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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2010.9
  • 出版社: 東京創元社
  • レーベル: 創元推理文庫
  • サイズ:15cm/522p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-488-19512-0

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愛おしい骨 (創元推理文庫)

著者 キャロル・オコンネル (著),務台 夏子 (訳)

十七歳の兄と十五歳の弟。ふたりは森へ行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。二十年ぶりに帰郷したオーレンを迎えたのは、時が止まったかのように保たれた家。誰かが玄関先に、死んだ...

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愛おしい骨 (創元推理文庫)

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商品説明

十七歳の兄と十五歳の弟。ふたりは森へ行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。二十年ぶりに帰郷したオーレンを迎えたのは、時が止まったかのように保たれた家。誰かが玄関先に、死んだ弟の骨をひとつずつ置いてゆく。何が起きているのか。次第に明らかになる、町の人々の秘められた顔。迫力のストーリーテリングと卓越した人物造形。『クリスマスに少女は還る』の著者渾身の大作。【「BOOK」データベースの商品解説】

【このミステリーがすごい! 海外編 第1位】
十七歳の兄と十五歳の弟。二人は森へ行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。二十年ぶりに帰郷したオーレンを迎えたのは、時が止まったかのように偏執的に保たれた家。何者かが玄関先に、死んだ弟の骨をひとつひとつ置いてゆく。一見変わりなく元気そうな父は眠りのなかで歩き、死んだ母と会話している。何が起きているのか。次第に明らかになる町の人々の秘められた顔。迫力のストーリーテリングと卓越した人物造形。著者渾身の大作。解説=川出正樹

*第1位『このミステリーがすごい!2011年版』海外編
*第1位『ミステリが読みたい!2011年版』海外篇/サプライズ部門
     /ストーリー部門 第3位/ナラティブ部門 第3位/本格部門 第4位
     /キャラクター部門 第5位
*第4位〈週刊文春〉2010ミステリーベスト10 海外部門
*第8位『2011本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング【本の内容】

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みんなのレビュー78件

みんなの評価3.6

評価内訳

紙の本

歪んだ愛の物語

2010/10/20 21:01

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まさに、歪んだ愛の物語である。

 20年ぶりに兄が帰郷した。それは、15歳で失踪した弟の骨がひとつづつ家に戻ってきたからだ。

 「クリスマスに少女は還る」のオコンネルのノンシリーズです。
 
 「クリスマスに少女は還る」も、マロリーシリーズも、個性的というよりもっと強烈な人々が出てくるが、これはもっと偏っている。誰もかれもが、自分の世界をひたすら守ろうとしていて、そのための手段を選ばない。その一方で、狂おしいまでの他者への愛が行動の基盤になっている。

 愛が歪む、その悲しい結末を見るようだった。

 にしても、オコンネルの人物造形はすごい。
 妻に死なれた判事の家に、突然現れ、家政婦として居ついてしまうハンナ。物語は、彼女ゆえに動きだし、帰結する。
 そして、主人公を愛しながら歪んでしまっている隣家の娘。
 歪んだ理由は、とてもまっとうで、歪んだヘンな人間ばっかりでてくる物語の中で、彼女と主人公の二人だけが妙にイノセントに見えるのである。
 多分、それが作者の手だったんだろうと思うけどね。

 ともあれ、オコンネルは最高に面白いです。
 お願いですから、マロリーシリーズの続きをさくっと出して下さいm(__)m


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紙の本

特異なキャラクターを持った登場人物達が、20年前の事件の真相を語り出す。

2011/07/14 17:35

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:書子司 - この投稿者のレビュー一覧を見る

20年前、森へ行きそのまま消えてしまった弟のものらしい骨が、夜明け前に順にポーチに置かれていく。一体誰が何の目的で?そして、家政婦の連絡を受けて20年ぶりに帰郷した兄である主人公オーレンが戻ってくる。彼は、元陸軍犯罪捜査部下級准将、つまり軍における犯罪を調べるプロ、それもトップクラスの実績をもつ優秀な捜査官であった……。
ミステリーとして何とワクワクさせる物語の始まりかたであろうか。そして謎を解く主人公として何とワクワクさせる職業を選んだことか。通常の警察関係者でないところがいい。しかも舞台は、アメリカ・カリフォルニア州北西部。携帯電話さえ通じない小さな田舎町。もうこれだけで、主人公が関係者から話を聞いてゆく過程で真相が徐々に姿を現していくという物語の骨格が見えてくる。
しかも、そこに登場する町の人々が特異なキャラクターばかり。

魔法使いみたいな何でも知っている、何でもできる妖精のように不思議な家政婦。
誰も行かない図書館で身体作りに励む、怪物と呼ばれる女性司書。
両親との心理的葛藤を抱き、主人公オーレンを思い続けている女性鳥類学者。
その継父で、異常なハイテンションを持ち続ける敏腕弁護士。
アルコール依存症で弁護士である夫に常に監視され、精神的に虐待されているその母親。
14歳で大学に入学するほどの高いIQをもちながら、警察官となり、パトロール中の事件で大怪我を負い、その事件の際の補償金で大邸宅に暮らす男。
作家として有望視されながら、今はゴシップライターとして有名になってしまった男。
元判事であった父は、夢遊病となって眠りの中で歩きまわる。
町の誰もが一度は参加したことがある山中のキャビンで行われる占いの会と、それを主催する霊媒師。
オーレンを捜査官として係わらせようと画策する、無能な保安官。
これらの人物が捜査を進める中で、次々と登場して、物語をふくらませ奥行を持たせてゆく。

もちろん、弟ジョシュは殺されたのか?犯人は誰なのか?という、ミステリーとしての謎解きも楽しみなのだが、もっと興味をそそられたは、これらの特異なキャラクター達はどんな秘密を持っているのか、と言う点であった。しかも、読み進めるにつれ、彼らはそれぞれにつながりがあり、しかもそのような特異なキャラクターを持つ原因がそれぞれ関連していることがわかってくる。もちろん、それは主人公であるオーレンも例外ではない。彼が20年も町に帰らなかった理由も、弟との確執も明らかにされてゆく。すべての結構が無理なく整い、終章に至る。これこそ、物語の醍醐味。長編ながら読みやすく、アキさせない。
あとになって、この作品は『このミステリーがすごい!2011年版』で海外編第1位だったとか。知りませんでした。いわゆる本格派の謎解きではないけれど、謎が解き明かされるという物語の面白さは思いきり満喫できた。

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紙の本

緻密な構成力で、読み応え充分!

2011/02/11 16:40

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆこりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

15歳だった弟ジョシュが森で行方不明になった!
森からひとりで戻ってきた兄オーレンは、当時17歳だった。
彼は、20年ぶりに帰郷する。それは、「何者かがジョシュの
骨を毎晩ひとつずつ玄関先に置いてゆく。」という連絡を受けた
からだった。ジョシュの死に隠された衝撃の真実とは?

骨になって帰ってきたジョシュ。たくさんいる登場人物の誰もが、
何らかの形で彼の死に関わっていることが明らかになっていく・・・。
心に屈折した思いを抱えている彼らひとりひとりの個性が、実に
よく描かれている。「いったいどういう形で彼らはジョシュの死に
関わっているのか?」それが早く知りたくて、ページをめくる手が
止まらなかった。そして、秘密が明らかになるにつれ、驚きが波の
ように襲ってきた。バラバラだったピースが正確にはめ込まれ、
やがて「真実」という壮大な作品ができあがる。その緻密な構成力は
読み手をうならせる。ラストへの持って行き方も見事!人間の持つ
弱さ、醜さなどをまざまざと見せつけられ、ほろ苦さや切なさも
味わった。登場人物が多く読むのにちょっと苦労したが、読み応え
充分の満足感が味わえる作品だった。

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紙の本

「愛おしい骨」20年前の殺人事件が新しい事件を呼ぶ

2011/05/20 10:29

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る

「十七歳の兄と十五歳の弟。
ふたりは森へ行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。
二十年ぶりに帰郷した兄オーレンを迎えたのは、
時が止まったかのように保たれた家。
誰かが玄関先に、
死んだ弟の骨をひとつずつ置いてゆく。
何が起きているのか。次第に明らかになる、
町の人々の秘められた顔。
迫力のストーリーテリングと卓越した人物造形。
『クリスマスに少女は還る』の著者渾身の大作。」
(文庫解説より抜粋 )


読み終えたときの脱力感の大きさで
その本の面白さは決まる、
安堵の気持ちと終わってしまった
なんとも言えない寂しさと。

20年ぶりに帰郷したオーレン、
そして骨になって帰ってきた弟ジョシュ。
そして新たな殺人事件、
街の人々は誰もが何か秘密を抱えているようで
そんな割り切れないものを
ひとつずつ解明しようとする
それは人間の好奇心と
今度こそ犯人を捜し出すという
使命が重なり
「事実」の扉を開けていく。

15歳の弟の知られざる別の一面、
そんなことを知るために
帰ってきたんじゃない
それでも真実に近づくには
全ての事柄と向き合うしかないのだ。


ミステリー小説というより
小さな街に住むいわゆる
普通の人々を描いていくと
そこには多かれ少なかれ
秘密があるわけで
そんないくつかがちょっと道を間違えると
大変なことに巻き込まれていくのかもと
心理描写も的確で
残酷な殺人などに焦点をあてるというより
まさに人間を描いた作品だ。


20年も前の事件を再構築する試みは
時に人の記憶の曖昧さが立ちはだかり
それが事件解決の部分で
すっきりしないと感じるが
まあそれはそれとして
読みごたえのある作品だった。


★100点満点で80点★


soramove

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紙の本

このミス一位の評価を疑う出来

2018/03/05 02:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る

20年前に行方不明になった弟の骨が一片ずつ家に置かれていく。いったいだれが、何のために。というところだけ聞いたらおもしろそうだけど。これは微妙な内容。骨の謎は早い段階で解決するし、そのあとは弁護士一家の愛憎劇が物語に幅をきかせるようになる。マロリーシリーズのようなスピード感もないし、視点がころころ変わるので、主人公のオーレンが大車輪の活躍をしているという印象も薄い。2011年このミス海外編の1位の作品のはずだけど、この年は海外ミステリが不作だったのではとしか思えない。

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2010/09/27 09:52

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2010/10/06 00:07

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2010/10/10 15:48

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2010/10/15 08:40

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2010/10/15 19:34

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2010/10/20 21:00

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2010/10/21 21:23

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2010/12/10 13:21

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2010/12/24 01:49

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