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商品説明
植物レッドリスト、エゾシカの大発生、所沢のダイオキシン問題、愛知万博の環境評価問題など、最近のニュースを取り上げながら、環境生態学の基礎的な解説と問題提起を行う。【「TRC MARC」の商品解説】
日本の新聞などでは、「エコロジー」を生態学ではなく、「環境保全」の意味で用いる。それは「生態学」そのものではないかのようである。しかし、生態学ぬきの環境保全はありえない。生態系の成り立ちを理解すること無くして、自然を守ることはできない。人間が生態系に及ぼす影響を探り、自然を守る手段を考えるだけが、本来の環境学ではない。他方、人間は環境から大いなる恩恵を受けてきた。農林水産学は、まさに人間が生物の恵みをいかに利用するかを考える科学であった。単に生態系を守るだけではなく、生態系の恵みをいかに後世の人々に残していくかを考えることが必要である。人間と生物(生きざまと死にざま、その全体としての生態系)の双方向の関係をともに考える科学が必要である。それが、本書で提唱する環境生態学である。環境生態学は、まだ生まれたばかりの科学である。抽象的な議論ではなく、現在直面しているさまざまな問題を例に取り上げ、その答えを見いだして行きたい。【商品解説】
目次
- はじめに
- この本の狙い
- この本の構成
- 第1章 浮魚資源の大変動=個体群生態学入門
- バッタ並みに変動するマイワシ
- 魚種交替の謎
- 魚種交替の「3すくみ説」
- 堆積鱗と古文書が語る自然変動
- 問題提起
著者紹介
松田 裕之
- 略歴
- 〈松田裕之〉京都大学大学院理学研究科博士課程卒業。中央水産研究所主任研究官などを経て、現在、東京大学海洋研究所助教授。著書に「「共生」とは何か」など。
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紙の本
環境問題が生態系に与える影響を数理的な手法で解説する。魚類を初めとする生物多様性保全を目指す
2001/01/25 12:15
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投稿者:木村 智博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年,生態系への関心が高まり,数多くの書物が刊行されている。本書は,魚類のみならず,各種生物の営みが乱され,生態系に甚大な影響が出ている点を述べる。特に数理生態学の分野を解説し,定量的な評価を試みる。また,生物多様性保全の観点から,保全の戦略的な進め方を記す。「社会に役立つ」をモットーに,具体的な解決に向けた考え方を示す。学部上級生,大学院生,自治体の担当者などにとっては必携の書である。
現実の問題に触れながら,生態学の概念を紹介する。14のトピックスを取り上げ,まず,浮魚資源が変動している状況に言及(個体群生態学)。一方,持続可能な漁業(生物資源管理学)と同時に,絶滅危惧種の把握も大切となる。野生生物の管理は関心の的になるが,名もなき動植物はなくても構わないのか(群集生態学)といった問題提起を行う。生物多様性のキーワードで,保全生物学,生態系管理,環境影響評価などの概念を解説する。
(C) ブッククレビュー社 2000