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グイン・サーガ・ワールド グイン・サーガ続篇プロジェクト 2 (ハヤカワ文庫 JA)
未完におわった大河ロマン「グイン・サーガ」の続篇を書き継いでいこうとするプロジェクト第2弾。外伝連載第2回、「星降る草原」では幼いスカールが草原の王子として登場、「リアー...
グイン・サーガ・ワールド グイン・サーガ続篇プロジェクト 2 (ハヤカワ文庫 JA)
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商品説明
未完におわった大河ロマン「グイン・サーガ」の続篇を書き継いでいこうとするプロジェクト第2弾。外伝連載第2回、「星降る草原」では幼いスカールが草原の王子として登場、「リアード武侠傳奇・伝」はスノフェラスのさらなる深奥が描かれ、「宿命の宝冠」では王家をめぐる陰謀が徐々に明らかに。遺稿「氷惑星再び」は、「グイン・サーガ」の原型となった「氷惑星の戦士」の続篇。中島梓の内面に迫るエッセイ、日記。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
氷惑星再び | 栗本薫 著 | 5−45 |
---|---|---|
星降る草原 連載第2回 | 久美沙織 著 | 47−124 |
リアード武俠傳奇・伝 連載第2回 | 牧野修 著 | 125−198 |
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やはり続編はむずかしい。遺稿集も悲しい。
2011/09/19 19:02
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
グイン・サーガの続編プロジェクト第2弾です。
今回も栗本薫の遺稿というか未発表・未完小説が巻頭に収められています。1巻もそうだったので、このままあと2冊、実は遺稿がまだ出てくるのかもしれません。ならば、遺稿集でも出せば良かったようにも思いますが、そうしないのがこのプロジェクトの意味なのかもしれません。
そして1巻から続く、「外伝」が3作収められています。別に悪意はありませんが、久美沙織の作品『星降る草原』が一番読みにくく、またグイン・サーガからは遠い感じがします。草原の民を描こうとしているようですが、なんか違うぞと思いますし、文体も少しくどさが目立ちます。
牧野修『リアー度武侠傳奇・伝』は、外伝とは言いながらこれも変化球勝負で、ややこしい設定を外してしまえば、もっと楽しめるのではないかと思います。
一番栗本「グイン・サーガ」の雰囲気に近いのが宵野ゆめ『宿命の宝冠』でしょう。しかし、それは裏を返せば一番作家の個性が出ていないということにもなります。
いずれにせよ、有名すぎる物語を書き継ごうという心意気には見習うべきものがあります。最後まで読みとおしてみたいですね。
同じく賛否両論があったそうなのが、栗本・中島の日記と、夫・今岡清のエッセイです。
日記はかなり抜粋してあるため、最初の日付を確認しておかないといつ頃栗本が書いたものなのかわからなくなり、変な誤解をしてしまいそうです。この巻には栗本・中島が「人格障害」と呼んでいた自身の人格について書かれた日記が載せられています。これを読む限りでは精神医学でいう「人格障害」とは少々違うようにも思いますが、彼女の中でうまく折り合いをつけることができなかったパーソナリティの側面があったのだろうということはわかりました。それがあったからこそ小説家になったのかもしれませんし、そんな葛藤も持たないで生きている私たちはやはりクリエーターにはなれないのだと、思わず思ってしまいました。
夫・今岡のエッセイは、第1巻では少々悲しくなる気分でしたが、今回は前回の続きといった側面があり、本当に彼が書きたい(けれど書きたくない)妻の話は次巻以降といった感じです。
それなりに楽しめる1冊ではあるし、読み終えてしまうと早く次巻が出ないものかと思ってしまうところからするとこのプロジェクトは成功しているとは言えるのでしょう。
しかし、やはり本家ではないし、本家の隠されていた部分が明るみに出てきてしまうという、何ともやりきれないプロジェクトでもあります。
と言いながら、第3弾を待っているんですけどね。