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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.4
- 出版社: 朝日新聞出版
- サイズ:19cm/173p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-02-330898-5
紙の本
おかしな本棚
ある日の本棚、金曜日の夜の本棚、頭を真っ白にするための本棚…。多くの本好きやデザイナーが注目するクラフト・エヴィング商會の書庫を公開。実物を手に取りたくなる、異色のブック...
おかしな本棚
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商品説明
ある日の本棚、金曜日の夜の本棚、頭を真っ白にするための本棚…。多くの本好きやデザイナーが注目するクラフト・エヴィング商會の書庫を公開。実物を手に取りたくなる、異色のブックガイド。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
本好き、本棚好きには、たまらない本!
2012/01/11 15:23
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本棚に本を並べるのが、とても好きだ。
そうして、自分なりに並べ方があって、この本の横はやっぱりこの本、そして次はこれ!…と並べていき、その本の並び、自分だけの納得の並びを見ると、嬉しくなる。
これって私だけじゃないですよね。きっと、もう一人か二人くらい、そんな人、いますよね。そう思っていたところに、なんと、ここにいらっしゃいました!(^-^)(^-^)
なんというか、私は最初の「終わらない本棚」のところを読みながら、嬉しくてたまらなくなりました。
ちょっと長いけれど引いてみますね。
「これは本棚の本です。本の本ではなく、本棚についての、本棚をめぐる、本棚のあれこれを考える本。
あるとき、どうも自分は本が好きなのではなく~いや、もちろん、本も好きなのですが~本当に好きなのは本をおさめた本棚や本立ての方ではないかと気がついた。そこに本が並んでいるということ。一冊ではなく、二冊、三冊と背中を並べていること。その並びが、どんなふうに並んでいるのか、どの本とどの本が隣り合わせになっているのか~」
もう、感激です!
この本には、いろんな本棚が紹介されています。
たとえば、森の奥の本棚、年齢のある本棚、変身する本棚、頭を真っ白にするための本棚。それぞれの本棚には、その本棚の名前にふさわしい本が整然と並び、その背表紙の写真がずらりと紹介されています。
本棚好きの私にとっては、もうそれは大変です。(●^o^●)一冊一冊、背表紙を食い入るように見て、ふむふむと大満足。知っている本も知らない本も、なんだか親しみが湧いてきて…。それは、やはり本を並べる人がクラフト・エヴィング商會だからにほかなりません。吉田篤弘さんの本を読んで、ファンになった人なら、誰だって同じ気持ちになるはず、です。
で、私は本の背中を読んでいる最中に、思わず叫んでしました!えっっっ、先日手放したばかりのあの本が並んでいる!!!!
寝しなの本棚で並んでいた「きりんのまだら」(平田森三 中央公論社)です。去年の秋に参加した一箱古本市で、自分の箱に並べ、売れた本でした。実はこの本、かれこれ30数年持っていた思い入れが深い本。なにを思ったか、売りだして、売れちゃったのです。
人それぞれ、思い出の本があるでしょう。
本の数だけ思い出って存在するのでしょうね。
次から次への本の背中を見ながら、あれこれ思いだしたり、無性に本が読みたくなったり…。
本好きには、本棚好きには、たまらない一冊です!
紙の本
他人さまの本棚を覗かせてもらうのは、とても楽しいのですが、同じタイトル文庫本の反違いが沢山あるさまには驚き。それにしても読んだことも、書店で見たこともないような本がいっぱいだ・・・
2012/02/26 19:52
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯は本のカバーの下半分、白地の部分と同じ巾で、ほぼ同じデザインで、著者名が横書きから縦書きに変わっているだけ。で、あいたスペースに
背中が語る
とっておきの
本の話
とあります。普通なら自分たちが装幀した本の背中をびっしり並べるところだし、私ならそうするのですが、そういう常識的な手法をクラフト・エヴィング商會はとりません。本の白い無地の背中を、びっしりではなく左右にアキをとって緩やかに並べる。そしてアキの部分の漆黒の闇はそのまま背中のほうに廻っていって、カバーの後は黒地に林檎が一つポツンと置かれている。で、背中の文字の入り方がこれ、実に美しい・・・
ちなみに、無地の白い本は、本文の「頭を真っ白にするための本棚」の中に言及あります。
*
そういえば、この棚には背中の真っ白な本が何冊かある。これは束見本といって、本をつくる際の立体設計図のようなものだ。この真っ白な本(中身もすべて白紙です)を前にして、装幀を考案し、ときには、絵を描いたり文章を書いたりする。酒になる前の水のような本です。
*
ともかく、クラフト・エヴィング商會の本棚と我が家の本棚では、全くと言っていいほど共通点がありません。無論、クラフト・エヴィング商會の仕事の関係もあるでしょうし、吉田が作家であるということも関係しているかもしれません。その両方が面白い形で現れたのが「変身する本棚」です。ま、ここまでくると十円玉を発行年別に集めるような感覚でしょうか。
それと植草甚一です。植草本については我が家にも何冊かありますが、今も読み返したいと思う数少ない作家? の一人です。それにしても本というのは美しいものです。こうしてみれば、本は中身であって、電子書籍こそが本の未来形である、というのがいかに薄っぺらな考えであるかが分かります。しかし、こうしてある意図のもとに書棚を並べ直してみる、というのは面白い作業で、その棚についての解説を読めば、クラフト・エヴィング商會の楽しさがよくわかります。
なかでも羨ましいと思ったのが、実際に仕事を通じて作家さんたちと付き合い始めるところ。「兄の本棚・弟の本棚」、吉田弘美 吉田篤弘はともに一人っ子なので、実際には姉妹はいません。でも、仕事を通じて兄、姉、妹といっていい人たちと親交を ます。坪内祐三、岸本佐知子、この二人は後に、吉田と同じ赤堤小学校の先輩であることがわかります。そして三浦しおん。そして小川洋子。仕事だけではなくプライベートでも行き来があるというのが羨ましい・・・
ちなみに装幀は、吉田弘美 吉田篤弘[クラフト・エヴィング商會]、写真は坂本真典。目次と、その書棚の中で興味を持ったものをあげさせてもらいました。ついでに一言も・・・
終わらない本棚
*
ある日の本棚:本は読めないものだから心配するな、山東京伝全集、阿蘭陀すてれん(都筑)、デカルトの骨
森の奥の本棚:渡辺一夫著作集、温泉、土星の環、渡り歩き、リヒテル
金曜日の夜の本棚:ぼくは散歩と雑学が好きだった、猫を抱いて象と泳ぐ、スコッチと銭湯、わたしのマトカ
美しく年老いた本棚:京都史話、種の種、お茶漬けの味、ガルガンチュワ大年代記
年齢のある本棚:東海道四谷怪談、むかしの仲間、魔都、踊る地平線、小説ドラマ、ナンセンス詩人の肖像
蜂の巣のある本棚:ルネサンス巷談集、青い花、浮城物語、蜜の本質について、蜜蜂盗人、蜂國志
遠ざかる本棚:ZZZ、フィネガン徹夜祭、幽霊、Finnegans Wake、来るべき書物
見知らぬ本棚:テスケレ、不可思議術、二十五鬼物語、窓の内外、ヴェネツィアの宿、小川香料時報
波打ち際の本棚:吉野太夫、無名氏の手記、月刊ポエム 特集つげ義春、すぐそこの遠い場所、日本三大洋食考
変身する本棚:変身・・・同じ文庫の版による微妙な違い
兄の本棚・弟の本棚:慶応三年生まれ七人の旋毛曲がり、エドウィン・マルハウス、沈黙博物館
頭を真っ白にするための本棚:糖尿病S氏の豊かな食卓、神戸・続神戸・俳愚伝、ロマン・コンティネ
ただひとつだけの本棚:床の間、結婚、ヴァイオリン、時計、夢、ピカソ、伝説・・・短いタイトル・・・
しみじみとする本棚:迷子論、郊外へ、佐々木マキ作品集、わいらの新開地、さまざまな空間・・・わいらの新開地、ってこれ右の本と同じ?
いつまでも読んでいたい本棚:ブック・カーニバル、パリ左岸のピアノ工房、Diary Peter Beard
うるわしい本棚:軽い機敏な仔猫何匹いるか 土屋耕一回文集、完本 茶話、チェーホフの思い出
装幀した本棚:翻訳文学ブックカフェ、事物はじまりの物語、叙情と闘争、言葉の流星群、影の外に出る・・・どれも素敵
いつの日かの本棚:コミック 文体練習、雨降りだからミステリでも勉強しよう、チャペック兄弟とチェコ・アヴァンギャルド
おしてもだめなら:日本語にまつわる小さな疑問を掌編で・・・
Bookend 1 読まない。:私も仲間に入りたいけど、『罪と罰』読んでるし・・・
*
読めない本棚:小村雪岱画譜、78、本ですが、オレはただの石ころじゃない、世界なんて、まだ終わらないというのに
ロンリー・ハーツ読書倶楽部の本棚:バットマンになる!、俺は知ってる、おまえは世界の王様か!屋根裏の独白
吉田篤弘の本棚:百鼠、パロール・ジュレと紙屑の都、小さな男・静かな声、圏外へ、フィンガーボウルの話の続き
クラフト・エヴィング商會の本棚:クラウド コレクター、アナ・トレントの鞄、夜に猫が身をひそめるところ
*
CLOUDS NOTE:日記で、これを読むと吉田の才能がよくわかる。出る人はかならず何かを持っている・・・
Bookend 2 書かない。:原稿用紙を使わなくなった・・・
買えなかった本棚:充ち足りた死者たち、象のあくび、The PASSPORT
寝しなの本棚:見世物研究、明治東京風俗事典、キリンのまだら、東京スケッチ散歩、あたりまえのこと
静かな本棚:ヴェネツィア暮し、泥沼ウォーカー、おじいちゃんの封筒
返しそびれた本棚:いつも夢中になったり飽きてしまったり、LITTLE NEMO IN SLUMBERLAND
声が聞こえる本棚:向田邦子の青春、人生のほんとう、仕事!
失われた本棚:梨?
はじまりの本棚:ほらふき男爵
紙の本
わたしだけの本棚は本好きにとって究極の趣味
2011/08/22 12:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
クラフト・エヴィング商會の本棚公開。
とはいっても、そこはクラフト・エヴィング。
「森の奥の本棚」「金曜日の夜の本棚」
「遠ざかる本棚」「波打ち際の本棚」……と
ちょっとかわった棚です。
目次を見ると意味深で、ワクワクします。
ページをめくっていくと本棚の世界にクラクラします。
こんな本があるのか!
と同時に、こんな本棚を作るのが夢だ!
例えば「寝しなの本棚」には
絶対に「ジーヴズシリーズ」を入れたいし
「いつまでも読んでいたい本棚」には
池澤夏樹や宮部みゆきを置きたい。
深町眞理子や岸本佐和子の翻訳本もいいな。
本棚では、本は主に背表紙だけしか見えないのですが
そのたたずまいの美しさ。
フォント、カラー、デザイン、紙質。
それらによって選ぶ本がどれほど左右されるかを
改めて感じました。
また言葉遊びのような短編集、
クラフト・エヴィング商會の創作秘話のような
「クラウドコレクターのためのノウト」と
本棚を離れたページもあり、たっぷり楽しめます。