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- カテゴリ:一般
- 発売日:2011/05/02
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/690p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-380470-5
- 国内送料無料
紙の本
アンダー・ザ・ドーム 上
メイン州の小さな町チェスターズミル。人口およそ二〇〇〇人。その町は突如、透明の障壁に囲まれた。上方は高空に達し、下方は地下深くまで及ぶ。“ドーム”と呼ばれるようになった障...
アンダー・ザ・ドーム 上
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商品説明
メイン州の小さな町チェスターズミル。人口およそ二〇〇〇人。その町は突如、透明の障壁に囲まれた。上方は高空に達し、下方は地下深くまで及ぶ。“ドーム”と呼ばれるようになった障壁は、わずかな空気と水と電波を通すのみ。パニックのなかで、命を落とす者が連続する。そこで動き出すのは町を牛耳る男ビッグ・ジム・レニー。警察力を掌握したビッグ・ジムは混乱に乗じて恐怖政治を開始した。“ドーム”のなかで一触即発の内圧が高まりはじめる—。アクセル踏みっぱなしの小説を書く—そう決意して、“恐怖の帝王”キングが、その才能と筆力のすべテを恐怖と緊迫のために叩き込み、全一四〇〇ページを一気に駆け抜ける。巨匠の新たなる代表作、誕生。【「BOOK」データベースの商品解説】
ある小さな町が突如透明のドームに囚われた! 脱出不能、破壊不能、原因不明のパニックのなかで、命を落とす者が連続。警察力を掌握し町を牛耳る男ビッグ・ジムは、混乱に乗じて恐怖政治を開始する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
スティーヴン・キング
- 略歴
- 〈スティーヴン・キング〉1947年アメリカ生まれ。作家。恐怖小説をアクチュアルな現代小説に再生した「モダン・ホラー」の巨匠。著書に「ミザリー」「グリーン・マイル」など。
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紙の本
ビッグ・ジム・レニー、こういう男って今でも日本の地方にかにいくと、いるんでしょうねえ。昔の憲兵、特高、いやそれより悪いかもしれない。ようするに私利私欲しかないんだから。たしかに、地方にはいます、こういうオヤジ・・・
2012/02/07 22:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いかにも藤田新策らしい絵ですが、ちょっと疑問が。まず、ドームの中は外部よりも透過性の関係で薄暗くなるはずなので、内部が外より明るく描かれているのは間違いで、暗くしてもよかったのではないでしょうか。それとドームですが、円形というよりはもっと高さがある縦楕円のようなイメージの方が正しいのではないでしょうか。ドームの厚み、もっと分厚い気がします。 そしてドーム周辺には鳥や生き物の死骸があってもいいのでは?
あまり藤田の絵に疑問を思ったことはないのですが、今回は偶々いろいろ気になる点がありました。でも、総体的に好きな装幀です。特にこの造本は好き。正直、この頁数になるとハードカバーでないほうがいいかな、って思うんです。紙の撓り具合も悪くないし。理由はいろいいろあったでしょうが、過去にとらわれず、軽装本にした装幀の石崎健太郎に拍手です。
それにしても分厚いです。上巻690頁、下巻687頁。これをワンアイデアで乗り切るっていうんだから、キング、エライです。ま、パニックものなんて、それが基本ではあるんでしょうけど立派。ま、アイデアは一つでもたくさんの人が登場して、危機に乗じて自分の野望を果たそうなんていう人間までいるんですから、単調どころか賑やかです。
しかし、ビッグ・ジム・レニー、ワルです。キングの本には毎回いやらしい男が出てきますが、それにしてもこの男の傍若無人ぶりは凄いです。この小説は彼無くしては成り立ちえない、本物のワル。しかも、だます、ダマス、騙す。町を牛耳るなんていうのは朝飯前、邪魔な人間は平然と殺す。で、その血は息子のジュニア・レニーにも流れていて、しかも狂っています。
狂人二人が手にするのは権力です。特に、二人は事実上、警察権力を握ってしまう。町の委員であるビッグ・ジム・レニーは警察を陰で動かし、精神を病んだ息子を特別警察官にしてしまいます。この恐怖政治は、しかし表面上はなにも起こしません。事件は常に隠ぺいされ、それが表面化しそうになるとスケープ・ゴートが用意されます。
それがデイル・バーバラ(バービー)、メイン州の小さな町チェスターズミルに来て間もない、食堂〈スイートブライアー・ローズ〉のコックです。元アメリカ軍兵士で、30男という表現が文中にありますが、何歳とは明記されていません。人形のような名前のこの男、実は軍人としてはかなり優秀だったらしく、それは事件の進展とともに明らかにされていきます。
透明な〈ドーム〉に覆われ、外との交通が遮断され物資の搬入もなくなり、危機に陥るチェスターズミル。住民は忍び寄る恐怖の支配には全く気付くこともなく、ただただ混乱し、ドームに激突したり、近寄ることで起きる障害で命を落としていきます。バービーを信じるもの、ビッグ・ジムの側に着くもの、そしてそのようなことには一切関知しないでただただ右往左往する人々、彼らが描き出す地獄絵図をとくとご覧ください。
ちなみに、登場人物はバービーも含めて、決して賢明ではありません。自ら判断して罠に飛び込み、そのまま捉えられたり、命を失ったり、不必要な犯罪に手を染めたり。いくらなんでも、その選択はしないでしょ、と思うようなこともしてしまいます。なんでそんなことを、愚かな、と切歯扼腕しながらの1400頁、あなたは無事に読み通せるか?
私のお気に入りは、“スケアクロウ”・ジョー・マクラッチーという13歳の天才少年と、ドームの外にいて、中の人々の苦しみを我がことのように受け止めるクリント・エイムズ陸軍二等兵でしょうか。片や頭脳で、片や心でこの不思議な現象に立ち向かっていきます。ただし、この二人が登場するのは物語の中盤以降。彼らとの出会いを楽しみに読み進むのも一興でしょう。
最後に、この本の成り立ちについて、キングがあとがきでこう書いています。
*
この『アンダー・ザ・ドーム』を最初に書き始めたのは一九七六年だったが、そのときには二週間ほどかけて七十五ページほど書いたところで、尻尾を巻いて退散した。二〇〇七年にふたたび腰をすえ、あらためて執筆にかかったときには、当初の原稿はとっくの昔にうしなわれていたが、冒頭部分――「飛行機とウッドチャック」の章――だけはほぼ完璧に再現できるほど、よく覚えていた。
*
これと、最終章の最後に
*
二〇〇七年十一月二十二日~二〇〇九年三月十四日
*
とあるのを執筆期間だとすれば、構想30年、執筆2年ていうことも可能でしょう。訳者あとがきには、このあとも中編集が発表され、ダーク・タワーシリーズの新作(完結したはずなのに!)とか、ケネディ暗殺を題材にした作品の発表が予定されているとあります。それにしても、もの凄い執筆量ではあります。
ちなみに、訳者が担当編集者に指摘されるまで気付かなかったという思わぬ人物、私は当然ながら全く分かりませんでした。登場人物でいえば、主な登場人物が巻頭に4頁にわたって書かれています。正直、私の記憶では新記録。でも、このリストの全ての人物名を覚えなければ楽しめない話ではありません。少なくとも私は覚えなかったけれど、一気に読みました。さすが〈恐怖の帝王〉キング! 最後はカバー折り返しの言葉。
*
脱出不能。破壊不能。原因不明。
ある晴れた日、町は透明の〈ドーム〉に囚われた!
メイン州の小さな町チェスターズミル。人口およそ二〇〇〇人。その町は突如、
透明の障壁に囲まれた。上方は高空に達し、下方は地下深くまで及ぶ。〈ドーム〉
と呼ばれるようになった障壁は、わずかな空気と水と電波を通すのみ。
パニックのなかで、命を落とす者が連続する。そこで動き出すのは町を牛耳る
男ビッグ・ジム・レニー。警察力を掌握したビッグ・ジムは混乱に乗じて恐怖政
治を開始した。
〈ドーム〉のなかで一触即発の内圧が高まりはじめる――
アクセル踏みっぱなしの小説を書く――そう決意して、〈恐怖の帝王〉キングが、
その才能と筆力のすべてを恐怖と緊迫のために叩き込み、全一四〇〇ページを一
気に駆け抜ける。
巨匠の新たなる代表作、誕生。
*
ここでつまらない疑問 最後から二行目、なぜ一気を一のところで改行したのでしょう? 二行目の頭が「に」で始まるのがいやなら、三行目の字間を調整して、一文字送りこんで二行目を「一気に駆け抜ける。」とする手もあったのに・・・