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- カテゴリ:小学生
- 発売日:2010/04/22
- 出版社: フェリシモ
- サイズ:25cm/31p
- 利用対象:小学生
- ISBN:978-4-89432-519-7
紙の本
おいで、もんしろ蝶 (おはなしのたからばこ)
ある朝、うまれたてのもんしろ蝶が、池にうつった自分のすがたに「きれい!」とつぶやいた。池は「あんたはとてもきれいだよ」と言って…。もんしろ蝶とそれを見守る池の、いのちの物...
おいで、もんしろ蝶 (おはなしのたからばこ)
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:46,682円(424pt)
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商品説明
ある朝、うまれたてのもんしろ蝶が、池にうつった自分のすがたに「きれい!」とつぶやいた。池は「あんたはとてもきれいだよ」と言って…。もんしろ蝶とそれを見守る池の、いのちの物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
工藤 直子
- 略歴
- 〈工藤直子〉1935年生まれ。詩集、童話、絵本、翻訳などで活躍。「てつがくのライオン」で日本児童文学者協会新人賞、「ともだちは海のにおい」でサンケイ児童出版文化賞を受賞。
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紙の本
おいで、ぼくの、もんしろ蝶。
2010/05/06 13:42
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildflower - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作『おいで、もんしろ蝶』は『のはらうた』シリーズの工藤直子さんの
文章に、ファッションデザイナーの皆川明さんが絵を描かれています。
作者さんの経歴のバリエーションが豊かなことに、毎度驚かされる
フェリシモ出版「おはなしのたからばこ」の30冊めです。
ひとつの小さな池と、もんしろ蝶の出逢い。
それぞれに生きる時間が違うなかで交わされる対話は
愛情深い父と娘のようでもあります。
ほんとうに<うまれたて>というのはいいものだ。もんしろ蝶は、
朝日をあびて、ひかりのかけらのようである。
「ほほう! これはこれは」
池は、もんしろ蝶をみつめていった。
「妖精というものは、もしかするとあんたのことじゃないかとおもう
ほどだ。
あんたが、ひとおどりおどれば、これはもう妖精そのものだな。」
「そう? そうでしょ。じゃ、できたてのはねで、おどるね」
ちいさくてひらひらと陽気なもんしろ蝶は人気者で、自慢さえも許せて
しまうようなかわいらしさを持っている屈託のない少女です。
池は静かに、そのもんしろ蝶の体験を一つずつ聴きながら、
ときおりやんちゃをしでかす彼女を心配しつつ、静かに愛しています。
まぶしい日のひかりは、もんしろ蝶の味方のようである。その
ひかりにまぶされていると、もんしろ蝶は、なにをしても
おもしろかった。
やがてもんしろ蝶は仲間のひとりを連れて訪れます。
ちらりと花嫁の父を連想するのは、わたしだけではないはず……。
淡々と語られているのですが、母となった後も、もんしろ蝶はひとりで
池のもとを訪れます。そして次第にときが過ぎ、彼女もゆっくりと老い
てゆきます。
池はそのすべてを写しとり、見守り、つつむようです。
もしかしたら父と娘という単純なつながりに喩えるのは
不粋なのかもしれません。
晩年のもんしろ蝶と池のラストはなんとも美しくて、切なくて、
しみじみとした魅力に満ちています。
女性の一生を、そのきらめくさまとはかなさを、包み込むような池の
まなざしが秀逸です。
○皆川明さんHPよりプロフィール
http://www.mina-perhonen.jp/profile/brand/