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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.6
- 出版社: 日本経済新聞社
- サイズ:20cm/378p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-532-16391-9
紙の本
天才たちの誤算 ドキュメントLTCM破綻
著者 ロジャー・ローウェンスタイン (著),東江 一紀 (訳),瑞穂 のりこ (訳)
世界を震撼させた大型ヘッジファンド、LTCM破綻の真相を描いたベストセラーの邦訳。天才集団は何を読み違え、銀行はなぜ貸し続けたのか? その時、FRBは? 恐慌寸前下の息詰...
天才たちの誤算 ドキュメントLTCM破綻
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商品説明
世界を震撼させた大型ヘッジファンド、LTCM破綻の真相を描いたベストセラーの邦訳。天才集団は何を読み違え、銀行はなぜ貸し続けたのか? その時、FRBは? 恐慌寸前下の息詰まる救済劇を名コラムニストが活写。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ロジャー・ローウェンスタイン
- 略歴
- 〈ローウェンスタイン〉10年以上『ウォールストリート・ジャーナル』の記者として活躍。現在は、『スマートマネー』にコラムを連載するほか、『ニューヨーク・タイムズ』などに寄稿。
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紙の本
実はシンプルだった天才たちの金融工学
2002/07/07 20:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
株も相場も割高を売って割安を買うのが基本。そこに金融工学
だのブラックショールズ式だのという仕掛けがからむと、なんと
なく素晴らしいマジックが行われて「俺たちは違うこと」がおこ
なわれていたような錯覚が生じがちですが、本書を読むとLTCM
の天才達がやっていたことも実際は実にシンプルだったということが
良く分かる。ただ彼らが一瞬凄く儲けているように見えたのは
たんに借金こいて自分のキャピタルの50倍、100倍の相場
張っていたからだけだったということが本書を読むと良く分かる。
ノーベル賞をもらっても相場で全てをすっちまったら元も子もない。
相場は相場に聞けとはよく言ったものです。
紙の本
天才たちの誤算は人災に有り
2001/07/11 00:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:onomono - この投稿者のレビュー一覧を見る
デリバティブについてのリスク管理の理論はあったが、会社としてのリスク管理体制ができていなかった。資産が大きくなるほど、収益機会は減少し、人材のコントロールも難しくなった。理論優先でできたベンチャーにありがちなパターンである。
確率的に計算されたバリューアットリスクも、画期的な理論であったはずの分散ポートフォリオも異常時には全く役に立たない。まさに市場は生き物である。
それにしても、資金繰りが苦しくなって立場が弱くなったLTCMから、更に利益をむしり取ろうとするG社の部分を読むと、すさまじい弱肉強食の世界であることを思い知らされる。
ところで、LTCMが破産した後だったらノーベル賞は授与されたのだろうか?
紙の本
日経ビジネス2001/07/09
2001/07/12 18:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:牧野 洋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格派ジャーナリズムの本家を自認する米国では、質の高いノンフィクションが多い。本書も例外ではなく、調査報道を土台にして、人間ドラマを鮮やかに描いている。
題材は、1998年に破綻した有力ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)。主人公は、「伝説のトレーダー」ジョン・メリウェザーだ。
著者は、ベストセラーとなった前作『バフェット』(邦題『ビジネスは人なり 投資は価値なり』)で見せた手法をここでも発揮する。メリウェザーについては彼の幼なじみにまで取材し、生い立ちから内面に切り込む。
さらに、メリウェザーを中心に多彩な人物を絡み合わせる。彼を取り巻く天才トレーダーやノーベル経済学賞受賞者らのパートナーはもちろん、大物銀行家や米連邦準備理事会(FRB)首脳を生々しく描き、LTCM破綻までの“大河ドラマ”に仕立て上げる。
圧巻はニューヨーク連邦準備銀行本店でのLTCM救済劇だ。同連銀総裁が離反者であるベア・スターンズ最高経営責任者(CEO)のジミー・ケインを個室で説得している最中に、メリルリンチCEOのデビッド・コマンスキーが割り込む場面は次のようになる。
「コマンスキーが入ってきた。頭から湯気が立ちそうだ。ケインと向き合って、メリルCEOはがなりたてた。『いったい、何を考えている!』。ケインがかわす。『パートナー契約を結んだ覚えはありませんな』。コマンスキーがリンドン・ジョンソンばりの腕でつかみかかった…」
著者は、メリウェザーへの直接取材要請を断られている。これは、経済人関係ではウォルト・ディズニーやコカ・コーラの大物CEOを主人公にした近年のノンフィクションでも同様で、米国では珍しくない。
むしろ、主人公を知る多数の関係者への取材や地道な資料集めを基にすることで、著者は主人公との“癒着”リスクを排する。「私」として文中に登場せず、観察者の立場も貫く。主人公が公認する作品では正統派ノンフィクションになりにくいのだ。
著者はウォールストリート・ジャーナルの名物コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」のコラムニスト経験者。それだけに、難解な金融工学の世界も身近な比喩を使って分かりやすく解説している。なぜLTCMには公的資金が使われなかったのか。なぜウォール街では護送船団行政が成り立たないのか。なぜ米国の金融技術が日本よりも数十年先を行っているのか。本書を読むと、こんな疑問も解ける。
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