鎌倉 湘南・葉山 （ことりっぷ）

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投稿者：けい　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　年始に目標を立てる。といっても、それほどだいそれたことはぶちあげられない。性分、なのかもしれない。
　しばらく会っていない人に会う、とか、年賀状を12月25日にまで出す、とか、原付を買う、とか、ＤＶＤレンタルを延滞しない、とか、ＶＨＳのビデオテープに録画した懐かしの映画にバイバイする、とか、たぶん友達の抱く私のイメージにはないあの歌をカラオケでチャレンジする、とか。
　でも、こういうあれこれって、去年も、一昨年も「やるぞ！」って決めていたと思うのです。今年もまた……なのは、実現できていないからなのです。うーん、性分、なのかもしれない。
　鎌倉を旅する。これもまた何年にもわたる私の目標。お正月には「まだ行っていなかったの？」と友人は笑い、たぶん、あきれている。腰が重いのです。それだけではないでしょう。やりたいことはあるし、新しいことに出会えば目移りしてしまうし、別に私がやらなくてもいいのにやらされていることや、やりたくなくてもやらなくちゃいけないことは次々とわいてくるし。
　なんでしょう、がんじがらめ、とまではいかなくても、気がつけば心に鎖が繋がれている。家族、友人、仕事、そういったものと繋がっている日常は大事だけれど、だからこそ、ここではないどこかへ人は憧れるのです。きっと。
　えいや、っとこの本を買ったのは、買えば計画が立てられ、計画さえできれば、さすがの私も旅に出るだろう、という想いから。通勤途中や仕事の合間に「あそこに行きたい！」「ここもいい！」「こんなのあったんだ！」「これは食べたい！」「ここは見たい！」「お土産はコレ！」「余裕があればここも！」とウキウキしながら、何度も何度も読みました。
　これはもう一つの旅ですね。それだけの魅力がこの本にはありました。たくさんの写真は自分がシャッターを切ったような気にさせられ、手書きの地図は駅前に降り立ち、掲示板をながめているかのよう。コメントは一緒に出かけた知人に語りかけられているかのよう。
　もう旅した気分にさせてくれる罪な一冊。ある意味、経済的な一冊。このシリーズは、表紙などのデザインがのんびりゆったりしていて癒しの雰囲気。こういうところにも気配りが行き届いている。まるで一流旅館ですね。
　しかも、日本全国だけでなく、海外編まであるときては、格安で旅行気分が味わえます。
　とはいえ、実際に出かけてこその出会いも、やはり旅の醍醐味。出かける前のワクワクも大切なのですが。
　いつか、鎌倉高校の坂道を見下ろすときも、しらす丼を味わうときも、鞄にはこの一冊があるはずです。　

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投稿者：きゃべつちょうちょ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

何年か前に発刊されたこのシリーズ、ずっと気になっていた。
この連休で鎌倉に行くことになり
ＪＴＢさんの「タビハナ」と迷ったあげく、
こちらを購入した。
決め手になったのは、普通にバッグに入る可愛らしさ
（タビハナはことりっぷより、若干大きい）と、
ゆとり空間のレイアウト、そしてお洒落さ加減。

こういう、見た目にも中味も可愛らしい
旅のガイドブックって今まであるようでなかったので
嬉しい。

わたしが感じた魅力としては、
１電車の中で見ていても恥ずかしくない。
（帯を外してしまえば、遠めに何の本かわからない）
２全体をざっくりつかんだ上で、
　要所要所のポイントを押さえてある。
３メインストリートには、見やすい手描きの絵地図つき。
　（ランチやおみやげ、カフェ休憩の情報もいっぱい）
　など。

繰り返しになるが、レイアウトが見やすいのが
とてもいいと思う。旅行ガイドというと
どうしてもごちゃごちゃと写真と文字が混在していて
目が痛くなってくるタイプが多いのだが
この本は、読者目線をかなり意識して作られていると感じた。
とくに、１０６ページの、旅にはあまり関係ないと思われる、
「鎌倉猫と江ノ島猫のフォト集」は最高。
見開きの半ページなのだけれど、癒し効果抜群というか、
本を作っている人たちの、いい意味での遊び心が感じられる。

実際に現地で使ってみた感想は・・・・・・。
なんと、この「ことりっぷ」と
タイムリーに鎌倉特集を組んでいた「ハナコ」を
片手に歩いている人が多いのには参った（笑）。
が、
上記の理由で読みやすく、可愛らしいイラストで読むのが楽しいので、
全体をさくっと頭に入れていくことができた。
（そのおかげで、江ノ電に乗るのをやめて歩くコースに変更ということも
　すんなりとできた）

鎌倉というところは本当に四季折々の味わいがあるので、
またじっくりと読み直して、新しい魅力を発見したい。
あじさいの咲く明月院を見に行くのが、目下の楽しみ。

そして、旅というのは規模に関わらず、
予定を練るのが最大の楽しみである。
このガイドブックは、その楽しみを倍増させてくれる。
わかりやすいので予習も苦にならず、
想定外の旅の喜びを見つけることもできる。
そういうことが、一緒に旅する人との絆を深めるし、
一人旅だったら、その自由を満喫できるのではないかと思う。
お金で得られない「なにか」を、見つけられるのは
旅の、そして人生の醍醐味でもある。