紙の本
セゾン文化
2019/04/26 23:41
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一世を風靡した「無印良品」ほかのセゾン文化とはなんだったんだろう、と懐古主義的な部分もありますね。昭和の香りがしそう。
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バブル時代にもてはやされた「メセナ」という企業文化の功罪。前提としての堤家の因縁(横溝正史風)。堤氏は何を考えていたのか、何を感じていたのかを近づけそうで近づけない距離から模索する一冊。
あの時代の空気をギリギリ十代のうちに感じることができたことはその後の自分に与えた影響を考えると、本当に価値があったと思う。そしてもっともっと体感すればよかったとの後悔もある。
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渋谷駅で「おいしい生活」のポスターを見た衝撃以来、なんとなくくらしとはビイシキをもっていると気分の良い、素敵なものになるのかも、という直感・イメージを持って早や30年近く。
その直感・イメージの中核でもあるはずの「セゾン文化」とは何か、興味をもって読んだ。
当事者の語る言葉の面白さ、臨場感がある。その頃感じたかっこよさのにおいも感じる。やはりその結末には答えはなかった。けれども十分。文化なんて語りつくせない。それを感じたにおい、感じる要素がなんであったか、が大事なんですもの。
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セゾン劇場のジーンズシート、シネヴィヴァン六本木で観た映画、無印良品、NADiff…大学生になった頃にはバブルはとっくに崩壊していたけれど、それでも知らず知らずのうちにセゾン文化の恩恵(?!)を受けてきたんだと知る。
無印良品の章、堤清二/辻井喬氏へのインタビューの章が特に興味深かった。
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セゾン美術館付属の書店で働いていた永江朗が書いた自分とセゾンの歴史。バブルの象徴ともみなされ、ニューアカブームなどもあり80年代を席巻した西武の文化事業を内部で働いている人間の視点から、関係者の証言を得て書いている。非常に多くの人間が登場するが、趣旨としては堤清二、パルコの創設者・、西武ニューアートの創設者・の三角関係で西武文化事業が生まれたとの見解。最後は堤清二との対談となる構成。確かに清二の古い価値体系を壊し、新しい価値体系を作りだそうとする意欲、権力への反感、卓越した世界観はコメントからも十分に伺いしれる。清二の元に集まったさまざまな人間がいろいろなものを生み出した。それがセゾン文化ではないかというのが永江の見解のようだ。
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80年代後半からセゾン文化の崩壊は始まっていたとはいうものの、90年代前半学生だった自分は六本木WAVEでバイトをし、シネヴィヴィアンで映画を観、足繁くリブロに通うことでこれまでに経験したことのない何かを確実に吸収した。その時はまったく意識していなかったが、そういう意味で自分もセゾン文化の影響を受けた一人だ。
HMV渋谷の閉店、ミニシアターの相次ぐ閉館、電子書籍の登場による出版・書店への影響が叫ばれる一方で新たな個性を持つ書店が現れていることなど最近の出来事は大きな環境変化下のこととはいえ、何かセゾン文化の終焉の延長および再生のような気がしてならない。(とは大袈裟かもしれないけど、HMV渋谷閉店のニュースを聞いた時は六本木WAVE閉店のデジャヴのような気がした。)
しかし堤清二という人は興味深い。経営者にして小説家・詩人、元共産党員。ロシアとの交流のくだりは抜群に面白い。もうあのスケールで文化の情報発信を企業として取り組める経営者は出てこない気がするし、今の時代に同じこと・やり方は必要ないかもしれない。でもこの時代に適した形でセゾン文化的なものの再生が可能ならばもう一度ワクワクしたい。セゾン文化的なものなんてどこにも確かなものなんてないのだけど。
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世代は少し下ですが 西武線沿線に住んでいるため小さいころから
デパートといえば西武百貨店でしたのでアール・ヴィヴァンはよく行っていましたし スタジオ200 セゾン美術館など本書でいろいろと思い出しました
アール・ヴィヴァン→ナディフなんですね
知らなかったけど 言われてみればそうかもね
でもナディフって明るいよな アール・ヴィヴァンの暗い感じがすきだったんだけどな
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大阪で生まれ育ったため、セゾン文化というものがイマイチ分からなかったので勉強のために購入。改めて http://ja.wikipedia.org/wiki/セゾングループ を見ると、現代のカルチャーに大きな影響を及ぼしたのがよく分かる。「自立した有権者をつくるのは、日常生活から自立性をプロモートするしかない」という堤清二の言葉、物が溢れすぎる今の時代に痛々しいほど響く。
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“80年代はスカだった”という言説を聞いたことがありますが、成熟消費社会において、モノからコトへの意識変革がなされたのは、やはりこの時期だったのだと思います。その中でセゾンはその時代のトリックスターの役を果たしたのだと感じました。文化は産業化しうるのか?芸術は経営と対立するものなのか?その問い掛けが繰り返されるのですが、一方でアップルのスティーブ・ジョブスの死のニュースが飛び込んで来た時、「文化産業」という存在は違った形態で実現されてしまっているんだな、とシミジミしてしまいました。
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自分は、バブルの記憶もなく、セゾン美術館閉館の年(1999)に上京した人間なので、直接その時代を知らない。しかし、東京で暮らすうち、セゾン文化を出自とする先人の多さに驚き、本書を読んでみた。
登場するアーティスト・文化人の顔ぶれに、まず、圧倒される。堤清二個人をなしに、セゾン文化は生まれなかったが、セゾン文化自体は様々な思惑を持ったそれぞれが勝手に形成していた、という理解で良いだろうか?
また、企業が営利以外で社会に働きかける事の是非についても考えさせられる。企業が文化活動をする事が、いかに困難を伴うか……。「直接お金を生まないものに対する感情──嫉妬と羨望と軽蔑と憎悪」があった事を指摘する記述が印象に残った。
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途中は流し読み。Nadiffはセゾンだったのか。
楽しい時代だったのだろうな・・・現代において、こういう「新しい」ものってなんなんだろう?
セゾン美術館と旧ソ連の話が興味深かった。
軽井沢の美術館に行きたい。
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今は失われてしまったけれど、たしかにそこに存在していた何か。
そういうものに心惹かれて手に取った一冊。
当時のセゾン文化を知るには私は幼かったけれど
それでも、母に連れられて池袋西武をぐるぐると廻った
記憶はあったなぁと振り返る。
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西武美術館(池袋店12F)は博物館法を適応される正式な博物館ではなかった
1989 別館1,2Fに セゾン美術館に解消 博物館法にのっとった公式な美術館となる
堤さん パルコの増田さん 百貨店の紀国憲一さん
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西武解体とともに泡と弾けたセゾングループが行った「文化事業」、セゾン文化について、自身もセゾングループの一員であった著者が、様々な人たちにインタビューをし、「セゾン文化とはなんだったのか」を考える本。
戦後復興、安保闘争、経済成長からのバブル景気、なんかは全部つながった日本の出来事で、それによって文化は成り立っていくもんなんだなあ、とか感じられて面白かったです。
左翼的志向から文化教育方向に動くってのは、当時の知識人としてはまあ常識的な動きであって、
今現在、それが全く理解できないことをとても不思議に思う。
政治とか志向しちゃいけないって決まりがあったかのようだよな、俺ら世代のこの政治と思想についてしゃべらなさって。
調子にのって内容とあんまり関係ないこと書きましたが、俺はこの本読んでそんなこと考えました。
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西武文化とは無縁です。僕の地域には西友があります。西武優勝バーゲンぐらいです。それは、鉄道であり、セゾンではありません。ラジオで紹介されていたので、購入しました。面白かったです。ただし、大満足というわけではありません。焦点を絞るべきではなかったのか。例えば、展覧会に関する部分です。フリーの評論家がコミットできた唯一の美術館だった。公立の場合、学芸員が独占します。西武の場合、素人でした。そのため、外部の評論家に頼らざるえませんでした。これ自体はいいのです。問題はここからなのです。一つの展覧会に絞ってかけなかったのでしょうか。そうすれば、予算も伝説であることがわかります。入場者数もわかります。堤清二さんのインタビューは長すぎるかな。そんなところです。