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商品説明
なぜ、異なる業種の会社を買収するのか? なぜ、赤字でも会社は倒産しないのか? 小説仕立てのストーリーにクイズを交えた、読むだけで「数字のトリック」を見破る力がつく会計の入門書。財務3表がわかるミニ講座も収録。〔「1日15分!会計最速勉強法」(2008年刊)の改題,加筆再編集〕【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
思い込みが勘違いを生んでいるだけで、ウソをつかれたわけではない。
2012/01/29 10:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セカンド・プラン エトセトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんでも人のせいにする習慣のある人は、数字がウソをついたと思うのかもしれない。
「1500円以上のお買い上げで抽選券一枚進呈します」との宣伝文に誘われて、
「よし、3000円なら二枚だな」と思い何冊か選びレジへ。
「3150円になります。抽選券一枚どうぞ」
「あのー、二枚じゃないんですか?」と遠慮がちに聞く。
「”会計ごと”、1500円以上で一枚です」とあっさり冷たく即答された。
待ってましたとも感じられる返答に違和感を覚えながら、だったら返品!というのも大人気ない。
その辺が店側の狙いなのだろうと知りながらも、手元に残ったのが本書というのも何かの縁かもしれない。
店の広告文には”会計ごと”などと、どこにも書いてない。
しかし、たしかに1500円以上で一枚としか書いてない。
だれも1500円ごと、一枚とは言ってない。
勝手な勘違いをあえて誘発させているかどうかは別にして、ウソはついてない。
そう、ならば二回に分けてレジに行けばよいのである。
あぶない、あぶない、うっかり店長を出せ!と怒る嫌な一日になるところであった。
人のせいにしていては、本質が見抜けないという体験をした、と気持ちを取り直す。
さて本書中の「会計」とはもちろんレジのことではない。
数字の単位の重要性はしばしば指摘されるところだが、数字の前の勘定科目についてはなかなか、分かりやすく解説されているものはあまりみかけない。同じ数字でも、文脈の中で、受け取る側が勝手に勘違いをしてしまいがちなことを、物語風に読みやすくして、興味を引くように教えてくれている。
「売上10億円と利益10億円とでは同じ10億でも意味がまったく異なる」と著者はいう。
10億という数字に圧倒されて好調な企業だと勘違いしてしまうような、中身がオブラートに包まれているようなものだ。
ちょうど、「1500円以上で一枚」を勝手に「では3000円で二枚だな」と思い込まされるように。
誤解をさせられるというより、数字の前後の文脈の意味を知らないがために自分で勝手に見当違いをしているということだが。
この違いが不明の方には絶好の入門書となる。
本書最大の山場である「なぜ赤字企業でも会社は倒産しないのか」の答が見つからない方にも良い指南書となる。
ところどころに簡単なクイズもあり飽きさせない工夫が嬉しい。
ただし「株式投資の謎を解く」の章においては謎を解いているわけではなく、損益計算書及び貸借対照表の簡単な解説とともに、考え方の基本が示されているだけであるのが少しさびしい。もっとも初心者にとっては、そこが謎なのかもしれないが。
そういえば抽選券を配っていた店は、リニューアル開店セールであったが、前より売り場面積は狭くなり、置いてある本の種類も一般書店並みの品揃えとなってしまったようだ。
こうなると抽選が実際に行なわれるかどうかも怪しくなってくる。
数字だけでなく、店員の質や周辺情報から入手できる感覚も決算書を読み解く場合には必要だと感じる一冊であった。