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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.6
- 出版社: 宝島社
- サイズ:18cm/223p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7966-8342-5
紙の本
震災恐慌! 経済無策で恐慌が来る!
関東大震災後には昭和恐慌が、阪神・淡路大震災後には戦後初のデフレ不況が襲った。震災後には大不況がくる! 日本経済をとことん知るふたりの論客が、増税と金融引き締めに警鐘を鳴...
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商品説明
関東大震災後には昭和恐慌が、阪神・淡路大震災後には戦後初のデフレ不況が襲った。震災後には大不況がくる! 日本経済をとことん知るふたりの論客が、増税と金融引き締めに警鐘を鳴らす。〔「「復興増税」亡国論」(2012年刊)に改題改訂〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田中 秀臣
- 略歴
- 〈田中秀臣〉1961年生まれ。上武大学ビジネス情報学部教授。社会資本整備審議会委員、デフレ脱却国民会議呼びかけ人。
〈上念司〉1969年生まれ。経済評論家・勝間和代と株式会社「監査と分析」を設立。
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紙の本
筆者の言う「最悪のシナリオ」が演じられている
2011/10/04 03:58
8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災から半年以上が過ぎ、ようやく復興に向けての国の財政的支援方策が揃い始めてきた。
この緊急事態に、本当に緊急的な対応がなされず、ここまで時期的にもずれ込んできていること自体がすでに失政と言えるのであるが、その財政方策の中身自体もかなりの失政モノのようだ。
震災後、時を経ずに書かれた本書であり、もちろん、国の方策が全く見えない時点での執筆であることを考慮して、本書が示す「復興対策の財源に関する今後考えられるシナリオ」を見てみる。
『1つは、財源を復興増税という名目で、増税によってまかなう方法。
2つめは、政府が復興国債を発行して民間から資金を集める方法。
3つめは、復興国債を政府が発行して、それをそのまま日銀にお金を刷らせて、直接買い取らせ、それを財源としてまかなうという方法です。
この中で最悪の対応策は、日銀が1円も刷らず、というかむしろ引き締め政策によって市中からお金を吸収してしまい、さらに政府が復興費用の全額分(20兆円近く)の増税をするというシナリオです。』
その後、実際に政府が選んだ方策は、ここで筆者が最悪のシナリオと言ったものにかなり近いと言えるのではないか。
政府はいま、今後の復興に要する費用のかなりの部分を増税により賄おうとしている。それも、“国民全員での痛み分け”に近い形の広い範囲での増税によってである。
かなりの部分と書いた。確かに政府が示す案では、筆者の最悪のシナリオにあるような“全額分”ではない。それでは残った額はどうするのか。政府は他から流用するという。
ここでも、筆者は本書で明確に示している。
『プロでないとわからないような、普通の人だったら「まあ仕方ないよね」と思ってしまうような実質増税をやっていく可能性があります。気づいたら、給料明細が減っているなと思うような・・・。』
高速道路無料化見直しや、子供手当ての見直しによる予算流用は、決して政府が“頑張って”確保したような予算ではない。これらは結局、国民の負担が増えることになるので実質増税と言えるのである。
こんな時期なんだから、国民全員で痛みを分かちあわないと、みんなで負担するのもやむを得ない。
そんな声に、なんとなくうなずいて納得してしまっている国民も多くいるはず。
しかし違うのだ。痛みを分かちあう必要があることも理解できる。国をあげて復興に向かうべきとの精神論もこの際、理解できる。しかし、今の国のやり方は違うのだ。これでは、被災地のためにならないばかりでなく、日本全体を衰退させてしまう。
その理由を筆者は書く。
『それが日本経済に、どんな影響を及ぼすかというと、日銀の金融引き締めと政府の増税が始まるわけですから、世の中の消費が激しく減少し、デフレが今以上に深刻化して、企業倒産や大量失業などの問題が発生することが予想されます。』
日本全体が衰退してしまっては、今後、東日本の復興に回せる力は、本当に精神しか残らない。仙人でない我々は、気持ちだけでは何も動かせない。
どこから、復興に要する予算を調達するべきか。もっと様々な立場の人でしっかり議論がなされるべきである。