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商品説明
怪談やホラーの注目新進作家を次々に輩出して今脚光を浴びるビーケーワン怪談大賞の傑作を選りすぐった作品集、第三弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
恐ろしくって面白い。 儚くて涙がでる・・・・・・。 800字の不思議ワールド。怪談やホラーの注目新進作家を次々に輩出して今脚光を浴びるビーケーワン怪談大賞の傑作を選りすぐった作品集、第三弾。今回はなんと二年分、1300篇を超える応募作品の中から厳選。しかも斯界の第一人者が匿名で参戦!?進化し続ける「800字の怪談」シリーズ最新刊登場!【解説/平山夢明】
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紙の本
プロ級の作品が増えたが
2010/08/02 13:10
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mikimaru - この投稿者のレビュー一覧を見る
このところ実用書で参加することが多い書評欄だが、民話や昔話が好きである。妖怪話や奇譚を好み、子供のころにもっとも好きだった漫画家は高階良子。「タランチュラのくちづけ」など一部作品は、懐かしさのあまり最近になって買い直した。
ビーケーワンの怪談大賞に応募された作品を編んだ「てのひら怪談」シリーズは、すべて読んでいる。とくに一冊目の「てのひら怪談」は、企画がまとまってから出版までの短期間のうちに、膨大な作品(勘違いでなければ応募四年分)を百話にしぼりこみ、よくあの順序に並べたものだと、編者の方々のお力に感じ入った。作品の濃淡あり、リズムあり、流れありで、シリーズのうち最高傑作だと(個々の参加作品がではなく一冊にまとまった書物として)考えている。
さて、二年分の応募から絞りこんだという本作である。
参加されている作者さんらのレベルが格段にアップし、個々の作品における技巧、話の流れ、読みやすさなど、以前の比ではない。プロ級の作品がぐっと増えた。だが、最初にそれを感じたのは三割くらい読みすすめた段階だっただろうか。ページをめくるたびに、自分が作品のタイトルだけを見て、作者名を気にしないことに気づいた。
一冊を通じた作品全体を見ればそんなことはないのかもしれないが、本の一部の場所で、まるでひとりの人がつづけて書いているかのような「慣れ」に近いものを覚えた。これはテーマが似た話を近くにまとめているためなのか、あるいは選ばれる作品に共通する何らかの雰囲気なのか、はっきりとはわからない。
逆にいえば、わたしの感じているような状況こそが、もしかするとこの本の狙いとしては理想なのかもしれない。わたしの感覚としては、チョコレートのアソート(粒での詰め合わせ)が食べられると思った場所に、皿盛りになったチョコレートデザート(クリームやフルーツと一体化したデザート)がどどんと出てきた、という思いだろうか。どちらが食べたいかは、ひとそれぞれだろう。
秀作揃いで堪能させていただいたことは間違いないが、初回作品の「てのひら」にあった本一冊を通じての濃淡が、今回は薄れている。少なくともわたしは、そう感じた。