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商品説明
ウルトラハンド、ゲーム&ウオッチ、ゲームボーイ、バーチャルボーイ…。京都の花札メーカーに就職した青年の発想力が、任天堂を独創的な世界企業へ押し上げていった。伝説的天才開発者・横井軍平の発想哲学を紹介する。〔「任天堂ノスタルジー」(KADOKAWA 2015年刊)に改題,加筆修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
牧野 武文
- 略歴
- 〈牧野武文〉ITジャーナリスト。著書に「Googleの正体」「インターネット社会の幻想」など。
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著者/著名人のレビュー
テレビゲームのコント...
ジュンク堂
テレビゲームのコントローラーといえば大抵、左手にキャラクターを操作するための十字キー、右手にアクションを起こすためのボタンが二つから四つと決まっています。これはゲームをする人であればあるほど当然のことであり、なぜそうなのかなんて考えたりしません。しかしこれらも人が創り賜うたもの。その形を生み出したの人こそ、本書に書かれる任天堂元社員で故人の横井軍平です。 十字キーをつくったくだりでは、追随するハードメーカーもそれに習い「これ以外にないのだ」といわしめる形。さらっと書かれているので何でもないようですが、よくよく考えるとこれってすごいことではないでしょうか。しびれます。 任天堂の歴史とともに横井氏の栄光(と挫折)が読める本書。ゲーム好きならずとも、任天堂イズムとして今も残る氏の言葉「枯れた技術の水平思考」(使い古された技術でも視点を変えれば価値を生み出せるという考え)には学ぶところが大きいと思います。 古本で十万円の値がついた幻の名著「横井軍平ゲーム館」も復刊される今こそ、氏の偉大なる功績を本書にて知っていただきたいと、任天堂のお膝元、京都から猛プッシュいたします。
紙の本
「枯れた技術の水平思考」を知ることが出来る好著。読後はプロジェクトXを見た後のような感覚。
2010/07/21 13:59
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は今は亡き「横井軍平」という、知る人ぞ知る方の
生い立ちから、その業績までを解説しています。
先に、知る人ぞ知る!
などと書きましたが、おはずかしながら
評者は横井氏を本書で初めて知りました。
評者自身はこの本をご縁があって読むことになった
のですが、本書を手に取った直後の正直な感想は
「誰?この人」
というものでした。
しかし、とにかく頁をめくった後に
疑問は氷解します。
ウルトラハンド
ゲームボーイ
等々を作った人でした。
上記リンクから見れるものだけではなく
横井氏の開発したおもちゃは他にも山ほど
あります。
20代以上のほとんどが知っていると思われる
ファミコンのコントローラーも
氏の考案したものであるようです。
このゲームのコントローラーですが
驚くことに名称こそ「十字キー」や「方向キー」
「コントロールキー」などと呼ばれていますが、現在に
おける他社製ゲーム機のコントローラーも横井氏の考案
した形のまま受け継がれています。
氏の考案した十字キーが事実上のスタンダードになって
いることがわかります。
※特許の関係で会社によって名称が違うようですが
誰が見ても 同じ形をしています。
横井氏に関しての比較的、詳しい情報は
wikipedia
にあるので現時点で興味を覚えた方は参照して
いただきたいのですが、氏を簡単に説明すると
今や「世界の任天堂」あるいは「nintendo」と呼ばれる
企業が京都の花札屋だった頃から在籍し、上記
リンクにもある「ウルトラハンド」や「ゲームウォッチ」
そして、かの有名な「ファミコン」「ゲームボーイ」
の産みの親であります。
本書は、その横井氏が玩具を開発する際に大切にし
また、ポリシーでもあった「枯れた技術の水平思考」
とは何かという点を核にしながら、氏が任天堂に入社
してから代表作の数々を生み出して、そして独立して
ワンダースワンを生み出した
株式会社コト
を設立した後、事故死するまでが書かれています。
本文中、いたるところに散見される氏の名言の数々。
また、カラーで収録されている任天堂の玩具の数々は
それだけでも資料的価値が高いと言っても
過言ではないでしょう。
評者は年齢的にも氏が生み出した
ゲームウォッチやゲームボーイを楽しませて
いただいた世代です。
人生を狂わすほどゲームにのめり込んだ
クチではありませんが、人並みにゲームを
楽しんだ者として、自分が大人になって
子供にゲームを買ってあげる側になった今
になって自分がのめりこんだ玩具の生みの
親の事を知るのは感慨深いものでした。
また氏がモットーとした
「枯れた技術の水平思考」やその他の
こだわりは、氏が天才故に凡人の
自分などが真似出来るようなものでは
ないのですが、多いに刺激になります。
パソコンもゲームもともすればスペックや
技術での競争や傾倒が主になりがちな現在ですが
「どれだけ人間の想像力を刺激できるか」という点を
大切にした氏の姿勢は、ものづくりはおろか
多くの業種で参考になるものと思われます。
本書を読了後は、当たり前だった日々の業務を
別の視点から見ようとしている自分に気づくはず
です。
言い換えるなら、自分の仕事における
当たり前すぎて省みる事もなかったような
技術を別の角度から見直すきっかけになるという
事でもあります。
横井氏のようになるのは無理でしょうけど
氏のように考えようとする姿勢は無駄にならない
はず。
ゲーム好きの方はもちろんの事、自分の仕事や
技術を別の角度から見直したい、そして何か新たな
発見をしてみたい方におすすめの一冊です。
紙の本
横井軍平から任天堂の本質が見える
2015/10/01 00:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:自室警備員 - この投稿者のレビュー一覧を見る
横井軍平って誰?
そんな方が多いかもしれない。彼はゲームボーイを作った技術者であり、ファミリーコンピュータを世に送り出すまでの任天堂の商品開発を支えた功労者でもある。
同志社大学工学部を卒業した彼は当時零細花札メーカーに過ぎなかった任天堂に就職する。任天堂が大卒者を採用するということも当時としては稀なことであった。
大学でもさして優秀でなかった彼は自らを落ちこぼれだと称する。技術者が先進的な技術を次々と生み出すことで評価されるのであれば、確かに横井は技術者としては一流ではなかった。
その後、横井が次々とヒット商品を連発していくわけだが、詳細は本書に譲ろう。
彼を知る上で重要な考え方として「枯れた技術の水平思考」がある。
これは既に世に出て確立された技術をアイディアを駆使し、他の技術とうまく組み合わせることによって、新しく独創的なものを作り出すという開発哲学である。
横井が世に送り出した商品は全てこの哲学により生み出されてきた。安い技術をうまく使い、そしてそれは子供の好奇心を大いに刺激した。横井の作ったものは子供や大人を皆とりこにさせた。
ゲームボーイ・ポケットを手がけた後、横井は1996年に任天堂を退職する。しかし、翌1997年横井は交通事故により56年生涯に幕を閉じた。
近年の任天堂の躍進を支えるWiiやDSはこの横井の考え方が生かされている。一時期、任天堂は高機能路線(N64)に走るが、横井の創り出した任天堂本来のやり方に立ち戻ったのだ。
技術は必ず枯れていく。技術競争には際限がない。それでも技術の進歩の重要性は否定は出来ない。しかし、技術の進歩が人の心を豊かにするとは限らないだろう。加えて他と差別化をしなければ生き残ることが出来ない時代である。そういった点で横井の哲学は示唆に富む。