「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
生物学的時間を使って現代社会を眺めて見ると、現代の抱える問題がはっきりと見えてくる。新たな行動指針や倫理を求め、時間やエネルギーを軸に、生物としてのヒトに無理のない生き方とはなにかを探究する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
本川 達雄
- 略歴
- 〈本川達雄〉1948年仙台市生まれ。東京大学理学部生物学科卒業。現在、東京工業大学理学部教授。動物生理学専攻。著書に「サンゴ礁の生物たち」「ゾウの時間ネズミの時間」「サンゴしょうの海」他。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
体に合った社会へ
2003/01/06 06:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あきやま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベストセラー『ゾウの時間ネズミの時間』で展開された、
サイズとエネルギー、そして生活サイクルにこだわる物理学的生物学。
この考え方を応用して、「ヒト」としての生物学的性質をふまえながら
人間社会のありうべきエネルギー消費や生活サイクル、
そして倫理を考察したのがこの本。
文化とか価値とか人間関係とかいったものを捨象するその手つきは、
人文社会系の知に関わる者の目にはずいぶんとナイーヴに映るに違いないのだけれど、
しかしだからこそ現存する幾多の(「右」とか「左」とか何とかの)
社会宗教論争を超え出た普遍的な視点、
というかその眼目は社会の《物理的枠組=制約》への注意の促しなのだけれど、
それを明晰な形で提起しえているように思われる。
「宗教やイデオロギーの無力になった混迷の時代に私たちは生きています。
何か、万人がウンと言える行動指針や倫理を早急につくっていかなければならないでしょう。
私は、理想などという人間の夢想とは関係なく、ヒトの体という、
もっとも人間に関わり合いの深い普遍的な物体に基礎を置くことにより、
現実的な指針や倫理がつくれるのではないかと考えています。」(p.134)
大村英昭の「鎮めの文化」論とか、見田宗介の『現代社会の理論』とか、
そうした本と合わせて読んでみたい“考えるヒント”。