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商品説明
やりたいことがわからず、進路を決めないまま高校を卒業した梅本杏子は、「このままじゃニートだ!」と一念発起。デパ地下の和菓子屋で働きはじめた。プロフェッショナルだけど個性的な同僚と、歴史と遊び心に満ちた和菓子に囲まれ、お客さんの謎めいた言動に振り回される、忙しくも心温まる日々。あなたも、しぶ〜い日本茶と一緒にいかがですか。【「BOOK」データベースの商品解説】
デパ地下の和菓子屋で働きはじめた梅本杏子、通称アンちゃん。個性的な同僚と、遊び心に満ちた和菓子に囲まれた、忙しい日々がはじまります。そんな中、謎めいたお客さんたちの行動の真相とは? 『ジャーロ』連載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
和菓子のアン | 7−73 | |
---|---|---|
一年に一度のデート | 75−128 | |
萩と牡丹 | 129−187 |
著者紹介
坂木 司
- 略歴
- 〈坂木司〉1969年東京生まれ。2002年「青空の卵」でデビュー。ほかの著書に「先生と僕」「夜の光」など。
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紙の本
和菓子もミステリーもアン(案)がなくては始まらない!?
2010/05/22 20:39
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「赤毛のアン」は言わずと知れた、世界一有名なプリンスエドワード島の女の子。夢見がちで容姿-とりわけ赤毛-をコンプレックスに思いながら勉学に励み、ハンサムなギルバートと恋をする。
さて、そんなアンをもじったのか、それとも単なる「和菓子の餡」のフツー読みかわからないタイトルの本作は、表紙も含めた装丁がとっても可愛らしい。男性諸氏が持っているのはためらわれるかもしれないが、女性読者ならば思わず手に取って読みたくなるのでは?
本作の主人公、杏子はぽっちゃりした容姿を悩みつつ、たまたま雇われたデパ地下の和菓子屋さんでハンサムで出来る店員と知り合う。デパ地下で働く人たちや、訪れる客たちの奇妙な行動から、二人で推理を巡らせる。さて二人の恋が始まるのか?と思いきや、この男性店員がちょっと変わった趣味の持ち主(?)だったため、ストレートな展開にはならない。
日常の謎をさまざまな作品で扱ってきた坂木さんが、今度の舞台に選んだのはデパ地下。ひところブームになって以来、デパ地下自体の浸透度も高く、さまざまな職業の人やキャラクターを登場させやすい舞台で設定にも無理はない。個性的ではあれど、基本的には皆善人である杏子の周りの脇役達も好印象。和菓子のいろいろな意味なども知ることができて一挙両得。
読んだあとには、人が人を思う気持ちの強さ、すばらしさを実感できることうけあい。
抹茶でも飲みながら読んでみてはいかがでしょう。
紙の本
平和な小説
2022/08/23 20:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうた - この投稿者のレビュー一覧を見る
終始穏やかに話は進み、続きが気になることもなく、でも読もうと思う平和な本でした。特に嫌な人物も登場せず、暗い話に疲れた後の箸休めにぴったりだと思います。
紙の本
風雅な和菓子と日常の謎
2011/05/18 08:23
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルはなんだか異質。
でも、和菓子好きとしてはちょっとそそられる感じ。
ということで、初めて読んでみた坂木司作品だ。
主人公はぽっちゃりとした感じの女の子。
高校を卒業したものの、進路の希望も特になく、デパ地下の和菓子屋さんでアルバイトを始める。
こうしたいきさつから、なんとなくいい加減な感じの女の子を想像したものの、描かれている杏子ちゃん(通称・アンちゃん)は、なかなかに素直な、賢い女の子だ。
勤務することになった「みつ屋」に現れるお客様の謎を、店長が鮮やかに解きほぐすのをきいて「おおーーーーっ!」と驚く一方で、和菓子や接客について学んでいく。体と同じようにふくふくとした性質は、和菓子のように周りの人を幸せにするよう。
また、脇キャラもなかなか濃くて、素敵な店長の椿さんの中身はおっさんキャラ。長身でイケメンの店員・立花君は乙女系青年。アルバイト仲間の桜井さんは元ヤンだ。が、ライトノベルではないので、そのあたりの描かれようは楽しいけれど、落ち着いている。
著者のあとがきを読むと、和菓子を題材にしたミステリということだったけど、とっても軽いミステリだ。
ではコージー?かというとそういう感じでもなくて、ミステリというよりも、ちょっとした「日常の謎」といったところだろうか。
それこそ和菓子でも食べながら、軽い気晴らしに読む程度といった感じ。
もっとも、その気晴らしがとても楽しいのけれど。
和菓子好きにとっての最大の魅力だったのが、和菓子の記述。
和菓子屋が舞台なので当然だが、美味しそうな和菓子がラインナップ。その錚々とした顔ぶれに思わず、
写真をつけて。
イラストでもいいから。
いやいっそ、オンラインで売って、これ!
と呟いてしまった。
見立てや言葉遊びに満ちた和菓子。
普段着のように気取らない大福や団子などもいいが、「みつ屋」のような和菓子店では季節を感じさせる風雅な生菓子もある。
ネーミングも、五月なら『兜』や『落とし文』、八月なら『清流』や『蓮』、十二月なら『柚子香』や『初霜』。
それぞれに美しく、美味しそうな生菓子が想像できてとても楽しい。
……ああ、本当に和菓子を買いに行きたくなってきた。
もちろん和菓子の歴史やうんちくなども語られていて、甘味好きには幸福感をもたらしてくれること、請け合いだ。
ちなみに、著者があとがきで好きだと挙げた『二人静』とは、和三盆を使用した干菓子のこと。
たしかに、上品な甘さがブラックコーヒーや抹茶ととても合う。
紙の本
はんなりだけではなく、遊び心のある和菓子に惹かれます
2011/02/22 17:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校を卒業したものの、やりたいことも見つからない
梅本杏子、通称「アンちゃん」。
なんとなくデパ地下の和菓子屋「みつ屋」で
働くことになります。
社員2名、アルバイト2名で回す小さな和菓子屋で起こる
日常のミステリーを描く5編の連作短編集です。
まず、キャラクターがユニーク。
店長の椿は、仕事のデキる女性。
職人志望の立花は、プロフェッショナルな接客をするイケメン。
同じ年のアルバイト桜井は、かわいい大学生。
しかし、皆、裏の顔があり、それも読みどころのひとつ。
ほかの脇役たちもキラリと光っています。
そしてアンは、太めがコンプレックス。
お菓子屋さんはぽっちゃり目がいいですけどね。
さらに和菓子の種類、作り方、歴史、言葉遊びなどが
上手にミステリーに盛り込まれ、アンと一緒に悩める。
バランスのとれた人間関係とほどよいミステリーで
スルスルと読めてしまいます。
読みながら、和菓子が食べたくなること請け合い。