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商品説明
NHK教育テレビ「ピタゴラスイッチ」や「2355/0655」を世に送り出し、東京藝術大学で教鞭をとる筆者が、日々の暮らしの中で、心の網にかかった物事を独自の学殖と考察で紐解いてゆく。【「BOOK」データベースの商品解説】
日々の暮らしの中で、心の網にかかった物事を独自の学殖と考察で紐解いてゆく。「敵か味方か」「おまわりさん10人に聞きました」など27篇を収録。『暮しの手帖』連載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
佐藤 雅彦
- 略歴
- 〈佐藤雅彦〉1954年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒業。東京藝術大学大学院映像研究科教授。NHK教育テレビ『ピタゴラスイッチ』などの企画・監修も手がける。著書に「毎月新聞」「差分」など。
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書店員レビュー
発行は約1年前ですが、…
文教堂 赤坂店さん
発行は約1年前ですが、私の職場(書店)の端で、ずっと売れ続けています。日々大量の新刊がなだれ込み、陳列が入れ替わっていくなか、これはなかなか珍しい事です。
著者の佐藤雅彦氏は、団子3兄弟やピタゴラスイッチでおなじみ。現在では、Eテレの0655と2355というコーナーの監修をしています。「0655」「2355」とは、番組が放送される時刻のこと。5分間ですが、ほっとしつつ、にんまりしてしまう映像と音楽。忙しい日々の始まりと終わりに、一呼吸つかせてくれます。
雑誌「暮らしの手帖」に連載されているエッセイをまとめたこの本は、その文章版といえます。ふつうとは違った物事のとらえ方が、著者の映像と音楽作品のように、心地よい、リズム感あふれる文章でつづられていきます。
例えばこんな話。ある日著者は、交差点で道を尋ねられている警官を見かけます。尋ねた本人の手持ちの地図では小さすぎてわかりにくそうです。すると、やおら帽子を脱ぎ、その中にしまわれていた地図を取り出し、広げて案内し始めたのです。警官が着用している、あたまが平たい帽子が地図の収納に適していたわけです。著者はこの創意工夫に好奇心を湧かせられ、他の警官の収納先も取材してしまう、「おまわりさん10人にききました」。
その他にも、船酔いを予防する奇想天外な方法を作り出した「船酔いしない方法」。ハングル表記の冷麺のつくり方を勝手に佐藤訳で解明する「想像料理法」、などなど。確かに世間一般にとって、考えるために立ち止まることはまずないようなことですが、著者にかかるとなぜかすごく楽しい。とるにたらないものでも、自分自身で考えれば、いかに人間的にいきいきとした時間を開拓できるかを、この本は教えてくれます。著者はその道の名人なのです。
現代社会に流通する情報の量は膨大ですが、日々その流れに翻弄されているだけだったりします。そんなときこの本を開き、わずか5・6ページのエッセイを読むだけで、読者自身の時間が流れ出し、あたまが整頓されていきます。考えが凝り固まったな、と思ったときにオススメです。
さらに、装丁も文字組もレイアウトもデザインが良く、目にしっくりとくるところも、読書の時間を心地よいものにしてくれています。
(評者:文教堂書店 赤坂店 石井義憲)
「考えの整頓」は雑誌...
ジュンク堂書店京都店さん
「考えの整頓」は雑誌暮しの手帖に2007年1月から2011年5月までに連載されたものに加筆されたものです。
[敵か味方か][板付きですか?]などは読んでいるうちに普段の思考の流れの中では閉じている回路が時々パッと開いて何かヒラメクような感覚を覚えます。[ふるいの実験]や[シラク・ドウチョテです]などは微笑みがとまりません。どの文章も心を温かくしてくれます。何気ない日常にたくさんの出来事と遭遇していることに気付かされます。日常を大切にしたいと思わせる一冊。この本の中でシラク・ド・ウチョテという暮しの手帖に棲む精が佐藤雅彦さんにお礼をのべていますが、私にもお礼を言わせて下さい。佐藤雅彦さん楽しい文章を本当にありがとうございます。
ジュンク堂書店京都店 芸術書担当S
紙の本
歩きながら考えてみる
2011/11/29 12:13
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:arayotto - この投稿者のレビュー一覧を見る
雑誌「暮らしの手帖」に連載されていた27篇のエッセイ(というか考え方)。
著者・佐藤雅彦さんの対象の捉え方、思考・分析の妙にはいつもいつも惚れ惚れします。
両手がふさがっているなか、地図を持ち歩くにはどうすればいいか。道を教えるおまわりさんの姿から導きだされる、その創意と工夫の発見を綴った「おまわりさん10人に聞きました」
蓋の蝶番の近くにある小さな針金を手で押さえることによって、オルゴールは蓋が閉まっていると思い込んで音を鳴らさない「〜と、オルゴールは思い込む」
読者を次々とふるいにかけながらも、該当しない読者をも最後まで読まざるを得ない思いにさせる「ふるいの実験」は、ミステリーを読んでいるような巧妙さを感じました。
最後の一篇「その時」。
東日本大震災のその時を題材にとりながらも、1854年の東海大地震で被災した著者地元の、その出来事の伝え方を紹介しています。悲惨な出来事をありのままに伝えていくのではなく、地元への誇りへと転換させたその伝え方には、感動さえ覚えました。
普段暮らしていて、何だろう、変だな、面白いな、と感じることがよくあります。
私を含め多くの人は、その違和感や関心をほんの一瞬のものだけで終わらせてしまっています。
それは日常の出来事だけではありません。テレビや活字メディア、ネットからの情報にも疑問や興味、関心を多く抱きながらも、それらへの引っかかりは、ほんの一瞬で終わってしまっています。
それについて考えている間に、次々と新しい情報が押し寄せてくるからです。
考えている暇なんてない。次なる情報をインプットしなくては、の強迫観念が支配しているからです。
この一冊を読んで、そんな生活スタイルを改めようと思いました。消化不良のまま貯まりに貯まったいくつかの出来事をもう一度考えなおしてみようと。
あとがきのタイトルは、「歩きながら考える」でした。そのなかで「暮らしの手帖」編集長がこう語っています。
「この文章には、ものごとの輪郭を辿っていく面白さがあります。突然ものごとの核心に行くのではなく、その輪郭を歩きながら、考えていることを文章にしているように感じます」
そうなのかもしれません。そうそう簡単に考えがまとまり、結論が出るとは限りません。
ゆっくりゆっくり歩きながら考えていく。
回り道かもしれませんが、案外それが、自分なりの結論への近道なのかもしれません。そう感じた一冊です。
紙の本
脳の知的な側面を活性化させてくれる良書
2021/11/24 18:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:穴部 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピタゴラスイッチの生みの親なだけあって、エッセイも普段は使わないような思考回路を快く刺激してくれた。アイデアは日常の中の些細で不可解な出来事に気付き、思考を巡らせることで生まれやすくなるのだと実感した。