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- カテゴリ:一般
- 発売日:2003/07/07
- 出版社: 原書房
- サイズ:18cm/320p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-562-03667-7
紙の本
民間防衛 あらゆる危険から身をまもる 新装版
本書はスイス政府がその住民と国土を戦争・災害から守るためのマニュアルとして、全国の各家庭に一冊ずつ配ったものの翻訳である。官民それぞれが平時から準備すべき事柄が簡潔に具体...
民間防衛 あらゆる危険から身をまもる 新装版
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商品説明
本書はスイス政府がその住民と国土を戦争・災害から守るためのマニュアルとして、全国の各家庭に一冊ずつ配ったものの翻訳である。官民それぞれが平時から準備すべき事柄が簡潔に具体的にまとめられ非常に参考になる。この1冊で、戦争や災害などの、想定されるさまざまな局面と状況に対応できる!【本の内容】
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紙の本
中立国スイス!
2007/11/13 21:13
42人中、40人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ssc - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、スイスという永久中立国が、中立を保つために何が必要かを、スイス政府が国民に対して説く、という一冊です。
まず、中立=平和という幻想を抱いている人には、
これ以上ない悪魔のような本であるといっておきます。
中立。誰からも侵略されず、誰にも軍事依存しない。
それを達成するのは、口先だけの平和主義でも、事大主義でもなく、
「いざというときには政府と国民とが一丸となって、
戦争に望まなければならない」という強烈な意思であると説いています。
本を開きますと、
前文から、平和に甘んじてはならないという警告の序文があります。
いざという時、その時のため、平和な時から準備をしておかなければならない――
果たして、平和を享受するこの日本で、いざという時のことを真剣に考えている人が何人いるでしょう?
そうするべき、そうしなければならないと、国民に説く政治家が、
この国には何人いるのでしょうか?
平和がいつまで続くか解らない。
・不測の事態の時に慌てないよう、平和な内から非常食を用意する。
・いざという時にパニックにならないよう自警団を組織する。
・核兵器による攻撃、病原菌による生物兵器による攻撃、毒ガスなどによる化学兵器の攻撃、爆弾による破壊と火事……それらに見舞われた時、どう対処すれば良いのか?どうすれば、被害を最小限に出来るのか?
後半では、国を侵略されてしまったら!?
という衝撃の事態に見舞われた場合の対処法などもあります。
この本を読んで、私は、日本はどうなのかと考えてしまいます。
金正月が独裁体制を敷く、テポドン、ノドンを有する北朝鮮。
近くには、今も成長を続ける軍事大国、中国。
それらの国が日本に牙を剥いた時、日本人は、どうなってしまうのか。
それを議論にあげれば、戦争なんて夢想だと一笑に付したり、
北朝鮮を、中国を、過大評価していると気にも留められなかったり。
いざという時どうするか、何をしなければならないか……
それは、平和な今だからこそ、考えなければならない問題です。
私は、この本を万人にオススメしたい本です。
あなたも、今しておかなければいけないことは何なのか、
それを考えてはみませんか?
紙の本
家庭に一冊は常備すべき「防災と防衛のバイブル」。最悪の事態をシミュレーションし、国民の一人一人に心の準備を迫る本
2010/03/03 15:05
15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
スイス連邦政府が1969年にスイスの全家庭に配布した『民間防衛』。この赤い表紙の一冊本は、1970年にはじめて日本語版が登場したが、同じ時代の文化大革命時代の中国で一世を風靡した赤い表紙の『毛沢東語録』よりもはるかに重要でかつ生命力の長い、まさに家庭に一冊は常備すべき防災と防衛のバイブルであるといえよう。
私が本書を初めて手にとって購入した15年前の1995年、それは「阪神大震災」に続いてオウム真理教による「サリン事件」が発生し、日本人の治安に対する不安と危機意識が一気に高まった年であった。「冷戦構造崩壊による平和の配当」などという脳天気なユーフォリアが一気に吹っ飛んだ年である。阪神大震災後の1995年2月に「新装版」として出版された本書は、続いて発生した「サリン事件」ともあいまって、大型書店には山積みとなっていたのである。
その後、「ノドもと過ぎたら熱さを忘れ」がちな日本人から危機意識が消えてしまったのだろうか、書店の店頭からは消えて、しばらく品切れになっていた。、再び2003年に「新装版」がでたあとは、とぎれることなく売れ続けているようだ。本書の愛読者としては、たいへんうれしい限りである。
スイスで本書が配布された1969年という年は、「中立国スイス」が、冷戦構造のもと、米ソいずれの陣営にも属さず、中立国としていかに自由と独立を守り抜くかという、国家の存在そのものにかかわる危機意識の高まっていた時代であった。国土防衛は徴兵された軍人だけでなく、国民全体の義務であるという意識がそれを支えている。そして、『軍人操典』と『民間防衛』が編集され、各家庭に配布された。
構成は以下のようになっている。「平和」、「戦争の危険」、「戦争」、「レジスタンス」(抵抗活動)、「知識のしおり」。全体の3分の1強を占める「平和」の章では、核兵器や生物化学兵器といった人為的なものも含めた災害全般への対応をことこまかに詳述している。日本でも防災関係者ではすでに常識となっているそうだ。この意味においてはきわめて実用的だ。
私には、むしろ「戦争の危険」、「戦争」、「レジスタンス」(抵抗活動)の3章が非常に興味深い。外敵によって国土が占領されるといかなる状況がもたらされるかだけでなく、「心理戦」(謀略・宣伝工作)や「経済的戦争」といった目に「見えない戦争」を含めて全面戦争についても、最悪の事態を想定し、考え得る限りの状況を書き込んでいるからだ。いわばシミュレーションによって、国民一人一人に「全面防衛」について心の準備をさせるのが目的であるが、何かに取り組めば徹底的にやらなければ気が済まないというスイス的な特性が全面に展開されている。
沖縄を除けば、原爆を含めて都市への無差別爆撃以外には、地上軍による国土蹂躙を経験したことのない本土出身の人間にとって、外敵によって侵略され占領されるということはどういうことか、これについてイマジネーションを働かせるための、またとない訓練教材となっている。
しばしば「陸の孤島」ともいわれる山岳国家スイスであるが、海によって国土を囲まれている日本とは環境がまったく異なる。スイスの地政学的な位置は、ヨーロッパ大陸の中心に位置し、ローマ帝国時代以来、地中海と大西洋を結ぶ陸上交通の要衝であり、「スイスの戦略的地位は他国にとって誘惑的なものである」という認識が本書にあるとおりだ。
しかし、ナポレオン戦争の4年間を除いて以後、スイスは他国に侵略され占領されたことはない。これは、自由と独立を守るために払ってきた、スイス国民の覚悟の現れともいえるのだろう。同じく専守防衛の立場に立つ戦後日本だが、意識の違いはあまりにも大きい。
元警察庁長官でスイス大使を歴任した國松孝次氏が、その著書『スイス探訪』(2003年)で書いているように、環境の変化によって、スイスの安全保障体制も大幅に再編されているらしいが、原典としての『民間防衛』意識には変化はないようだ。
この本はイラストも含めて、なんかレトロな雰囲気を全編にかもしだしており、歴史的ドキュメントとしては意味があるが、やはりアップデート版がもしあるのなら見てみたい、という気持ちも強い。
出版社には、「新装版」ではなく、「新版」をだしてほしいものだ。スイス本国で新版がでているのかどうかは知らないのだが。
いずれにせよ、家庭に一冊は常備すべき「防災と防衛のバイブル」である。そしてまた、自由と独立をまもるための、「民主主義国家の国民教科書」でもある。
紙の本
独立した中立国という意味が分かる本
2014/01/20 11:50
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たくボン - この投稿者のレビュー一覧を見る
スイスといえば中立国という漠然とした印象しかなかった.中立とは特定の国と軍事同盟を持たず,平和的な非武装主義だと思っていた.
しかし,この本でその考え方が間違っていることに気づいた.
中立とは独立ということであり,他国への干渉もしないが,他国からの干渉も受けないということ,とある.
独立国を維持すためには必要な軍事力と,それを支える国民の意識が必要であるとこの本では強調している.
火力を用いた侵略だけではなく,巧妙に仕掛けられた思想啓蒙活動や,合法的な政治活動による危険は市民レベルにも達するという点に話が及んでいる.
軍隊に属さない我々一般民間人が,日常からできることをわかりやすく説いている.国を支えるためには国民一人ひとりの意識がいかに大切であるということが分かる.
犯罪や災害に対する意識を持つきっかけにもなり,一家に一冊あると良いと思う.
紙の本
中立国家とは
2015/09/29 13:07
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TO - この投稿者のレビュー一覧を見る
スイスは平和を愛する中立国家ではあるが、その平和と中立を守るためにあらゆる状況を想定し、方策を練り、時に犠牲も厭わない覚悟があると感じられる。
美しい観光国家だけに勘違いされがちなのは何故だ。
平和ボケと言われて久しい日本も、自然災害も含め備えと覚悟は常にあるべきと思う。
紙の本
戦争のもう一つの様相
2018/01/04 17:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a reader - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書では、目に見えない戦争の形についても説明されている(「戦争のもう一つの様相」)。この形の戦争の特徴は、武力行使の代わりに、知識階級の耳に入りやすい美辞麗句(社会的進歩、すべての人の福祉の追及、平和など)を用いて国内世論を「時代遅れの軍事防衛は破棄しよう」というものへ誘導したり、政府の権威を失墜させるような策略(要人への中傷など)で政府と国民の離反を図るなどである。いま日本で起きていることそのものではないか。
本書で説明される「敵」の戦略・戦術は、日本の左派系知識人・政治家・メディアの言動そのものだ。彼らは日本国民の抵抗を打ち砕くための戦争を仕掛けているのであり、その背後にある勢力・国家も状況的に明らかである。彼らの言説がどれほど荒唐無稽であっても、一定数の支持者が国内に居住している以上、傍観してはならない。一人でも多くの日本国民が本書を手にとり、今現在、我が国が、武力を用いない手段による戦争の渦中にいる事実を知るべきだ。
紙の本
スイスが立派で日本が駄目だと思っていても仕方がない
2012/03/10 16:01
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、「スイス政府により、全国の各家庭に一冊ずつ配られたものである」(p.315、訳者あとがき)。主として、外的からの侵略に備えるための具体的な考えや行動をまとめている。軍事的な脅威だけでなく、心理的脅威(情報操作)、経済的な脅威(輸入の停止など)についても言及している。
平和というのは、自らの努力で守り抜くものだという意思を感じる。「国防はまず精神の問題である。/自由と独立を守るためでなければ、どうして戦う必要があろうか」(p.20)。スイスというと、私は永世中立国で平和の国と認識している。その認識は間違いではないのだが、スイスは決して自分が武器を持たなければ相手も友好的に接してくれるという考えは持っていない。「戦時に備えて2年分位の食料、燃料等必要物質を貯え、24時間以内に最新鋭の武器を具えた約50万の兵力の動員が可能と言う体制で平和と民主主義を守り」(p.319、訳者あとがき)という準備をしている上での平和なのである。
おそらく、この本自体がプロパガンダではないかという見方をする人もいるだろう。しかし、他の国を戦略するのではなく、徹頭徹尾自分の国を守るための方法を書いている。この考え方は信用できる。例えば、もしも自分の国が占領されたら、そこからのレジスタンス(抵抗活動)をどのようにするかについてまで書かれているのである。
そして比較すれば、日本がいかに脅威に対して準備不足だったかということが分かる。ただ大切なのは、スイスが立派で日本が駄目だと思っていても仕方がないということ。「各個人の政治的自由は、精神的家族感あるいは経済的家族感というワク組みの中で現わされねばならない」(p.17)。「このような共同体生活のきまりの外で権力がふるわれると、秩序が失われ、効果がなくなり、弱く、不安定となり、効率が悪くなる」(p.17)。自分の祖国を守り、変えるべきところは変える必要があるし、一方で国を変えるふりをして国を壊そうとする者には対抗しなければならない。物事をどう見て、どう考え、行動するかを考えさせられる。
紙の本
意外に通じるスイスと日本 戦争だけでなく
2016/12/30 17:04
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:889ヒロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中立国スイス・スイス政府編である。パンフレットではなく、分厚い。一貫して対外国との核戦争(!)を含めた一般国民に対する啓蒙の書。最近編まれたものではなく、加えて核戦争が起きた場合の対応は、日本の広島原爆の惨禍を学んでいる者には甘い。しかし、我々には欠けている視点を見ると、呆然とする。
戦乱に向けて、家庭が用意すべき具体的な必要物資・その数量・保管する場所を示し、家族メンバーの誰が購入し、社会人の誰が火器を持ち、誰が応急手当をするか、どこまで処置をするか…すべて具体的で曖昧でない。
重火器の戦乱の前後、を含め終始警鐘を鳴らすのは、プロパガンダ・思想的扇動に対してである。マスコミ・噂話・喧伝の害悪を図で、例え話で何度も書き表している。敵はいる、という大前提で一冊展開しており、負けたとしても我々スイス国民はこのように対応しよう、と励ましている。
比較して、我々はあまりにも無策である。日本の何に対して、攻撃をしているのか考えもしない。
紙の本
模範とすべきだ。
2021/04/17 21:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る
わが国の中立は守られている。にもかかわらず、それによってわれわれが盲人で会ってよいということにはならない。
自分の国を愛することは、まず、経済面であれ、政治面、知識面であれ、その国の現実のあらゆる面について、より深い知識を得る方法を学ぶことである。それは、また、国家に奉仕するため、国家を守るため、そして、国家をよりよくするためにみずからの力を出すことである。
これがリベラルの模範とする永世中立国・スイスの実態だ。彼らの払い続ける努力たるや、素晴らしいの一言。こちらの面を模範とすべきだ。