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『物語論』とは、いいタイトルだと思います。この本に出てくるのは小説家、漫画家、雑誌編集者、音楽プロデューサーたち。彼らは『無から有』生み出す仕事、人間の内面を出す仕事の第一人者です。その人たちの成果物が『物語』であるとすれば、それはなんと素敵なことか。
これまで雑誌に掲載された、著者である木村俊介さんが行ったインタビューをまとめたもので、インタビューされる側が「え、それを聞いてくる?」と身を乗り出す様子がわかります。著者としても「「ものを語ること」に関して聞かせていただいた考え方を並列で提示したい」という意図があったようで、並べられたことで比較して読む面白さがうまく出たと思います。
出てきた人たちの作品で馴染みがあるのは、村上春樹さんと渋谷陽一さんぐらいかな。このお二人の活躍を観ていたのは20年近く前のことだから、ああ今はこうなのか、と懐かしく読みました。また、総じて文筆家は言葉に対しての執着を強く感じます。いや、小説家として世に出てるんだから、それはあたり前のことなのでしょうが。
伊坂幸太郎さんとのインタビューには非常に多くのページが割かれています。『小説の技術』について語っていて、その冒頭で『描写』について語っています。実際に作品を引用して説明をしているんですが、なんとなくその描写の丁寧な部分を読んで、立川談春さんの落語を思い浮かべました。彼は時々「これでもか」というぐらいバカ丁寧に状況描写をします。なんだかその言葉たちによく似ているような気がしたんです。数年前、伊坂さんの『死神の精度』がお芝居になり、そのセットの中で談春さんが『死神の精度』の中の一編を落語で語る、という会がありました。なんでそういう組み合わせなんだろうとかと思いましたが、こうやってみるとなんだか必然だったようすら思えてきます。
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大きな物語の終焉が語られ、小さな物語では生きづらさが叫ばれ、物語の物語は物を語る人たちによって何が語られるのか。
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小説家や漫画家など、17人がインタビューで語った「物語を創っていく過程」をまとめた一冊。名前を聞いたことがある人だと、伊坂幸太郎、村上春樹、荒木飛呂彦などの話が載っています。
この本は、私の期待通り!
各人が、どういうことを考えて、どういうことに気をつけて物語を創っていくかが語られていて、なるほどな、と思うことが多かったです。
「自分には物語の創り方なんて関係ない」と思っている人もいるかもしれませんが、私はそう考えてはいません。むしろ大アリではないかと。
なぜなら、物語は「伝える」ために書かれているからです。この本の中身は物語を書くうえで必要なこと、だけれど、それを読み換えれば、アウトプットをするときに気をつけること、でもあると思います。
そう考えると、各分野で最先端にいる人達のアウトプットのコツが垣間見られるわけですから、これが面白くないはずがない。色々と参考にしたい話を沢山収穫できました(^^)
興味があったら、是非ご一読を。
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「物語の風呂敷は、畳む過程がいちばんつまらない」(伊坂幸太郎/小説家)
・「動きのデッサン作業」
・意味はないけどニヤニヤできるところって、いいですよね。
・「そりゃあそうだよ。何でもできるんだからね、小説は。書けば、そうなるんだから」
・でも、もしも、殺し屋なんていう非現実的な職業の人たちについての話を、五十歳ぐらいの、社会経験もっかりある大人たちが本気で夢中になれるのだたら、それはそれでかなり素敵なことじゃないですか。
・フィクションの中で!まったくのウソ、つまり非現実的な作りごとを楽しんでもらうためには、その物語の外堀や環境をリアルなものにしておくべきだと思うんです。
・
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17人の創作者が、それぞれの物語を紡ぐ過程を語っているのだが、私は小説家のインタビューが興味深かった。17人のうち、7人が小説家である。村上春樹、橋本治、島田雅彦、桜庭一樹、平野啓一郎、伊坂幸太郎といった錚々たるメンバーであったが、最も興味深く面白かったのは伊坂幸太郎さんのインタビューであった。(分量も一番多い)一部は既読ではあったが、まとめて読むとよりいっそう伊坂さんの考え方がわかって面白い。
小説家以外では、漫画家が4人(荒木飛呂彦、かわぐちかいじ、弘兼憲史、うえやまとち)、雑誌編集者として渋谷陽一、ウェブデザイナーの中村勇吾、音楽プロデューサー根岸孝旨、ヴァイオリニストの諏訪内晶子、現代美術家の杉本博司、映画監督の是枝裕和、と実に多方面にわたる。
どの人にもその人なりのこだわりがあったり、方法論があったりで、すべて読むと、正解というのはひとつではないのだということがよくわかる。
人の数だけ方法があり答えがあるのだろう。
私には大きな物語を紡ぐことはできないので、世界に何かを問いかけたり、社会を変えていくようなことは書けないけれども、そのことを残念に思うこともないのかなと思う。
自分が読みたいと思うものを書く、ということは、自己満足と紙一重ではあるけれども、やはり物語ることの根本はそこなのかもしれないと思うのだ。
あの村上春樹さんですら、30年小説を書いてきて、まだまだ発展途上だと語っている。この言葉は、目が眩むような思いもするけれども、なにかしら勇気づけられる言葉でもある。
創作をするものはすべて、今日より明日、明日より明後日、もっともっと納得のいくものを作り出したいと願い続けるものなのだろう。私もかくありたいと願う。
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17人の創作者へのインタビューを収録した作品。本書で『物語』という言葉は広い意味で使われていて、小説家や漫画家に限らず、ヴァイオリニストやウェブデザイナーなど多様な人へのインタビューが行われている。素敵な言葉に溢れている。(長江貴士)
▼『ジセダイ』新刊140文字レビューより
http://ji-sedai.jp/special/140review/20111209.html
タイトルから期待される内容がズバリ書かれているわけではなく、ものづくりに携わる人のインタビュー集。荒木飛呂彦氏の「(自分が面白いと感じた作品を踏まえつつも)新しい表現を開拓して欲しいなと思います」などの言葉は刺激的だ。(竹村俊介)
▼『ジセダイ』新刊140文字レビューより
http://ji-sedai.jp/special/140review/20111222.html
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作家・漫画家・クリエイターの創作ノートとして興味深い。しかし橋本治の言葉にはいつも様々なヒントが隠されているなあ。
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作品に触れてみて、自分と親和性が高いと思った作家の言葉はやっぱり響く。
平野啓一郎さんのインタビューがとってもよかった。
世代的には私よりもひとまわりくらい上だけど、私たち世代を見て私が感じていることをしっかり言葉にしてくれているという感じ。
あと、諏訪内晶子さんの演奏聴きたくなりました。
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この本に出てくる人たちの仕事のアウトプットまでの過程や、社会に出てから現在に至るまでの道のりをみると、皆、迷いながら走り続けている。 そこに焦燥感を感じないのは、確固たる信念があるから。
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創作者の言葉。
自分とは違う世界を生きていると思わざるを得ない、思わされる考え方、感覚もあれば、ごく普通で共感できる感覚もあって、当然ながら人それぞれ。
だけれども創るものは優れた作品ばかりで、創作にはこれが正解ってのがないことを再確認させられ、どうやってそれらが作られるのかが垣間見えた気がする。
こうやってインタビューを並べてみると、同じマンガ家でも一週間の時間の使い方が違ったり、作画方法も正反対と思える部分があったりで面白いし、小説家はその人の作風というからしさがインタビューにも表れていて小説を読んでいるときのように引き込まれる瞬間があった。
創作者17人のインタビューをまとめたもので創作されているということもまた面白い。
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天才的なアーティストの方々の話。
ピアニスト…演奏を中止して学問をやった。
人生を支えるのは何ですか?
本(古典、哲学書)
学び続ける心
前に進んでいるという実感
目標設定(近くて小さな目標でもいい)
柔軟性を持っている、変わっていく
外のものに憧れを持つということ
支えられるということ
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作家や音楽家などへのインタビュー。
その人の取り組んでいる仕事や、個性も見えてくるから面白い。
例えば、村上春樹の翻訳の仕事と小説の仕事の関係性なんていうのは、こういうインタビューで考え方がよくわかる。
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小説家・マンガ家へのインタビューが多く、それらを目指す人には、具体的な作法へのヒントとしても、心構えとしても、多くを得られると思う。
全体を通して読んで、物を創る人の共通点は、「それ自体(小説家なら書くこと)が好き」「社会とのかかわりを常に見て考えている」ことだと感じた。
第一線で活躍している人が苦しんでたどり着いた「何か」を、肉声で聞ける良著。
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小説家・映画監督・漫画家・音楽プロデューサーなど、エンターテイメントを配信されている方々のインタビュー内容。どんなことを考えて作品を作っているのかを垣間見れた。伊坂さんは、今後も、チャレンジしながら執筆するといいことで次回作以降が気になるところ。
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ジョジョの著者の荒木先生のインタビューが載ってるとのことで購入しました。
結論として、物語を書いている職業の人たちの物語を書く際の考え方を学べる本なので、ストーリーを作ることに興味のある人にはよみものとしていいのかなと思います。
ただここに出てくる小説家や漫画家を知っていないと作品自体がわかないので、記事自体意味不明になってしまいます。
出てくる作品自体は20代前半の私にとっては、半分以上がわかりませんでした。
知っているのは、島耕作、クッキングパパ、ジョジョあたりだったと思います。
全体として、小説家、漫画家のインタビュー記事が中心で共通の質問をしてるわけではないので比較があまりできないのが残念なところです。