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読んで良かった。第21節が強烈だった。悲しくて涙が止まらなかった。
図書館に置いてある本の最初の読者になれた幸運と、それがこの本であって、
とても面白くって、元気になれて、良かった。運が良くって良かった。
装画が奇麗。頁の手触りが優しい。それだけで朗らかな気分になっていては
いけない。
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開拓時代のアメリカ。希望に燃えてモンタナに入植した孤児ハティだったが、土地を自分のものにするために、とてつもなく高いハードルがあることを知る。近所の人たちに助けられながら、ハティはくじけずに一歩一歩進むのだが…。
人との繋がり、あきらめない強さ、ちょっぴり恋も交えて、ハティの生き生きとした語り口が楽しい。
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第一次世界大戦が始まった頃の物語、なのに『大草原の小さな家』を思わせる開拓の風景。それも開拓者は16歳の女の子一人!
その女の子が個性的な近所の人々に助けられながら自分の家を手に入れるために奮闘する様子は、過酷な自然を相手にそんなにうまく行くわけはない、と思いつつもエールを送りたくなる。タフでけなげな主人公ハティを始め、つらい暮しの中にもユーモアを忘れない人たちの姿にこちらも笑い、じぃんとくる。甘いだけに終わらないラストもいいと思う。
また、戦時下、敵国であるドイツ出身者を偏ったナショナリズムで攻撃する場面などは現代に通じるものを思わせて腹立たしい。
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ハティは叔父の遺志を継ぎ、遺された東京ドーム3つ分の土地を開墾することになる。19世紀のアメリカ西部で、16歳の少女がたったひとりで。入植者との温かいふれあいの中で、孤児だったハティは自分の居場所を見つけるが・・・。困難にうちのめされても、前を向き続けるハティのひたむきに勇気づけられます。
岩見沢市立図書館・お勧め本紹介(11月26日更新)より引用。
http://lib.city.iwamizawa.hokkaido.jp/
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舞台はアメリカ。ある日、孤児のハティに届いたおじさんからの一通の手紙。「モンタナの320エーカーの土地が全ておまえのものになる」ハティは相続条件を満たすため一人開拓地へ向かい…。厳しい寒さや労働の日々、土地を耕し開墾する苦労が手に取るように伝わってきました。そこへお金の問題や戦争(反ドイツ感情)が生じ、暮らしはさらに厳しいものとなってきます。けれど、隣人やハティの大らかな心(ユーモアで笑い飛ばす態度など)がこの物語に気持ちの良い風を吹き込んでくれます。淡く優しい恋心や愉快な手紙、笑い話になるような大ピンチ。生き場所を自分の力で作っていく16歳のハティに元気をもらいました。甘いだけではないラストは意外ですが、何ともいえない満足感がありました。何か大きく時間のかかる問題が起こったときはハティのことを思い出そう…。
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少女がまったく見知らぬ土地で、隣人の助けを借りつつも、たった一人で柵作りと農業、畜産をして、入植者になろうとする物語。
アメリカの厳しい自然の描写が凄い。
寒さもひどいなら、暑さや雹まで凄い。
まったく新しい土地で暮らしはじめるハティと一緒に、自分も新しい生活をはじめた気持ちになって、楽しく読むことができた。
開拓、入植者、というものがこれほとに過酷だったとは知らなかった。
ハティやペリリーたち隣人たちがみんな、自分の友達のように思えて、ラストは寂しくなった。
厳しい自然も、戦時下の困難な情勢も、みんなが協力してささえあう土台となり、ハティは本当に自分が欲しかったのは、自尊心や仲間、家族だったとわかったのではないかな。
ところどころ、名文があり、いい本だった。
訳者のあとがきがネタバレで、ちょっと残念。
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西部開拓時代。身寄りのない16歳のハティは、おじさんの遺言により、たったひとりでモンタナの地へ。厳しい条件をクリアして農場主になるべく、奮闘する。
もう二度と「根なし草ハティ」になりたくない。自分の居場所、家族を持つことへの憧れを胸に、過酷ともいえるモンタナでの暮らしを乗り越えようとするハティの姿に引き込まれた。戦地にいる初恋の相手への手紙や、ドイツ人であるために排斥されていく隣人の状況は戦争の様子を伝えるし、ハティの農場ぐらしの様子はきちんと取材されていてリアル。
この小説を書きあげた著者は図書館の相互貸借を駆使して資料を集めたそうであるが、そのことにも感銘を受けた。
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80点。いやあ、本当はもっと評価してもいいんだろうけどさあ。結局ハティが夢破れて農場を去るオチがどうしても納得いかないのでこの点数。フィクションなんだから、もう少し夢を見させてくれてもいいんじゃないかと思う。(つづきはまた今度)
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手に入れることができなかったもの。
失ったもの。
どちらもとても大きかった。
しかし、得たものもまた、すごく大きい。
スペイン風邪が憎いですね。
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当時の開拓者たちの生活の過酷さが伝わります。寒さ、暑さ、腰痛などなど。ハティのまっすぐさがいいです。
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1862年にアメリカで成立した法律、ホームステッド法。
これは、アメリカ西部の未開拓の土地を、特定の条件を満たした者に無償で払い下げる、というものだ。
この物語の主人公、ハティは16才でたった1人でこの大仕事に立ち向かうことになる。
残り10ヶ月で最低40エーカーの土地を耕して作物を植え、480本の杭を打たなければならないのだ。
厳しい気候、貧しさ、作物をダメにする害虫や天候への心配…。じわじわとやってくる戦争の波。
困難は次から次へとやってくる。でも素晴らしい隣人のお陰で一つ一つやり遂げていく。
物語の終盤でそこにいるのは、天涯孤独のかよわい女の子ではなく、居場所を見つけた強く美しい女性でした。
あとがきによると、著者の曾祖母ーもう一人のハティもたった1人で入植し、見事成功させたとのこと。
その生きる力の強さにただただ脱帽です。
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孤児の少女ハティは、会ったことのないおじさんから、死後に土地を譲るという手紙をもらい、早速その土地に向かいます。
しかし、問題の土地は開拓途中で、本当にハティのものにするには、柵をめぐらせたり、家を作ったり、農業をしたり、お金を払ったり……とやるべきことがありました。
それでも、孤児であるが故に「根無し草」と言われてきたハティは、自分の土地、自分の家を手に入れるため、冬の極寒に耐えつつ、作業を開始します。
よき隣人に支えられ、失敗しつつも日々をなんとか過ごしていくハティですが、第一次大戦のために、ドイツ人の夫を持つ隣人が差別されたり、彼女たちと仲良くするハティも嫌がらせを受けます。
戦争のためのお金を半ば無理矢理取られ、酷暑のために収穫も思うようにいかず、有力者から土地の権利を譲るよう迫られたりもします。
それでも、自分自身のため、現実に負けずに立ち向かっていくハティの強さに深く感動しました。
終わり方は予想外でしたが、これもまたありなのかな、と思います。
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YAは他の児童書と比べると読むのに時間がかかるだけに、ハズレの場合、怒りも倍増するのだが、これはYAにしては久々に良かった。
第一次世界大戦中のアメリカで、16歳の孤児の女の子が叔父から残された土地を、一人開拓する物語。親切な隣人が敵国のドイツ出身であるだけで、差別と非難にさらされるというのは、実際あったそうで、第二次世界大戦のときの日本人移民のことを考えるとさもありなんという気がする。自由と平等の国を標榜しながら、何度もこういうことが(戦争になると)起きるということは、しっかり覚えておいた方がいい。戦争中に愛国の名のもとに起きる人権蹂躙は、日本にもずいぶんあったわけだから。
主人公の敵とも言える地主の息子が魅力的で、あわや恋愛に発展するか・・・というハラハラ感、そして、その収め方もとてもいい。
なにより主人公が男や周囲に甘えず、敗北も受け入れるところに好感をもった。主人公の友人の女性たちもとても魅力的。
変に扇情的な大人の小説を読む前に、こういうしっかりした小説を小学校高学年から中学生の女の子にぜひ読んでほしい。
木内達郎の絵、大好きなのだが、この表紙も物語のイメージを広げる、いい絵だ。ヒゲちゃんも描いてあれば言うことなしだったんだけど。
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孤児で親戚中をたらい回しにされて育ったハティは16歳のとき、たった1人で伯父が残した土地を引き継ぎ開拓することになります。戦争や差別、自然と闘いながらも周りの人と助け合いながら頑張るハティの姿に胸を打たれます。
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主人公のハティは両親を幼い頃に亡くし、親戚の家をたらいまわしにされ育つ。1918年、16歳の時、叔父さんから西部の土地の借地権を譲り受ける。
『根なし草のハティ』が自分のほんとうの居場所を求め、単身西部開拓へと向かう話。
1月のモンタナは極寒の冬。春はどこもかもぬかるみだらけ。夏は茹だるような暑さ。そんな厳しい環境の中で初めての独り暮らし、農作業…さらに雹の被害、叔父さんが残した借金があった…。
辛い開拓の暗い話のようだが、ハティ自身とハティを取り巻く人たちの、ユーモアのセンス、明るさ、そして友情で一つ一つ乗り切っていく。
しかし現実は厳しい。ハティは条件を満たすことができずに土地取得は叶わなかった。
けれどハティは決して失望はしていない。『輝かしき挫折』と表現するように土地は得られなかったが、大平原で過ごした日々が心に希望を焼き付けてくれた。
今年よりも来年はもっとよくなると信じる心を持つ強さを得た。
ハティは自分の心と出会った人々の心の中に自分の居場所を見つけることで、根なし草ではなくなった。
そして最も大切なこと、『人生の主導権を握る』の価値を知った。
自分の人生の主導権を人に預けない!なんてすごい言葉なんだろう。