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商品説明
田中角栄、中曽根康弘、小泉純一郎…。政治家の「人格」を俎上に乗せ、その顔に張り付いた「仮面」を明らかにする、政治家見験録。世論の支配に屈服する、大衆政治家の悲しき実態とは。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
西部 邁
- 略歴
- 〈西部邁〉1939年北海道生まれ。東京大学経済学部卒。評論家。「経済倫理学序説」で吉野作造賞、「生まじめな戯れ」でサントリー学芸賞、評論活動に対して正論大賞を受賞。
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書店員レビュー
全くタイトルの通りで...
ジュンク堂書店大阪本店さん
全くタイトルの通りである。特に異論は無い。
ただ敢えて言おう。「アンタが言うな!」
転向者崩れの「チンピラ」が「ゴロツキ」呼ばわりしても説得力に欠ける。
民主党などもはや泥舟どころかただの「水に浮いた糞」である。
政治屋風情に国政を委ねた先人のツケでとっくに「破綻」しているわけだ。
この先どう政界再編されようが切るカードのない国家に何を求めよう。
バカな議論をワイドショーで見る衆愚政治にそろそろ飽きがこない?
大阪本店 D
紙の本
現代日本のソクラテス
2010/09/16 13:15
8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:四十空 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「寄らば斬るぞ!」と啖呵を切るや、「な~んてね」と破顔一笑するような愛嬌と毒のある西部氏の痛快極まる本である。政治家の仮面(ペルソナ)を剥がすには対象者のパーソナリティにも言説を及ぼさなくてはならないという重荷の代償として、対象者への考察と氏自身の生き様が隠されることなく、渾然一体となって描かれている。更に膨大な歴史、知識の集積が元にあるので軽率ではなく、とはいえべらんめえ調でユーモアに溢れてもいる。
昨今の学者に多くありがちな、社会経験がほぼ皆無で一方的机上の空論に嬉々とする子供じみた言論とは全く対極に位置する。現在保守派の論客として知られる西部氏は、60年安保の際は東大自治会委員長、全学連の執行委員というバリバリの左翼過激派。そこから、大学教授、素浪人的評論家へという人生はなんだか道場破りのようでもあり、直感的実際行動と深め極める学問が同時進行で思想を形作り熟成させる、学者として非常に珍しい。
・・・誰かに似ていると思っていたら、古代ギリシアのソクラテスに似ていることに気がついた。ありがたいのは、死刑になったソクラテスは美少年に尊敬され嫉妬を買った為ともされているが(「西洋古典学事典」)西部氏を尊敬することは現在の東大生には無理だろう。「ノートが書けません」と文句を言われ東大を辞されたのではと思うくらいだ。よって、西部氏が嫉妬を買って死刑にはなるまいし、また西部氏に対抗できる言論人も政治家も、もはや存在しないだろう。
西部氏にシンパシーを感じるのは現在の日本社会で辛酸を舐めた大人たちだろうと思うから、この民主党政治にまで行き着いてしまった日本を覆う薄っぺらいその場しのぎの偽善と小学校の学級会的から騒ぎ正義、ツルリと表面を撫でる頓珍漢な言説と弱虫対応の褒め合いコミュニケーション信仰、それら陰惨で空虚な現状に疲弊した民間人に乗じた鈍重な小役人のバカ騒ぎにゲンナリしていたら、この本はヒントに溢れている。なにしろただ政治家を批評しているのではなく、日本人に対する愛情が根本的に(過剰なほど)流れているので、爽快な啖呵とともにひしひしと人間の優しさを感じられるのである。