロシアの赤い貴族ノーメンクラトゥーラ、nomen Klaturaとあるが、nomenklaturaだ。
基本的に共感する部分は多い。しかし、傀儡泥棒を使嗾して、日本の富を吸い上げている黒幕に、大泥棒国家がいる事実に触れないことで説得力が損なわれている。第六章で日本に金をかしてくれる国があるのだろうかと書きながら、日本が恫喝されて買っているアメリカ国債を持ち上げるのは解せない。番犬は飼い主を噛まない。「メディアも泥棒の味方」という言葉、著者にお返ししたくなるのは、本書でメディアを益々疑うようになった効用か。
「メディアも泥棒の味方」という言葉、大手メディアの「人質」報道にもあてはまりそうだ。ボランティア、独立系ジャーナリスト入国禁止、派兵増強という結果になると予想はつくものの、イスラム原理主義風の怪しい「テロリスト」の正体や、反派兵ボランティアを抹殺することで利益を得る連中が誰か?を探る報道をこそ見たいものだ。