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いきなり展開する異質な世界観と特殊な用語と、あまりに多く登場する人物の多さと、その相関が分かりにくく、また、前後篇を含めたボリュームに、最初にめげそうになるが、読み進むについて新鮮な敵役の設定と、その処置方法と、根幹を貫く究極的忌避感というストーリー展開は、人型兵器が必然性もなく登場する凡百の作品とは一線を隔す。少々、無理かなと思われるのは、鳥はともかく、本来感情を持たない昆虫まで忌避感で死んでしまうという、匿翼の原則ぐらいかもしれないが、白き蝉の名称の所以として、さらりと描いているので、野暮な突っ込みはしない。後編で、どのように終息させるのかが楽しみであるが、未だ入手はしていない。
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太陽系から渡来した惑星外生命体に対して人型ロボット兵器で立ち向かう戦いをメインに描いたSF長編小説。
長編も長編、なんと上下巻二段組フォント小さめ790ページもある(驚)
作り上げられた世界観は斬新であるけれど、やはり随所にガンダムの影響は大きく受けているなぁという感じがした。改めて富野監督って偉大。
けれど、この設定と世界観はやはり凄いと思う。
二足歩行兵器の新基準をつくる気概を持ってこの作品に挑んだというだけのことはある。
それより何より、小説は「面白おかしく、発想が斬新で、道徳心に問いかける」ものであるべしという著者のポリシーに好感が持てた。
欲を言えば、小説としては表現が単調で文章にもかなり癖がある。漂う”同人誌臭”も気になるところ。
女性に頭を丸めさせたり、仁義切ったりさせるといった演出も、少々やりすぎ。
あまりにアニメ的なので、読む人を選ぶと思う。
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巨大な人型兵器…つまりロボットに搭乗して異星人から日本を守る戦いを描いた物語。
異星人やキッカイという斬新な世界設定、政治力学の延長線上に存在する軍事力と戦闘行為の表現、青春ただなかの少年少女パイロット達の葛藤、異星人との戦いの最前線となってしまった日本の日常生活が細かく書かれている。
世界設定の特殊性を理解するのに少し時間がかかりました。
文体は少し読みにくいものの、登場人物達を通して強いメッセージを感じます。
巨大ロボットの活躍、特撮怪獣映画、異星人ファーストコンタクト、青春白書モノのジャンルがお好きな人は楽しめるかもしれませんね。
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受容する、赦す、包容する。
愛の形の物語だと思った。
ヒト型戦闘ロボット兵器が看板とのことだが、どちらか云うと軍隊ものの要素が強い。
要撃作戦前の口上を、ぜひとも音声で聞きたい。
あと、何でもそのことを絡めてしまうのもどうかと思わないでもないけれど、震災以後の世情をどうしても重ねて読んでしまう。
偶然にも私の中では非常にタイムリーな作品。
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どことなくエヴァを読んでいる感覚が失せず。
面白かったが、なぜ二本足歩行兵器なのかに説得力がない。この手の作品にはまずそこを期待する。
世界観もやや唐突。
人物は面白いが、もう一つキャラクターとしての掘り下げが欲しかったのと、やや主要キャラが分散か。
会話は良かったし戦闘シーンの文章のリズムも合うのだが、地の文章が基本的には余り好きではない。
ラストも、もう少し膨らませて欲しかったような気がする。
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人が操縦する 2 足歩行型特別攻撃機、
リアルで臨場感のある要撃シーンは映像的ですらあり、
本作を読む価値を非常に高めていると思う。
一方、登場人物の群像劇、人間ドラマとして読むと、
アニメ?ライトノベル?(と言っても両方ともよく知らないのだが)的な傾向が顕著でやや残念。
巻頭の登場人物名一覧を見て嫌な予感はしていたのだが。
終盤部のクラマ、カラスとの SF 的世界観は良く理解できなかったし、
ご都合主義的な展開に感じた。
が、全体として巨大ロボットものを描いた小説は珍しく、
面白く読めるイイ作品だった思う。
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ストーリー自体は面白く、どんどん読み進めることができたのだけれど、誰の視点で書かれているのかがときどきわからなくなり、ちょっと混乱しました。
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本書はハヤカワから出版されたロボット物のSF上下巻です。
#そう言えば、上下巻の表紙を合わせると1枚の絵になりますね。
文章は1ページが上下2段に別れ、比較的細かな字でびっしりと書かれています。
それが上下巻ですから文量としては多い方になります。
読み始めて最初の方は、作品世界の把握と色々と立場が変わったり、あるいは新しく出てくる登場人物の把握が手間で、冒頭の人物紹介一覧を2,3回見直すハメに陥りました。
#登場人物の名前が耳なじみが無い物が多いと言う事も影響しています・・・
#なんで、変な名前を使いたがるのか・・・
おまけに読んでいて意味は分かるが、日本語としておかしな感じがする文章を何度か目にするなど、あまりの文量の多さに編集者もきちんと目を通せなかったのかと勘ぐってしまうことも。
この様に若干難有りな感じの本書ですが、上巻の途中から人物と状況が大体固定され、また作品世界の把握も出来る様になったので、以降スムーズに読み進めることが出来ました。
色々と書きましたが・・・・
あらすじの方を簡単にご紹介。
地球に突如飛来した"カラス"と名付けられた"異星人"。
彼らは地球に対する侵略行為と取られる行動を起こしますが、"カラス"を追って飛来した"クラマ"の手によってその行動が阻まれます。
以降、"カラス"、"クラマ"、双方共に地球に居続けることになりますが、"カラス"によって引き起こされる"弧介時間"と言う災害が人類を苦しめます。
その様な中、弧介時間に耐性を持つダル・タイプと耐性を持たないナーバスに二分化された人類同士の確執や"カラス"に勝った"クラマ"を神と崇め奉る"インバルス"と言う新興団体の振興など、人類社会に様々な変化が起こります。
この状況下で"カラス"が生み出した"キッカイ"と言う存在を打ち破るために選ばれた若きエースパイロット・栂遊星(トガユウセイ)と彼の恋人で後に彼を裏切りインバルスの活動家になった公文土筆(クモンツクシ)、そして彼らの周囲の人々が苦しみながらもそれぞれの敵と戦っていくお話です。
文量はとても多いですし作品世界の構想などは商業作品のレベルには達しているとは思うのですが・・・・
上記しましたが、何というか、文章自体におかしな表現が散見し、その為、時々、文章を書く事に慣れている一般人が趣味で書いた文章から感じられる荒削りな感じがすると言うか・・・
あるいは・・・編集の手が入っていないと言うか・・・
そこが気になって、商業作品としてはどうなの?と言う疑問が最後までつきなかった感じでした。
#決して読めない感じではありませんし、気にならないという方は気にならないでしょうが。。。
#それでもね・・・
#まあ、自分もあまり他人のことは言えませんが・・・
まとめてると、SFライトノベルのテイストを残しつつ、若干それのハード版と言った感じでしょう���?
いつもライトノベルを読んでいるという方が、頑張って読むといいかも。
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ちょっとはしょった説明をすると、宇宙からの渡来体を迎撃するため開発された特別要撃機、巨大ロボ・ダイナミックフィギュアに乗り込む青年を主人公にした軍事SFストーリー…
さらにはしょるとエヴァンゲリオンです。
渡来体がある場所に隠されていて、そのメカニズムを借りた存在が主役メカ…なんて設定はまさにそれでは。たぶん作者さんがエヴァを見ていてどーしても納得できなかった部分を、納得できるように書き直したのだと思います。
私はエヴァになんの文句もないんだけれど、世の中にはどうやら「使徒は使徒」「それはそーいうモンだから」という吹っ切り方をできない人たちが存在するらしいのです。
下巻の前半が少しもどかしかったけれども、ある一点を境に急展開。ラストまで一気に読まされました。
ヒロイン(?)なのかな、主人公のガールフレンドは賛否両論ありそうなタイプですが。
ともあれ面白いお話でした!いずれアニメにでもなるんじゃないでしょうか。なんにせよ、読み終わったあと劇中の用語や言い回しを真似たくなる本は良い本だと思います。
「聞かれたし!」
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ロボットアクションもののSF。キャラクターの設定もかなりラノベというかアニメよりなので、好き嫌いは分かれるのかな。長い間このページの更新をしていなかったので、震災前に読んだのですが震災後に読んでいたらどう感じたのだろう。
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面白いんだけど、めちゃめちゃ厚い。
字が小さくて、ぎっしり詰まっている。
随所に『エヴァ…?』と感じさせる部分もあるし、ガンダムの影響もあるんだろうけど、巨大ロボットなんだから仕方がないか。
地球外生命体との戦いのさなかにも、派閥とか利権とかいろいろ絡んできてしまうのが人間のやるせないところかな?
是沢銀路がサイコーです。
日本海軍かっ?という感じですが。
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宇宙からの侵略者と、地球の極軌道を取り巻く謎の構造体。進化して行く侵略用生命体。対抗するために開発された戦闘用ロボット。よくある要素が独特の世界設定で絡み合います。日常生活の延長にありそうな生活風景にまざりあう異様な生きもものと巨大なロボット、謎の構造体による影響で変わる生活サイクル。このちょっとしたズレからくる不思議な感覚はエヴァンゲリオン+シミュレーション小説とでも言いましょうか・・・
戦闘シーンの描写や兵器の運用設定、侵略者の生態などがリアルに描かれていますが、そういうものに遭遇することによる意識の変革や価値観の逆転などは描かれません。そういった意味からあまりSFっぽさは感じられず、濃いTVアニメを読んでいる印象です。これはこれでいいか・・・おもしろい!
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巨大ロボットものと一言で言い切ってしまうとあまりに荒っぽいと思うのだが、それ以外に表現しにくいのも事実。キッカイ、カラス、クラマなんていう異星人というか生命体が登場して、それともファーストコンタクトも楽しめると踏んで読み始めたのだが、独特の世界観に没入するまでに時間がかかり、乗り切れないまま上下巻を終えてしまった。
そもそも巨大ロボットの操縦士(?)かつ主人公が癖ものであり、その周辺の仲間たちも同じだし、とってつけたような国際情勢(この辺話を複雑にするだけだからカットしても良いと個人的には思うのだが)が混戦して上巻を読み切る頃には、楽しさよりも早く終わってほしいってな感情が出てくる始末・・・。
クライマックスの人類vs異星人では、なぜか突然弱くなった異星人が自滅するみたいな結末でとても残念。なるべくリアルさをという工夫は随所に見られるものの、最後の最後でまったくの非リアルさが出てしまいあっけなく面白くない。
久しぶりにロボット作品を見つけたということで少し甘めの点をつけたが、もう一度読もうとは思わないなぁ。ちなみに、是沢銀路って最後の相場師・是銀さんへのオマージュ?
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リアルロボットに政治劇にファースト・コンタクトに主人公の成長に、といろいろ欲張りすぎているせいか散漫な印象が強かったのですが、終盤の盛り上げかたは良かったです。無敵状態だった最後の敵を倒すのに精神論で押し切ってしまったところで、もっと物理的な理屈をつけてくれればなおよかったのですが…。ついでにもうちょっと読みやすい文章だとさらによかったのですが…。
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太陽系外からやってきた謎の渡来体は地球上空に軌道リング・STPFを建造する。
それは地球の生物に“究極的忌避感”と呼ばれる肉体的・精神的苦痛を与える作用があった。
やがてリングの一部は四国の剣山に落下し、一帯は壊滅するが、そこには謎の生物・キッカイが生息しはじめる。
キッカイは、個体の経験と学習を死ぬことで次の世代に伝えるという特殊な遺伝メカニズムにより急速に進化する。
人類が総力を挙げて駆逐するほど、キッカイもまたより高度な進化を遂げて繁殖をしていくジレンマ。
日本政府はキッカイ殲滅のため、圧倒的な力を持つ二足歩行型特別攻撃機・ダイナミックフィギュアを開発。遊星は未成年ながらその従系オペレーターとして訓練を続けていた。しかし、巨大すぎるその力は、世界各国の許可・承認がなければ解放されない。
波のように押し寄せるキッカイの進行を前に、不断の政治的駆け引きが必要とされる出撃。
変わってしまった世界ににひしめく大国のパワーバランス、新たな思想の対立。
遊星の人生もまた翻弄されていく―。