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紙の本
博物戦艦アンヴェイル 1 (朝日ノベルズ)
著者 小川 一水 (著)
博物戦鑑—それは、海の果ての「古の驚異」を探る、海軍の大型帆船だ。海が苦手な新米少女騎士ティセルは、国王の命を受けてその船に乗り組むことになった。使命は、天真爛漫(過ぎる...
博物戦艦アンヴェイル 1 (朝日ノベルズ)
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商品説明
博物戦鑑—それは、海の果ての「古の驚異」を探る、海軍の大型帆船だ。海が苦手な新米少女騎士ティセルは、国王の命を受けてその船に乗り組むことになった。使命は、天真爛漫(過ぎる?)通訳の少年、ジャムの護衛。頼りになるはずの青年艦長に率いられ、アンヴェイル号は大海原に乗り出す。だが行く手には敵国の軍艦が…。最強の構想でおくる、海洋冒険ファンタジー、いよいよ開幕。【「BOOK」データベースの商品解説】
海が苦手な新米少女騎士ティセルは、国王の命を受け、天真爛漫な通訳の少年ジャムの護衛のため、海軍の大型帆船アンヴェイル号に乗り込むことに。そこへ敵国の軍艦が…。海洋冒険ファンタジー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
小川 一水
- 略歴
- 〈小川一水〉1975年岐阜県生まれ。著書に「導きの星」「時砂の王」「妙なる技の乙女たち」など。
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紙の本
趣味がいっぱい詰まっている
2010/03/23 00:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ティセル・グンドラフは下級貴族の娘なのだけれど、戦争で父を亡くし、母妹を養うためにつてを頼って騎士見習いになった。ようやく叙任というところまで来たのだけれど、戦費負担の影響などもあって、正騎士を雇う余裕がないと言われちゃう。不況って恐ろしいね。これまで歯を食いしばって頑張ったのに。
さすがに悪いと思ったのか、交換条件として出されたのが、外洋に出て遺跡調査を行う博物戦艦に乗るならば、騎士に叙任してあげるよ、ということ。外洋は未踏破地域なので怖がって誰も行きたがらないらしい。
例えると、就業環境が厳しい関係会社に出向するなら正社員にしてあげるよ、みたいな条件だと思うけれど、剣を振り回す以外に特技もない16歳の少女には世間は厳しすぎる。ほとんど選択肢を奪われたような状態で引き受けることを決め、王様のもとに詳細を聞きに行くことになりました。
そこで登場する王様は、有能らしいのだけれどちょっと変態。いきなりティセルのスカートをめくって、絶対領域の素晴らしさを力説したりする。王妃様はそんな王様をニコニコ見て笑っているだけ。
そして、彼女は護衛として乗船することになるのだけれど、その護衛対象はジェムという悪ガキ。いきなりティセルに抱きついて胸に顔をうずめたりする。本当だったら成敗してやりたいところなんだけれど、金鈴道化という、王様以外の命令は聞かなくても良い立場なのでそんなこともできず、怒りを押し殺して我慢するしかないのだ。(出港してからはそうでもなくなるけどね。)
未知の海に、大型帆船で挑む大冒険。途中には困難があり、反乱があり、彼らの行く手を阻む敵が登場する。そして、ようやくたどり着いた目的地でもひと波乱ふた波乱ある。基本的にファンタジーなので、時代考証とかはそこそこにして、大いなるロマンを楽しみましょう。
あとがきで、「もっとガンガンいけ!大丈夫文章メディアならいけるはずだ!」とあるけれど、将来、東京都の条例が改正されたら大丈夫じゃなくなるかもね。
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あえて小川が書く必要のなかった作品。せっかく、女性を描ける数少ない男性作家だと思っていたのに、これって単なるセクハラを正当化しただけの、男の願望丸出しの小説じゃないですか・・・
2011/09/10 22:28
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやな予感はあったんです。同じ出版社から出たノベルズ『不全世界の創造手』が、面白くなかった。なんていうか、これぞノベルズっていう、要するに対立する二つの集団の中で、高校生くらいの男女をいちゃいちゃさせる、っていう私が最も嫌うパターンだったわけです。もう、カバー画からして深夜アニメの絵の域を一歩も出ない。でです、今度のカバーもそのレベル。イラストでも、デザインでもなくコミックスの一コマ。
例えばですよ、もっと値段の安い早川SF文庫の『天冥の標』シリーズのカバー画と比べてみてください。画家の力の入れようがまるで違う。早川のほうならそのまま画集になっても十分売れます。いや、おなじコミックス系にしたって、講談社BOXのカバーイラストのレベルの高さと比べてみてください。いや、CG使おうがどうしようが、デザイナーとしての技量がまるで違うわけです。
いや、カバー画だけを貶すのは担当者に申し訳ない。だって、デザイナーの仕事は、基本的には作品の内容に応じたものであるし、実際に読めばわかるんですが、肝心の小説レベルが、そのレベルなんです。いや、戦闘シーンはいいですよ。『ホーン・ブロア』なんかと比べれば眉唾な気はしますけれど、でも、どこが嘘っぽいか指摘できないんだから、合格でしょう。ちなみに、私は塩野七生描く戦闘シーンに軍配あげますけど・・・
問題は、男女関係ですよ。ま、ノベルズに期待した方が悪いのでしょうが、この内容であれば小川が書く必要はなかった、というのが正直な気持ちです。ただし、小川が帆船と戦闘少女を絡めたファンタジーを書きたかった、という意図は、あとがきを読めば良く分かるし、少なくとも帆船については、私のように帆船に詳しくないものであれば納得できる描写にはなっているかな、とは思います。
ただし、海戦のシーンあたりになると、スラスラ読みはするものの、これって正しい戦闘シーンなんだろうか、とは思います。それはあくまで雰囲気なんですが、本当に帆船同士の戦いはこういうもの? という疑問が脳裏を過ぎることは確かです。なんだか、近代戦のシーンや戦法をそのまま持ってきているんじゃないか、っていう素朴な疑問。これって、蒸気こそ出てきませんけど、一種のスチームパンク? なんて思ったりもします。
でも、そこらは及第点。私の期待が見事に外れたのは、小川が描きたかったという戦闘少女、新米少女騎士ティセルのことなんです。っていうか、単なるラブコメじゃん、これ。しかもセクハラ的な描写だらけの。ともかく、男たちにとって登場する女性陣は本当に性的おふざけの対象でしかないんです。そして、いいやいいや、で済ませるティセルの気持ち、嘘だろ、って思います。
それとティセルの心の動き。ま、年頃の女の子なんて、こんなノリで男の子を好きになる、っていうのが分からないではありません。でも、です。『時砂の王』『天冥の標』を書く人間が、『妙なる技の乙女たち』『煙突の上にハイヒール』『風の邦、星の渚』を書ける作家が、なんでこんな安直な男女関係を書かなきゃならないんだ? って思います。
いや、確かに男の子にとっては楽しい話かもしれません。いつもチャラチャラしてて、女の身体に触り放題、覗きはするは、パイズリはするは、でも本当はイイヤツ、っていう設定。でも、です。なんでそんな変態ガキに、三年も苦労して漸く戦士として認められた少女が、コロリと参るか? 女の気持ちが良く分かる作家、として評価していたのに、なんじゃこりゃあ、です。そういえば、今回と同じ出版社から出たノベルズ『不全世界の創造手』もレベル低かった・・・
もしかして、これって小川のじゃなくってノベルズの編集者の問題? 小川に期待を寄せる私としては、そのほうが嬉しいことは確か。帆船と少女、というコンセプトは間違っていなかったけど、それこそどこにでもあるような軽い男女の恋愛を絡めたことは大間違い。あと何巻続くかわからないけれど、このレベルからの巻き返しは難しいと思います。出たばかりの第二巻はパス。私としては『天冥の標』の続編に期待するのみ・・・
最後は自棄のなってデータ的なことの羅列。カバー折り返し言葉は、
*
「いつか船に乗りたいんですよ。小さな船で
大きな海を渡りたいんですよ。それもエンジ
ンじゃなくて帆で」と、よその某編集さんに
力説したら、鼻で笑われた。
いいんだ、頭の中で渡るから。
(著者)
*
カバー後ろの言葉は
*
博物戦鑑――それは、海の果ての「古の驚異」を探る、海軍の大型
帆船だ。海が苦手な新米少女騎士ティセルは、国王の命を受けてそ
の船に乗り組むことになった。使命は、天真爛漫(過ぎる?)通訳の
少年、ジャムの護衛。頼りになるはずの青年艦長に率いられ、アン
ヴェイル号は大海原に乗り出す。だが行く手には敵国の軍艦が……。
最強の構想でおくる、海洋冒険ファンタジー、いよいよ開幕!
*
装幀関係は
Cover Illustration 藤城陽
Cover Design 二階堂龍吏(くまくま団)
イラスト 藤城陽
最後の最後が目次のコピー。
序章
第1章 博物戦艦の出港
第2章 世界の果てへ
第3章 黄毛の人々
第4章 メギオスの金毛氈
終章
あとがき