紙の本
喪失を補って余りある盛り上がり
2015/08/08 19:02
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投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前回までの結果を受けて、この巻では今までの主役が一人消えている。
それはやはり寂しい。
しかし、だから面白さもどうなのだろう、というのは杞憂だった。
シリーズ中、今までより長いし(620頁)、
その分展開にも時間がかかるから最初はわりとゆっくり読んでいた。
それが途中からやめられなくなった。
章の題は順に「復活」「疑惑」「襲撃」「陵辱」「対決」「死闘」。
まさにその通りの内容である。
小説自体の題にもあるように、百舌が復活する?というのがポイント。
既に終わったはずの要素が復活するというのは、物語の設定にありがちなものとはいえ、
魅力的なやり方なのは間違いない。
あとはそれを処理する作家の腕である。
いったいどのように復活するのか、という興味で読むわけだが、
これはもう名人芸。やはりすごいと唸らされる。
いつもながら、逢坂剛の犯罪の構想力と、
それを実際に組み立てていく展開力は圧巻であり、
悪の造型にも説得力がある。
また、これまで以上に美希に焦点があるこの巻、
池上冬樹の見事な解説があるが、そこで言われるように、
今までのものに優るとも劣らぬアクションシーンだけでなく、
エロティシズムあり、ホラー味ありのぜいたくな中味になっている。
ここまで盛り上がったから、これがシリーズ最後かと思ったら、もう1作あると判明。
どうもそちらは評判がもう一つのようだから、
この「よみがえる」というアイデアで締めるのがよかったのかもしれない。
紙の本
百舌シリーズ?第4作
2015/11/08 22:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
権力から公安を守ってきた津城警視正。前作で銃弾を頭に受ける負傷を負ったが、その間に権力者は新たな企みを進めていく。夫を亡くした倉木美希はその意志をついで警察を辞めた大杉の協力を得ながらよみがえった百舌を追い詰めていく。百舌は本当によみがえったのか、本当のハンドラーは誰なのか。
どんどん引き込まれていく。
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もはや歯止めが効かず、MOZUシリーズ4冊目も読破。登場人物を書くだけでシリーズのネタバレになるので書きませんが、保革連立政権崩壊に乗じて治安体制強化を企てるとは、まさに今の安倍政権のご時世のようでゾッとします。
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内容(「BOOK」データベースより)
元刑事が殺された。後頭部を千枚通しで一突き。伝説の暗殺者、百舌の手口だ。闇の彼方から百舌が帰還したのか?それとも、警察の汚濁に基づくあの事件を知っている者が始末されていくのか?いまわしい記憶に怯える女刑事・倉木美希の前に第二の殺人が起こる!野に下った大杉良太も友のために立ちあがる。警察の腐敗を告発し、サスペンスの極限に挑む逢坂剛の大ヒットシリーズの最新長編。
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倉木の遺志を継ぐべく、津城警視正の下、特別監察官となった美希。
そこへ、すでに死亡した殺し屋"百舌"を彷彿とさせる千枚通しでの殺人事件が起こる。被害者の側には、百舌の羽根が残されていた。
そして、被害者の共通点は、稜徳会事件・来迎会事件に関わった退職警察官だった…。
事件に関わった退職警察官となると、大杉もターゲットに!?
<以下、ネタバレです。>
千枚通しに百舌の羽根。
明らかに"百舌"を連想させるこの事件を津城は「単なる偶然」と取り合わない。何でなんでしょうね?
で、"百舌"と、"百舌"に標的の指示を出す"バードウォッチャー"は誰なのか?
"百舌"候補として疑わしいのが、青山署の紋屋警部補か、東都ヘラルドの残間記者。
"バードウォッチャー"はまさか津城ですか?
で正解はというと。
"バードウォッチャー"はアルツハイマーを装い、さくら愛護園にいた栗山で、"百舌"は三宅。
そして、栗山を操っていたのが、津城だった、と。
ただし、"百舌"は途中で入れ替わっていて、紋屋を襲った三宅は返り討ちにあい、そこからの"百舌"が紋屋だった。Σ(゚д゚|||)
そして、相変わらずの公安と政治家の陰謀事件では、治安警察庁実現を企む馬渡を消そうとする(!!)津城。
どうしちゃったの!? と思ったけど、『裏切りの日日』でも、自ら手を汚していたしね。
で、津城は馬渡を射殺したけど、自らも"百舌(紋屋)"に殺されてしまう。
その紋屋もまた、大杉と美希によって死に追いやられた、と。
このシリーズっては、どれだけ登場人物が亡くなるんでしょうね。(ノ∀`)
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またしてもあっという間の百舌シリーズだった。
話としては…そこの恋愛いらないんじゃない?話が飛躍しすぎじゃない?という点がたくさんありますが…。
白黒つけたい性分というかやっぱり悪しき者は罰せられて欲しいという気持ちも作品を読んでいて思います。
矛盾を感じながらも読み進めてしまう逢坂剛作品。
2作目はダークヒーロー百舌を期待するところがありましたが、この作品では百舌が出てくるたびにヒヤヒヤでした。
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そう来たかー!
まさか百舌が途中で変わったとは思いもよらず、怪しいと思っていた人も怪しかったけど百舌ではなく。
相変わらず人はたくさん死に、お色気シーンも増え、大杉さんとも接近し。盛りだくさんでした。
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百舌の第4弾。
死んだはずの百舌と同様の手口で警察OBが次々と殺害される。
はじめは百舌の復活に疑心暗記だった大杉、倉木も次第に信じはじめる。
今回のトリックはまったく想像しておらず、読了後は、そういうことか!と唸らされた。
しかし、登場人物が次々と死にすぎやろ。
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「二週間以内に男を殺せ、と千枚通しと羽を渡された、今日からお前は百舌だ」
過去の事件に関わった人間が殺されていく・・・。
亡き夫の悲しみを背負った美希と大杉は、自分達にも危険が迫る恐れの中、百舌を捕えることが出来るのか!
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いわゆる百舌シリーズのとりあえずの完結編。
今回は最初から、ちょっと展開が見えちゃったかなぁ〜。
相変わらず、美希の軽薄な行動は信じられないけど、せっかく美希も大杉もいることだし、さらに新しい百舌が生まれることに期待っ!
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いや〜、マジでバンバン死ぬなぁ〜w
まさかのあの人も死んじゃったしなー。
それにしても、美希はスゲーわww
大杉さん、尻に敷かれるんじゃ?www
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逢坂剛「よみがえる百舌」
百舌シリーズ第4段。
死んだはずの新谷兄弟がよみがえったような殺人事件が次々起こる。
4作目となると少々ネタ切れ感が漂いますが、よくここまでまとめたなという感じ。最後は美希と大杉のラブストーリーじみてきちゃうのはご愛嬌かな。
津城警部がこのあとどういう展開になるのか、まだ続くような終わり方が気になる。
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シリーズ中でも高い緊張感が保たれたまま展開される作品。犯人が最後までわからず、なかなかハラハラさせられる。犯人の生死に含みを持たせて終わる感じもシリーズものとしてはアリと言える。
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シリーズ三作目の砕かれた鍵で百舌は死んだはずなのに、同じ手口で元刑事が殺され、津城警視正と美紀、大杉が真相を追う。
今回も政治と警察がからむ事情や対決が背景にあり、隠ぺい・工作・罠が次々と起こる中、美紀と大杉がどうなるの!?というエッセンスもあって一気に読んだ。
百舌の復活もそう来たかという、最後にちゃんと解説があるのですっきりするけど続編も期待。
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全作に続き、今度はあの人がいなくなってしまいました。
この小説の本当の主人公は、もしかして、美希??
でも、大杉さんってホント、いい人だ。惚れてまうよ~。