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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.2
- 出版社: 主婦と生活社
- サイズ:19cm/253p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-391-13998-3
紙の本
君に伝えたい本屋さんの思い出
著者 日販マーケティング本部 (編),山際 淳司 (ほか著)
驚き、幸せ、涙、そして運命の出会い−。石原慎太郎、養老孟司、宮部みゆきなど60人の現代作家・文化人が、書店をめぐる思い出を綴る。『日販通信』掲載を単行本化。【「TRC M...
君に伝えたい本屋さんの思い出
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商品説明
驚き、幸せ、涙、そして運命の出会い−。石原慎太郎、養老孟司、宮部みゆきなど60人の現代作家・文化人が、書店をめぐる思い出を綴る。『日販通信』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
坂道の書店 | 山際淳司 著 | 8−11 |
---|---|---|
いろんな本屋さん | 田中小実昌 著 | 12−15 |
本に釣られて | 奥本大三郎 著 | 16−19 |
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紙の本
自らの書店体験を重ねつつ、一気呵成に読み通した
2011/05/06 06:57
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
出版取次会社の日販が書店向けに発行している月刊情報誌の巻頭エッセイから60編を集めて一冊にまとめたものです。60人の書き手は小説家、俳優、経済評論家など、自著が書店に並んだ経験のある人ばかり。しかしここに集められたエッセイはどれも書き手のそれではなく、読み手のそれです。
子ども時代に足しげく通った近所の商店街の小さな本屋さん。
長じて中学高校時代にバスや電車を乗り継いで通った隣町の書店。
上京後に足を踏み入れ、初めて目にした膨大な書籍量に息をのんだ大型書店。
60人が吐露する思い出話はどれも似通ったところがあり、日本人の活字中毒者がたどる道筋というのは大なり小なりこうしたものなのだなと頷かされます。
「君に伝えたい」というタイトルは、まだまだ読書の愉悦を知らない中高生に向けた目線をどこか感じさせますが、内実は既に書を読む享楽にどっぷりつかっている私のような読者に向けて、同好の士が熱き思いを語るといった風情です。彼らの綴る思い出のそこかしこに、私自身の思い出が幾度も重なります。親が小遣いとは別に書籍代はほぼ制限なく子どもに与えたという逸話も複数出てきて、私自身の体験に照らしてほほえましく感じました。
それにしても書店は今や次々と姿を消していることを痛感させられます。
この本の中で複数の書き手が触れている、ビルごと書店だった渋谷の大盛堂、銀座の近藤書店とイエナ書店などは今や往時の姿はありません。
銀座の上記二書店が姿を消したことは知っていましたが、跡地にクリスチャン・ディオールが店を構えていることをこの本の最相葉月の文章で初めて知りました。時代の要請が今はそこにあるのかと、うら寂しい思いにとらわれました。
最後に心にとまった言葉を引き写しておきます。
「本は小さな旅であり、書店はエアポートだ。旅の目的地がどれも同じではつまらない。世界はでかいのだ。」(田口ランディ)
紙の本
本屋さんの温もり
2011/04/08 08:08
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋さんになりたかった。小さい頃の夢というより最近までそう思っていました。たださすがに電子書籍の台頭などを考えると二の足を踏むしかありません。
それでなくても町の小さな本屋さんの店仕舞いは続きます。私の街でも最近本屋さんがひとつ閉店しました。本を購入するのに大きな本屋さんがあれば足ります。でも、品揃いは不十分でも町の小さな本屋さんがもっている雰囲気、それは銭湯にあった温もりのようなものかもしれません、はなにごとにも変えられないものではないでしょうか。
本書は書店向け情報誌に掲載された60人の作家や著名人の本屋さんにまつわるエッセイをまとめたものです。すでに亡くなった山際淳司さんや田中小実昌さんのそれも収録されているように、この連載はかなり以前から続いています。
彼らのエッセイを読んで思うことは、小さい頃に出会った本屋さんの印象がいつまでも続くということです。多くの人たちが名もない小さな本屋さんの思い出を綴っています。
たとえば湊かなえさんは瀬戸内海の小さな島の本屋さんの思い出にはたまたまその本屋さんが同級生の家で立ち読みできなかったことが書かれています。
また、あさのあつこさんは町の本屋さんでもらった手作りの干し芋の味が忘れられないと書いています。そういうことは都会の大きな書店では味わえないものです。
今本屋さんは苦境に立たされています。町から本屋さんが消えてしまうのはただ単にお店がひとつなくなるということではなく、町の文化の灯が消えることでもあります。
がんばってください、本屋さん。
そして、あたたかい思い出をこれからもつくっていってください。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。