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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.10
- 出版社: 柊風舎
- サイズ:28cm/287p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-903530-53-6
- 国内送料無料
紙の本
世界の古代帝国歴史図鑑 大国の覇権と人々の暮らし
著者 トマス・ハリソン (編),本村 凌二 (日本語版監修),藤井 留美 (訳)
帝国の興亡、支配者たちの野望と苦悩、戦いの勝敗と敗者、帝国に暮らす人々の生活、芸術・建築における輝き…。古代世界を席捲した巨大帝国の姿を、250点余のカラー図版、地図や年...
世界の古代帝国歴史図鑑 大国の覇権と人々の暮らし
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商品説明
帝国の興亡、支配者たちの野望と苦悩、戦いの勝敗と敗者、帝国に暮らす人々の生活、芸術・建築における輝き…。古代世界を席捲した巨大帝国の姿を、250点余のカラー図版、地図や年表とともにわかりやすく解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
トマス・ハリソン
- 略歴
- 〈トマス・ハリソン〉リヴァプール大学古代史・古典考古学ラスボーン記念講座教授、考古学・古典・古エジプト学部長。
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紙の本
古代帝国の興亡に、現在・未来の世界を読み取る。
2012/02/04 12:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:書痴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
広大な領土を、専制君主が、軍隊と官僚組織を通して統治する。統治者の権威を顕示する巨大建築物、抑圧や暴力といった血なまぐさい悪いイメージを「帝国」に抱いていました。
読後、その先入観が、少なからず間違っていたことを、本書は証明しました。
扱われている領域は、エジプト、ヒッタイト、アッシリア・バビロニア、アケメネス朝ペルシャ、都市国家アテネ、アレクサンドロス(ヘレニズム)、ローマ、インド、そして中国の10ケ所です。
まず近現代史と比べ、古代世界は、発掘資料や文字資料など、歴史研究に関する情報の少なさから、長い事偏った見方がされていた事実を知りました。それは、残虐で野蛮なヒッタイトのイメージ、中近東や中国に興った専制帝国など、ヨーロッパを優越とみなす観点から眺めると、とりわけ顕著であり、本書は、ヨーロッパ文明の源流たるギリシャ・ローマにも、鋭い考察で読者を啓発させます。
民主制を標榜するアテナイが、デロス同盟を通じて同盟国を搾取する非民主的なからくりを指摘。またローマ帝国に支配されたユダヤ側からの資料として、『詩篇』を援用、「『森の猪がこれを食い荒らしています』。なぜ聖書はローマ人を猪や豚にたとえたのか?豚は横たわると、『私は清浄です』と言わんばかりにひづめの分かれた脚を伸ばす。邪悪なローマもさんざん略奪や収奪を働いておきながら、その法体系をひけらかすからだ」として、支配者側の都合のいい歴史に疑問を呈しています。当時の資料の発見で、刑事手続きに関して、拷問よりも文書記録に証拠能力の重きを置くなど、苛烈な法治国家のイメージがあった中国の秦に対しても、取調べの録画化が進む現代の日本社会にも関連、現代に続く中近東問題、宗教観の相違など、古代と現代は、単なる時間的に遠く隔てた、無意味な歴史のつながりだけではないことを知りました。
本書は、重厚な体裁と内容にふさわしい、歴史を再認識し、現在・未来を知る上で参考になる一冊だと思います。